“伏”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
47.7%
19.0%
12.0%
ふく5.6%
ふし3.7%
ふさ3.2%
ふせ2.8%
ぶせ1.4%
こや0.9%
まつろ0.5%
0.5%
ふして0.5%
ふしど0.5%
ぶく0.5%
ぷく0.5%
0.5%
マツロ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「さっきから、あすこに、水の中にひれしておりますのが私の兄の口子くちこでございます」と、口媛くちひめは涙をおさえてお答え申しました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
「まあ!」と立って床を延べようとしていた女は、急に小倉のひざの上につっした。そして泣き入るのだった。小倉はびっくりした。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
なにか、いいかけたと思うと、彼の引っ張っていた杖の先を離して、沢の石ころや草叢くさむらの中に、よろりと、音もなくしてしまった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここおいせいぐんものをして、(五三)萬弩ばんどみちはさんでふくせしめ、(五四)していはく、『くれがるをともはつせよ』
掛内に這入はひりふしみ居し折柄をりから燒場の外面おもての方に大喧嘩おほげんくわが始りし樣子故何事かと存じそつと出てうかゞひしにくらき夜なれば一かうわからず暫時しばらく樣子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いくらか萎びかかつたその肌に、山の渓あひに山雞やまどりの雌のやうに腹這ひふさつてゐる雲の匂を嗅ぐことができたやうに思つた。
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
まことに、つみな、まないことぢやあるけれども、同一おなじ病人びやうにんまくらならべてふせつてると、どちらかにかちまけがあるとのはなしかべ一重ひとへでも、おんなじまくら
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
例えば鎌倉権五郎だ、十三ぞくぶせの矢を、三人張りで射出され、それで片目射潰されても、なお堂々と敵を斬り、生命には何んの別状もなかった。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この時に熊野の高倉下たかくらじ、一横刀たちをもちて、天つ神の御子こやせるところに到りて獻る時に、天つ神の御子、すなはちめ起ちて、「長寢ながいしつるかも」と詔りたまひき。
ここに天皇、その御子の建く荒き情をかしこみて、詔りたまひしく、「西の方に熊曾建くまそたける二人あり。これまつろはず、禮旡ゐやなき人どもなり。かれその人どもを取れ」
ここにそのあらき浪おのづからぎて、御船え進みき。ここにその后の歌よみしたまひしく
佐助は春琴の苦吟くぎんする声に驚き眼覚めて次の間よりけ、急ぎ燈火を点じて見れば、何者か雨戸をじ開け春琴がふしど戸に忍入しのびいりしに、早くも佐助が起き出でたるけはいを察し
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
父母に七一孝廉かうれんの聞えあり、貴きをたふとみ、いやしきをたすくるこころありながら、七二三冬のさむきにも七三きう起臥おきふし、七四ぶくのあつきにも七五かつすすぐいとまなく
ほらの口に煙がぱっととんだかと思うと、三悪漢あっかんをのせたボートは、木の葉のごとくひるがえって矢をいるごとき早瀬はやせに波がぱっとおどるとともに、三人のすがたは一ぷく
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
松の木の靡きすばかり、老い盛え木垂コダるを見るに、松の木の枝の靡き伏す斎戸イハヒトに——斎殿か、家人イヘビト又は斎人イハヒビトか——旅の我を後見ミオクる——家に残つた人の遠方から守らうとして
万葉集研究 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
をとめのマヨひきの国。たまくしげ輝く国。こもまくらあるタク新羅の国を、丹波ニナミけ給ひマツロへ給はむ。