“沈”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しず55.1%
しづ27.2%
じん4.3%
ぢん2.4%
ちん2.0%
しづみ0.8%
0.8%
しずむ0.8%
しずめ0.8%
しづめ0.8%
じっ0.8%
0.4%
おち0.4%
おもり0.4%
0.4%
しずみ0.4%
しずん0.4%
しつ0.4%
しづむ0.4%
しめ0.4%
しん0.4%
ぢつ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ロボはそののどに食いついたなり、身をしずめ、うんとふんばると、牝牛めうしは、角を地についてまっさかさまに大きくとんぼ返りにたおれる。
からになつた渡船とせんへ、天滿與力てんまよりきかたをいからしてつた。六甲山ろくかふざんしづまうとする西日にしびが、きら/\とれの兩刀りやうたう目貫めぬきひからしてゐた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
挿頭かざしの台はじん紫檀したんの最上品が用いられ、飾りの金属も持ち色をいろいろに使い分けてある上品な、そして派手はでなものであった。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
ぢん白檀びやくだん、松脂等が吾人に或感を起さしむるのも、決して因襲習慣より來る聯想によるのみでは有るまい。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ちん大佐は洋風の机の前で書類を調べていた。孫軍曹を見ると、つやのある、右と左と大きさの違う眼をぐっと開いて
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
女ながらも心男々をゝしき生質さがなれば大岡殿のことばしたがひ私し苦界へしづみし事は父が人手に掛り其上姉の身の代金もうばはれしとの事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
娘はどこまでも真面目まじめいて返事を致しました——
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
我ら病重くして庸医をさりて名医に行くがごとく、名医もなお我らを治する能ざる時は神なる最上の医師に至るなり、庸医が我の病は不治なりと診断する時は我は絶望にしずむべきや、いなしからず
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
親のうちつぶれてしまえば頼みに思う番頭からびを入れて身受みうけの金を才覚してもらおうというのぞみも今は絶えたわけ。さらばといってどうして今更お園をば二度と憂き川竹かわたけ苦界くがいしずめられよう。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
此書このしよならずしてなるいづみに玉山をしづめしはをしむべし/\。
誰一人じっとしているものは無い。腰を掛けたかと思うと立つ。甲に話しているかと思うと何時の間にか乙と談じている。
日と月と一時にったと申しましょうか、何と申しましょうか、それこそほんにまっ暗になりまして、辛抱に辛抱して結局つまりがこんな事かと思いますと
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
それでふだんはおち着いて、眼をつぶってばかりいて、よっぽど大変な事のある時でなければ眼を開かないと申します。
アイヌ神謡集 (新字新仮名) / 作者不詳(著)
あらため見れば、鈎※はりすおもり、綸など、みだれに紊れ、処々に泥土さへ着きて、前回の出遊に、雪交りの急雨にひ、手の指かじかみて自由利かず、其のまゝ引きくるめ、這々ほうほうの体にて戻りし時の
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
きたり辛苦しんくさこそなるべけれど奉公大切ほうこうだいじつとたまへとおほせられしがみゝのこりてわすられぬなりれほどにおやさしからずばれほどまでにもなげかじとがたきづなつらしとてひとひまには部屋へやのうちにづみぬいづおとらぬ双美人そうびじんしたはるゝうれしかるべきを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
何故って、ここはお前……お前が何時かこむらを返してしずみ懸った時に、おらがその柔かい真白な体を引抱ひんだいてたすけ揚げたとこだ。
片男波 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
さすがの美人がうれいしずんでる有様、白そうびが露に悩むとでもいいそうな風情ふぜいを殿がフト御覧になってからは、ゆうたえなお容姿ようすに深く思いをよせられて、子爵の御名望ごめいぼうにもかえられぬ御執心と見えて
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
おもいメランコリイのそこしつんで了ふであらう。
メランコリア (旧字旧仮名) / 三富朽葉(著)
何を見てもしづむ光彩くわうさいである。それで妙に氣がくづれてちつとも氣がツ立たぬ處へしんとしたうちなかから、ギコ/\、バイヲリンをこする響が起る。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
しめる。男は歎息ためいきくばかりでした。奥様も萎れて
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
大成はちん姓の家からおさ珊瑚さんごという女をめとったが、大成の母のしんというのは、感情のねじれた冷酷な女で、珊瑚を虐待したけれども、珊瑚はすこしもうらまなかった。
珊瑚 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
燥々いら/\しながら立つて毛布ケツトをはたいた、煙草シガアの灰が蛇の抜殻のくづるる様にちる、私は熱湯の中に怖々おづ/\身体からだを沈める時に感ずる異様な悪感に顫へながら強ひて落着いた風をしてぢつと坐つて見た。
新橋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)