“平”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひら32.7%
たいら22.4%
たい9.2%
たひら9.2%
ぴら3.2%
へい3.2%
たひ2.5%
だいら1.9%
なら1.6%
ひらた1.4%
たひらか1.2%
1.1%
たいらか0.7%
ヒラ0.7%
たいらの0.5%
だひら0.5%
0.5%
ひらっ0.5%
ぺい0.5%
つね0.4%
びら0.4%
0.4%
へえ0.4%
タヒラ0.4%
ことむ0.2%
なる0.2%
やは0.2%
てえ0.2%
てえら0.2%
でえら0.2%
ひた0.2%
ひと0.2%
ひょう0.2%
ひらった0.2%
ひれ0.2%
0.2%
ふだん0.2%
へた0.2%
べい0.2%
べえ0.2%
0.2%
やす0.2%
カル0.2%
タイ0.2%
タイラ0.2%
タヒラノ0.2%
ダイラ0.2%
ダヒラ0.2%
ヘイ0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
烏賊いか椎茸しいたけ牛蒡ごぼう、凍り豆腐ぐらいを煮〆にしめにしておひらに盛るぐらいのもの。別に山独活やまうどのぬた。それに山家らしい干瓢かんぴょう味噌汁みそしる
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
老耄ろうもうしていた。日が当ると茫漠ぼうばくとした影がたいら地面じべたに落ちるけれど曇っているので鼠色の幕を垂れたような空に、濃く浮き出ていた。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
川上の方を見ると、すすきのいっぱいにはえているがけの下に、白いいわが、まるで運動場うんどうじょうのようにたいらに川に沿って出ているのでした。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「はじめはえらく噴き出しましたよ。場所は中宿なかじゆくたひらですがね。それがあんた、どういふもんか、だんだんに勢ひがなくなりましてね」
(新字旧仮名) / 岸田国士(著)
くうええてぎり/\つとかうぴらでぶんまあすとぽろうつとれちやあのがんだから、そんだからいまでも、かうれ、とほりだ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それを見ると伝二郎は炊事場の上りがまちへ意気地なく額を押しつけてしまった。丁稚も見よう見真似でそのうしろにへい突くばっていた。
されば芝居をつくる処、此役者が家はさらなり、親類しんるゐ縁者えんじや朋友はういうよりも人を出し、あるひは人をやとひ芝居小屋場の地所の雪をたひらかにふみかため
刈安峠を踰えブナ坂を下り、だいらの小屋へは立ち寄らずに、越中沢(ヌクイ谷)を徒渉としょうして黒部川の河原に出で、十五分ばかりり休憩した。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
長火鉢の猫板ねこいた片肱かたひじ突いて、美しい額際ひたいぎわを抑えながら、片手の火箸ひばしで炭をいたり、灰をならしたりしていたが、やがてその手も動かずなる。
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
自分はこの布団を畳の上へひらたく敷いた。それから残る一枚を平く掛けた。そうして、襯衣シャツだけになって、その間にもぐり込んだ。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
愛讀の書物の金文字がきら/\輝く。野に積つた雪のやう。たひらかに皺一つない幾帖かの原稿紙のおもてに、小さな唐獅子の文鎭が鮮な影を描いてゐる。
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
土を穿ち、土を移し、土をらし、土を積む。彼等は工兵のありである。同じ土に仕事する者でも、農は蚯蚓みみずである。蚯蚓は蟻を恐れる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
五百いおが藤堂家に仕えていた間に、栄次郎は学校生活にたいらかならずして、吉原通よしわらがよいをしはじめた。相方あいかた山口巴やまぐちともえつかさという女であった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
岩木川は其本流西方よりし、南より来るヒラ川及び東より来る浅瀬石アサセイシ川と弘前市の北にて会合し、正北に流れ、十三潟に注ぎて後、海に入る。
津軽 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
保元物語に見える伊勢武者のたいらの忠清は、この古市ふるいちの出生とあるが、今は、並木の茶汲み女が、慶長の古市を代表していた。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
暮るゝを惜むかの如くしづやかに黄昏れそめた鹽田だひらの全面を見おろし、あの自分にも思ひ出の縁結びに利益のあると云ふ觀音樣の境内の石の玉垣にもたれ合つて
湖畔手記 (旧字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
そして土堤どてれ伏しました。けれど大将の吉はまだ一人線路に残つてゐました。
文化村を襲つた子ども (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
フライにするにはひらったく押して玉子と米利堅粉の衣をかけてサラダ油でげるのです。林檎りんごのフライも林檎を薄く切ってその通りに致します。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
村落むら子供等こどもらは「三ぺいぴいつく/\」と雲雀ひばり鳴聲なきごゑ眞似まねしながら、小笊こざるつたり叉手さでつたりしてぢやぶ/\とこゝろよい田圃たんぼみづわたつてあるいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
女性を冷罵する事、東西厭世家のつねなり。釈氏も力を籠めて女人を罵り、沙翁も往々女人に関してあきたらぬ語気を吐けり。
厭世詩家と女性 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
平次はその大ダンびらのような匕首を見せました。
一番先に匕首あひくちを叩き落された勘次は、ガラツ八の糞力くそぢからにひしがれて、かへるのやうにたばりました。
