“つね”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ツネ
語句割合
30.0%
20.1%
11.8%
9.9%
平常8.8%
平生2.2%
2.2%
1.9%
1.7%
平時1.4%
平素1.1%
普通1.1%
平日0.8%
常日0.8%
0.8%
常態0.6%
0.6%
日常0.6%
0.3%
0.3%
0.3%
常居0.3%
常情0.3%
常習0.3%
0.3%
0.3%
恒例0.3%
爪捻0.3%
特有0.3%
習慣0.3%
間雜0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はなはだ勝手な申分であるが、私は正月の元旦といえども、ふだん着のまま寝ころんでいたりして、つねのままな顔がしていたいのである。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
「あ。そしてね、もし島崎がいい気もちになって、こっちの約束を忘れているようだったら、人のいない所で、お尻をつねっておやりよ」
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
維新の前、藩侯の通輦つうれんあるや、つねに磁土を途に布きて、その上に五彩を施せしといふ、また以て、窯業えうげふの盛なるを想ふに足るべし。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
これが傍に坐し、左の者の傍には、恩を忘れ心つねなくかつそむやすき民マンナに生命いのちさゝへし頃かれらをひきゐし導者坐す 一三〇—一三二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
平常つね部屋へやりかゝる文机ふづくゑ湖月抄こげつせうこてふのまき果敢はかなくめてまたおもひそふ一睡いつすゐゆめ夕日ゆふひかたぶくまどすだれかぜにあほれるおとさびし。
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
始て怖気付おじけづいてげようとするところを、誰家どこのか小男、平生つねなら持合せの黒い拳固げんこ一撃ひとうちでツイらちが明きそうな小男が飛で来て、銃劒かざして胸板へグサと。
かくて我等はくづれおちたる石をわたりてくだれり、石はつねならぬ重荷を負ひ、わが足の下に動くこと屡〻なりき 二八—三〇
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
潔癖を持つ事は時に孤独こどくさみしさが身をむ事もあるが、つねに、もののイージーな部分にまみれないではっきりとして客観的にものを観察出来て
つねつてもたしか活返いきかへつたのぢやが、それにしても富山とやま薬売くすりうりうしたらう、様子やうすではとうになつて泥沼どろぬまに。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
平時つねに変れる状態ありさまを大方それと推察すゐして扨慰むる便すべもなく、問ふてよきやら問はぬが可きやら心にかゝる今日の首尾をも、口には出して尋ね得ぬ女房は胸を痛めつゝ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
野生わたくしうちへおいで下さりますると、ああもったいない、雛形はじきに野生めが持ってまいりまする、御免下され、と云いさまさすがののっそりも喜悦に狂して平素つねには似ず
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
磧は黒く醜くなりすなは黄ばめる普通つねの沙となれり、見よ見よいかにと告げ知らするに二人は驚き、まなこみはりて見れば全く父の言葉に少しもたがわぬすなこいし
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その日はほかにも、平日つねならば読者の目を驚かせる社会記事が多かった。
芳川鎌子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
かねなんとしておこす、三すけもらひにやろかとあれば、ほんにれで御座ござんす、常日つねさへあるに大晦日おほみそかといふてはわたしすきはあるまじ、みちとほきに可憐かわいさうなれど三ちやんをたのみます
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
故中村つね氏等いずれももとは中村屋の屋敷内に起臥し、食卓を共にした人々であり、じつに堂々たる美術家揃いでありました。
と小人の常態つねとて語気たちまち粗暴あらくなり、にべなく言い捨て立たんとするにあわてし十兵衛、ではござりましょうなれど、と半分いう間なく、うるさい、やかましいと打ち消され
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
つねの御心もちて、御馬みまに乘りながら、大長谷の王の假宮の傍に到りまして、その大長谷の王子の御伴人みともびとに詔りたまはく
真夏の夕暮、室々のへだてのふすまは取りはらわれて、それぞれのところに御簾みす几帳きちょうめいた軽羅うすものらしてあるばかりで、日常つね居間いままで、広々と押開かれてあった。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
才学つねならぬ優秀なものとなり、赤染時用という検非違使から大隅守になっただけで別に才学の噂も無い平凡官吏の胤とも思われない。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
むかし延長えんちやうの頃、三井寺に興義こうぎといふ僧ありけり。絵にたくみなるをもて名を世にゆるされけり。つねゑがく所、仏像ぶつざう山水さんすゐ花鳥くわてう事とせず。
子曰く、吾一日なんじたちに長ぜるを以て(対えずして)むことなかれ、(なんじたち)つねに則ち(人皆)吾を知らずという、なんじたちを知りて(用うる)あらば則ち何をかさん。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
文三と意気そりが合わねばこそ自家じぶん常居つねからきらいだと云ッている昇如き者に伴われて、物観遊山ものみゆさんに出懸けて行く……
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
冷遇ふッて冷遇て冷遇ふり抜いている客がすぐ前のうちあがッても、他の花魁に見立て替えをされても、冷遇ふッていれば結局けッく喜ぶべきであるのに、外聞の意地ばかりでなく、真心しんしん修羅しゅらもやすのは遊女の常情つねである。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
鍛練に鍛練を重ねても十分につとまるかどうか判らぬとがお能の常習つねじゃ。そげな卑屈な心掛で舞台に出てもえものと思うてんなさるとな。私の眼の黒いうちは其様そげな事は許さん。
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
郷里の父母の同意を辛うじて得て東京にとどまり、太平洋絵画研究所に通学して油絵を学び、当時の新興画家であつた中村つね、斎藤与里治、津田青楓せいふうの諸氏に出入して其の影響をうけ、又一方
智恵子抄 (新字旧仮名) / 高村光太郎(著)
願ふ所心にしたがひてつねに歓喜を生ぜむ、と。されば宜しく天下の諸国をして各々七重塔一区を敬ひ造り、並に金光明最勝王経・妙法蓮華経各十部を写さしむべし。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
むかしむかし棄老国とばれたる国ありて、其国そこに住めるものは、自己おの父母ちちははの老い衰へて物の役にも立たずなれば、老人としよりは国の費えなりとて遠き山の奥野の末なんどに駆りつるを恒例つねとし
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「ああ、発ッてますよ。口惜くやしいねえ」と、吉里は西宮の腕を爪捻つねる。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
それへ旧袁紹えんしょう軍の北兵の勢約七、八万は加えておりますが、もともと被征服者の特有つねとして、意気なく、忠勇なく、ただ麾下きかについているだけのもの。ほとんど怖るるに足りません
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
嫉妬深い獣の習慣つねとして私と戯れている小猿達を見ると、彼は猛烈に岡焼きして気味の悪い声で吠え立てて威嚇おどかそうとするのであった。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
門に進みてはしために問へば、家にいますは夫人のみにて、目覺めざめて後は快くなれりとのたまへり。間雜つねの客をばことわれと仰せられつれど、檀那だんなは直ちに入り給ひてもよろしからんとなり。