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不時
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ふじ
ふりがな文庫
“
不時
(
ふじ
)” の例文
今
(
いま
)
珈琲
(
カツヒー
)
を
運
(
はこ
)
んで
來
(
き
)
た
小間使
(
こまづかひ
)
の
顏
(
かほ
)
にも
其
(
その
)
忙
(
いそ
)
がしさが
見
(
み
)
へるので、
若
(
も
)
しや、
今日
(
けふ
)
は
不時
(
ふじ
)
の
混雜中
(
こんざつちう
)
ではあるまいかと
氣付
(
きづ
)
いたから、
私
(
わたくし
)
は
急
(
きふ
)
に
顏
(
かほ
)
を
上
(
あ
)
げ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
階段の下は錠口になっていて、
不時
(
ふじ
)
の攘夷派の襲撃にそなえるために、車びきの重い、
土扉
(
つちど
)
が閉まり、出入のたびに、いちいち鍵で開閉することになっている。
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
星月夜
(
ほしづきよ
)
の光に映る
物凄
(
ものすご
)
い影から判断すると
古松
(
こしょう
)
らしいその木と、突然一方に聞こえ出した
奔湍
(
ほんたん
)
の音とが、久しく都会の中を出なかった津田の心に
不時
(
ふじ
)
の一転化を与えた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかも自分の
不時
(
ふじ
)
な招きをうけて、この雪中を物ともせず、早速にやって来た以上、それくらいな
洞察力
(
どうさつりょく
)
もない者と観るのは、こちらの見方が甘すぎていたかもしれない。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ある
年
(
とし
)
の
夏
(
なつ
)
の
初
(
はじめ
)
、
館
(
やかた
)
の
森
(
もり
)
に
蝉時雨
(
せみしぐれ
)
が
早瀬
(
はやせ
)
を
走
(
はし
)
る
水
(
みず
)
のように、
喧
(
かまびず
)
しく
聞
(
きこ
)
えている、
暑
(
あつ
)
い
真昼過
(
まひるす
)
ぎのことであったと
申
(
もう
)
します——
館
(
やかた
)
の
内部
(
うち
)
は
降
(
ふ
)
って
湧
(
わ
)
いたような
不時
(
ふじ
)
の
来客
(
らいきゃく
)
に
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
大臣
(
だいじん
)
の
乗
(
の
)
っていた
列車
(
れっしゃ
)
が、
途中
(
とちゅう
)
不時
(
ふじ
)
の
停車
(
ていしゃ
)
をしたというので、また
問題
(
もんだい
)
になりました。
白い影
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
見たる其時より
懇意
(
こんい
)
の者へ頼んで置たが何分にも急場の事故
貸
(
かし
)
て
呉人
(
くれて
)
も
一寸
(
ちよつと
)
なく殊に此程は何や斯や
不時
(
ふじ
)
の物入續き
勝
(
がち
)
にて夫に
豫
(
かね
)
ての心願にて人の
嫌
(
いや
)
がる
貧家
(
ひんか
)
の病人
療治
(
れうぢ
)
は
勿論
(
もちろん
)
施藥
(
せやく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
先ず息子の品性を養わないで金儲をしろしろと教えるからそんな事になる。国民もその通り富を消化吸収する力がなくって
不時
(
ふじ
)
に富を得たらばその国民はかえって益々堕落するばかりだ。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
そのほかに、ろうそくを
不時
(
ふじ
)
の
用意
(
ようい
)
として、いつも持ってはいたが。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
不時
(
ふじ
)
の
大騷動
(
だいさうどう
)
に、
愕
(
おどろ
)
き
目醒
(
めさ
)
めたる
春枝夫人
(
はるえふじん
)
は、かゝる
焦眉
(
せうび
)
の
急
(
きふ
)
にも
其
(
その
)
省愼
(
たしなみ
)
を
忘
(
わす
)
れず、
寢衣
(
しんい
)
を
常服
(
じやうふく
)
に
着更
(
きか
)
へて
居
(
を
)
つた
爲
(
た
)
めに、
今
(
いま
)
漸
(
やうや
)
く
此處
(
こゝ
)
まで
來
(
き
)
たのである。
見
(
み
)
るより
私
(
わたくし
)
は
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「——何とぞ
不時
(
ふじ
)
ノ
賜謁
(
しえつ
)
の儀をおはからい願いたく」と
朝
(
ちょう
)
へ手続きをとらせたのだった。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
預
(
あづか
)
る
渡世
(
とせい
)
寸暇
(
すんか
)
の
無
(
なけ
)
れば中々
田舍
(
ゐなか
)
へ尋ね行事などは思ひも
寄
(
よら
)
ず心に
掛
(
かゝ
)
る計りにて今迄
疎遠
(
そゑん
)
に
打過
(
うちすご
)
したり夫に付ても此間の手紙に
細々
(
こま/″\
)
と言越たるには
追々
(
おひ/\
)
不時
(
ふじ
)
の災難や水難
旱損
(
かんそん
)
の打續きて思はぬ
入費
(
ものいり
)
の有しゆゑ親の
讓
(
ゆづ
)
りの身上も
都合
(
つがふ
)
惡
敷
(
しく
)
成
(
なり
)
し由
實
(
じつ
)
に當時の世の中は田舍も江戸も
詰
(
つま
)
り
勝
(
がち
)
併
(
しか
)
し
呉々
(
くれ/″\
)
返事
(
へんじ
)
に
言遣
(
いひつか
)
はしたる通り親は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
若
(
も
)
し
不時
(
ふじ
)
の
天變
(
てんぺん
)
が無ければ、
今
(
いま
)
より
二年
(
にねん
)
九
(
く
)
ヶ
月目
(
げつめ
)
、
即
(
すなは
)
ち
之
(
これ
)
から
三度目
(
さんどめ
)
の
記元節
(
きげんせつ
)
を
迎
(
むか
)
ふる
頃
(
ころ
)
には、
試運轉式
(
しうんてんしき
)
を
擧行
(
きよかう
)
し、
引續
(
ひきつゞ
)
いて
本島
(
ほんとう
)
を
出發
(
しゆつぱつ
)
して、
懷
(
なつ
)
かしき
芙蓉
(
ふえう
)
の
峯
(
みね
)
を
望
(
のぞ
)
む
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
ませう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
“不時”の意味
《名詞》
不 時(ふじ)
思いがけない時。
(出典:Wiktionary)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
時
常用漢字
小2
部首:⽇
10画
“不時”で始まる語句
不時着