生命いのちがけで、いて文部省の展覧会で、へえつくばって、いか、洋服の膝を膨らまして膝行いざってな、いい図じゃないぜ、審査所のお玄関で頓首とんしゅ再拝とつかまつったやつを、紙鉄砲で、ポンとねられて
紅玉 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
タヒラニシテ、敵ノ上方勢ヲ見ルニ、武具馬具光リ輝キ、将卒ノ気ハミナビヤカニ、陣装ヂンサウ燦爛サンラン、馬ハ長大ニシテ、悍気カンキ高ク、海外ヨリ得タル新兵器ト火薬ナドノ物智ブツチケ、武者立チ、イカメシク
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
太子ひつぎのみこ正勝吾勝勝速日まさかあかつかちはやび天の忍穗耳おしほみみの命にりたまはく、「今葦原の中つ國をことむへぬと白す。かれ言よさし賜へるまにまに、降りまして知らしめせ」
伊予周桑しゅうそう郡小松町大字新屋敷字堂ガなる
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
いまし行きて天若日子に問はむ状は、汝を葦原の中つ國に遣はせる所以ゆゑは、その國の荒ぶる神たちを言趣ことむやはせとなり。何ぞ八年になるまで、復奏まをさざると問へ」
「こいつを登りきると、あとはずつとてえらだで……」
(新字旧仮名) / 岸田国士(著)
「今朝は中宿なかじゆくてえらで、岩をぶつこはすちうこんで、そんで、うちの爺さんもちよつくら見に行きましただ」
(新字旧仮名) / 岸田国士(著)
おらあごしよでえら
捨吉 (旧字新仮名) / 三好十郎(著)
兼ね備えたこれらの紙漉かみすき機械のあらゆる細部の機関、細きもの、ひたたきもの、円き、綱状の、腕型の、筒の、棒の、針金の、調革しらべかわの、それらがひとしく動いて、光って、流れて、揺れて、廻って
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
なんぢ凡夫を捨つべく、聖道は取るべしと存せば、則ち分別をじやうず。いづくんぞ宴と為すことを得ん。この句は凡聖の二境をひとしくすることあたはざるをするなり。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
それはひょうを踏みはずし、そくを踏み落して、住職や、有志家連をして、手に汗を握らしむる程度のものに相違ないから、その点の安心が、米友をして仮睡うたたねの夢に導いたと見らるべきです。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
こいつおかしいと思ったので、直ぐに後をつけやした。それ私は四尺足らず、三尺八寸という小柄でげしょう。もっとも頭は巾着きんちゃくで、ひらったく云やア福助ふくすけでさあ。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そして我々を導き入れると同時に、三人はこらえ泳えていた悲しみが一時にせきを切ったように、俄破がばとそこにひれ伏してしまいました。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
ただ藩主が侍従とか少将とかになった時には、朝廷から口宣を賜わるのでおおらに献上物等もした。その他臨時に献上物をすることもあった。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
「妾が小次郎へ縫ってあげた、ふだん着の衣裳の片袖なのだからねえ」
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
此の人間の気が、ほとぼりに成つてかよつたと見える。ぐたりとかえるつぶしたやうに、手足を張つてへたばつて居た狂気武士きちがいざむらいが、びくりとすると、むくと起きた。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そんな時「おれは亀になりたい……。」と咏嘆したべいの漁師もゐたさうだ。
東京湾怪物譚 (新字旧仮名) / 佐藤垢石(著)
虎井満十はべえで喧嘩早くて、始末の悪い男には相違ありませんが、正直で感がよくて、特種取りの名人で、新聞記者としては、東京で何人と言われた腕達者だったのです。
笑う悪魔 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
およそこの倭建の命、國けに𢌞りでましし時、久米くめあたへが祖、名は七拳脛つかはぎつね膳夫かしはでとして御伴仕へまつりき。
かれやすく寢て出でましき。また來る日の夜は、呉公むかでと蜂とのむろやに入れたまひしを、また呉公むかで蜂のひれを授けて、先のごと教へしかば、やすく出でたまひき。
カル——バア——アスよう。」
追放されて (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
コノ地銀坑山トウハ、瀘水ロスイ、甘南水、西城水ノ三江メグリ、地タイラカニシテ北千里ガ間ハ万物ヲ多ク産シ、東三百里ニシテ塩井エンセイアリ、南三百里ニシテ梁都洞リョウトドウアリ、南方ハ高山ニシテオビタダシク白銀ヲ産ス。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
水泊スイハクウズタイラゲテ晁蓋チョウガイ生擒イケドリ”
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
七位允シチヰノジヨウサキノ滝口ノタヒラノ小次郎将門ヲ以テ、相馬御厨ミクリヤ下司ゲスジヨス。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
出来ればダイラまでぬけたい考えであったが、途中思いの外の険難つづきに手間どり、その上、立山の長次郎などが加わったため、助七にして見れば、繩張りを冐されるような気がしたかもしれず
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
松本ダヒラ辺は、玄蕃ゲンバジヨウの様な長命の狐の居た処とて、如何様狐の話が多い。
信太妻の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
またngはウまたはイの音になり(「ジャウ」「トウ」「カウ」などの語尾ウ、「ヘイ」「セイ」などの語尾イは、もとngである)
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
をとめのマヨひきの国。たまくしげ輝く国。こもまくらあるタク新羅の国を、丹波ニナミけ給ひマツロへ給はむ。