“真”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
46.4%
まこと26.2%
しん15.3%
ほん7.1%
まっ1.3%
まこ0.8%
ほんと0.8%
ほんとう0.4%
まつ0.4%
0.3%
0.2%
まさし0.1%
0.1%
すぐ0.1%
シン0.1%
ホン0.1%
マツ0.1%
レエル0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なつになると、しろくも屋根やねうえながれました。おんなは、ときどき、それらのうつりかわる自然しぜんたいして、ぼんやりながめましたが
ちょうと三つの石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
細君の我儘が外まで知れ渡るのはまことに辛い。家の中丈けならいくらでも我慢するが、と女婿は斯ういうことには本能的に神経過敏だ。
女婿 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
モリエエルなどのきよ匠の作を演ずる日が削減されるのは遺憾なことであるから、マス君の議論はしんに発言の時を得たものであつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
苦しい算段の市の復興全体から言へば、彼の損害なぞはほんの微々たるものに過ぎなかつたが、それでも木山の負つた傷は大きかつた。
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
表に、御泊りとかいた字の、その影法師のように、町幅のまっただ中とも思う処に、曳棄ひきすてたらしい荷車が一台、屋台を乗せてガタリとある。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それはまことに日本文化のために結構な事であるが、それだけ一般化され、民衆化され、平凡化されて来た芸術の仕事の上においては
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
お母さん、ほんとに民子は可哀相でありました。しかし取って返らぬことをいくら悔んでも仕方がないですから、跡の事をねんごろにしてやる外はない。
野菊の墓 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
官人は順順にそれを見たが、それはほんとうの桃であるかないかをしらべるようなさまであった。と、たちまち縄が空から落ちて来た。彼の男は驚いて叫んだ。
偸桃 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
ぼんやりしたうめえだをのばしてつてるやうだ。あたりをみまはすとまつくらで、とほくのはうで、ほう、ほうツて、ぶのはなんだらう。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
彼は実悪ジツアク、即、立敵タテガタキに位すべき人で、幸四郎の時代、又は王代ワウダイにおける立敵としての最後の人であるのに対して、唯一人延若があつて、世話・御家物オイヘモノ敵として、残るものと言ふべきであらう。
実川延若讃 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
街道は川の岸をうてぐにび、みたところ平坦へいたんな、楽な道であるが、上市から宮滝、国栖、大滝、さこ、柏木を経て、次第に奥吉野の山深く分け入り
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
富士川氏所蔵の自筆本数種を見るに、細楷と行狎ぎやうかふと皆遒美いうびである。塩田まさしさんの談に、蘭軒は人に勧めて雲麾碑うんきのひを臨せしめたと云ふ。平生書に心を用ゐたものとおもはれる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
見くびられてはぞ心苦しかろうと岡見ながらも弁えておきたい。
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)
由「大変ていへんだ、まるで病人の始末だねえ、あゝ腰がすくんであるけませんが……やア大層ていそう立派なうちだが……おかしい、坂下から這入るとまるで二階下で、往来からすぐに二階へいる家は妙で、手摺が付いてある……」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
自然主義者の所謂「シン」の意義も、この点の分別が大分ダイブ欠けて居るやうに見える。
和歌批判の範疇 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
男『フンフン、御前おめあハンモエツタケスカ。フン、ホンニソダチナハン。アレガラナハン、サ来ルヅギモ面白オモシエガタンチエ。ホリヤ/\、大変テエヘンダタアンステァ。』
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
さてその呪物のマツ其まゝに、白玉の如く、御白髪がおありになり、赤珠の如く、健康で赤々と血色よくおありになり、青玉其は、水江ミヅエの青玉の穴が両方から程よく交叉してゐる如く
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
その夢は衣の下で宇宙の本質の核心に徹したが故に、現実よりもさらにレエルである……