“蝉時雨”の読み方と例文
読み方割合
せみしぐれ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのうち毘沙門びしゃもんの谷には、お移りになりまして二度目の青葉が濃くなって参ります。明けても暮れても谷の中はかしましい蝉時雨せみしぐればかり。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
落葉松からまつの林中には蝉時雨せみしぐれが降り、道端には草藤くさふじ、ほたるぶくろ、ぎぼし、がんぴなどが咲き乱れ、草苺くさいちごやぐみに似た赤いものが実っている
浅間山麓より (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
鹿ヶ谷のふもとに来ると、そこは、夏木立と涼しい蝉時雨せみしぐれにつつまれていたが、人の数は、ひとすじの山路に、きりを立てる隙もないほどだった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)