“喧”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やかま52.5%
やか16.2%
かまびす11.9%
かしま9.9%
けたたま2.3%
かま1.3%
けたた1.3%
かし1.0%
かまび0.7%
さわが0.7%
かまびすし0.3%
かまびすしく0.3%
かまびず0.3%
さかし0.3%
ざわ0.3%
0.3%
やかまし0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
作法などをとやかくしくいうが、その作法なるものも古美術を尊重し、審美生活を愛する心から生まれているということが出来る。
現代能書批評 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
それが一週間に二三度くらい出てきた先生も毎日来なければならぬようにましくなり、総て官吏服務規則にって勤めることになった。
美術学校時代 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
プラットフォオムには給仕がパンや珈琲を持って駈けっている。旅客の中には、ここで下車するものもある。人の呼び交す声がしい。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
そのうち毘沙門の谷には、お移りになりまして二度目の青葉が濃くなって参ります。明けても暮れても谷の中はしい蝉時雨ばかり。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
満員の電車がしい警笛を鳴らして頻繁に通る。大阪は郊外生活が東京よりも早く発達したと小川さんが力説したが、成程盛んなものだ。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
時刻は暮に近い頃だったから、日の色はにもにも射さないで、しい局部もなく、総体が粛然びすしい十字のの上に超越していた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
船をたずねて波止場へ行く道を人に尋ねると、人はよく教えてくれましたから、お君は、その通りに行こうとする時分に、後ろからましいの音。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
顔を洗ふべく、静かに井戸にいた自分は、敢てましき吊車の音に、この暁方の神々しい静寂を破る必要がなかつた。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
權三助十默止ますまい此一件彦三郎申分相立候樣に御慈悲を願ひ奉つると云ふに八右衞門彦三郎も進出三助十諸共すしくこそ申けれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
明るい朝が来て、澄んだ初秋の空からは、しい太陽の下に、小鳥の声が軒庭にしかった。
戒厳令布かれたる号外売る鈴の音き裡に在りて、泰然釣を垂れ、世事を一笑に附し去りて顧みず。釣者誠に仙客なるかな仙客なるかな。
東京市騒擾中の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
庭中より城楼直起するがごとし。器用甚備。町数八十ありといふ。此日暑甚し。夜微風あり。行程九里
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ある蝉時雨早瀬のように、しくえている、真昼過ぎのことであったとします——内部っていたような不時来客
吝嗇を生命の京も、これには皆々舌を巻きて、近処の噂まし。
心の鬼 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
只今このめきの中にあつて、すぐに心にうかんできた、この句こそ、つね日ごろ、愛誦してゐたとはいへないでも、心に忘れ得ず、いく分かは、今日のわたくしの、として養つてくれた
吾が愛誦句 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
私は額縁屋へかましくいって造らせたりしますが、どうもいう事を聞かないのでだから致方なく、私は場末の古道具屋をあさって、常に昔しの舶来縁の、古いのを探しまわるのです
楢重雑筆 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
軒の風鈴に緑を吹き来る風の音からず、そのチリチリに誘われてツイ華胥の国に遊び去る、周荘が胡蝶の夢も殊の外に安らかで、醒めぎわの現なしにも愛らしき音は何の妨げともならぬぞ嬉しい。
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)