“不時”の読み方と例文
読み方割合
ふじ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いま珈琲カツヒーはこんで小間使こまづかひかほにもそのいそがしさがへるので、しや、今日けふ不時ふじ混雜中こんざつちうではあるまいかと氣付きづいたから、わたくしきふかほ
階段の下は錠口になっていて、不時ふじの攘夷派の襲撃にそなえるために、車びきの重い、土扉つちどが閉まり、出入のたびに、いちいち鍵で開閉することになっている。
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
星月夜ほしづきよの光に映る物凄ものすごい影から判断すると古松こしょうらしいその木と、突然一方に聞こえ出した奔湍ほんたんの音とが、久しく都会の中を出なかった津田の心に不時ふじの一転化を与えた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)