“迫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せま64.3%
22.8%
つま1.8%
せまり1.2%
さこ1.2%
せり1.2%
せめ0.6%
せまっ0.6%
0.6%
おそ0.6%
せか0.6%
せが0.6%
せき0.6%
せこ0.6%
つまり0.6%
つめ0.6%
はざま0.6%
ばさま0.6%
めぐ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そとからて、何人なんぴとか、ここにかなしみがあるとおもうだろうか。むろんここには近所きんじょまでせまった飢餓きがもなければ貧困ひんこんもなかったのでした。
子供は悲しみを知らず (新字新仮名) / 小川未明(著)
蘿月は六十に近いこの年まで今日きょうほど困った事、つらい感情にめられた事はないと思ったのである。妹お豊のたのみも無理ではない。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
押しつまるにつれて店はだんだんせわしくなって来た。かどにはもう軒並み竹が立てられて、ざわざわと風に鳴っていた。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
一歩も退かぬ決意の寄手の激しい攻撃に、瀬尾の者たちは大方討ちとられ、城は壊滅に陥った。夜になっても寄手の攻めは衰えず、遂にささせまりは破られた。
ホラは谷またはさこのことである。尾張の鳴海のナルも平衍の意味であろう。ナルに鳴の字を充てた例はいくらもある。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「しかし、此処の器量よしめの。かほどの器量までにおのれをせりげて居おるのも、おのれの私を成そうより始まったろう。エーッ、忌々しい。」
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
小西屋へ一度掛合吾儕わしら身體からだの明りの立やうに何卒どうぞなされて下されませとことわせめたるお光の述懷じゆつくわい無實むじつおちいり樂みし赤繩せきじようこゝに絶しと知ぬは憐れといふもおろかなりけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そのとしも段々せまって、とう/\慶応三年のくれになって、世の中が物騒ぶっそうになって来たから、生徒も自然にその影響をこうむらなければならぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
水草をうて自在に移るという時代には、それが南下して支那とたびたび衝突する。
三たび東方の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
(——清水茂は異常な恐怖におそわれているらしく顔色を蒼白に変えながら語った)……はて、これはおかしなことがあるものだ。
象牙の牌 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
目科は聞くに得堪ずと思いし如く「お前は要点だけ話す事が出来ぬのか」とせかし立るに巡査は一向頓着せず
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
ぼくはここ迄を昨夜、女郎にショールを買えないと云い訳に行き、ちょいの間を行き、婆さんの借金を三円払ってやり、正月に連れだして、やる約束をせがまれ……所で、今月は師走です。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)
上へ返して押たる者と相見え爪印がさかさに成て居るはコリヤ如何の譯なりやと云ければ九助はハツトばかりにて一言の返答へんたふもなく只落涙らくるゐしづ俯向うつむいて居たるにぞ理左衞門は迫込せきこんでコリヤ何ぢや御重役方よりの御不しんなるぞおのれ何心なく押たのかたゞしゆび痛所いたみしよにても有てぎやくに押たるやコリヤ何ぢや/\とせき立れど九助は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何百丈か何千丈か、乾反ひそり返つて聳え立つた岩壁の頂上に坐つて恐る/\眼下を見てゐると、多くはせこになつた森の茂みに籠つて實に數知れぬ鳥の聲が起つてゐる。
鳳来寺紀行 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
強く云拔いひぬけやうとても然樣うまくはだまされず是が表向おもてむきになる時は文右衞門さんははなはだ御氣の毒だが御吟味中入牢じゆらうトヾのつまりは首がなし命あつての物種ものだねなればサア/\殘りの金子を渡されよどうだ/\と責付せめつけるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
て駿州木綿島村もめんじまむらへ十月十五日に着たりける然るにじん太夫は平常へいぜい痰持たんもちにて急にせりつめけるが三四日の内に思ひの外全快ぜんくわいし先常體つねていなれば夫婦は早速さつそく對面なせしに甚太夫は兩人が遠方ゑんぱうの所を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はざま川の岸に接した一農場は、細田氏という人が実際の管理をしている。細田君は遠田の農学校の出身で、自身も屈強な農夫である。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「黄金ばさまばさまという字と、あの七ツ森というのは覚えにくい、迫というのをいつもさかと読んだり、さかりと読んだりしてしまう」
千束守はその道の猛者もさではあり、歌よりも恋の狩人ラヴ・ハンターとして有名でしたが、伊太利イタリーから帰って間もなく、フトした機会にこの素晴らしい幼な馴染なじみの志津子婦人にめぐり逢ってからは、身も世も忘れた姿で