“時雨雲”の読み方と例文
読み方割合
しぐれぐも100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
窓の外にも、冬ちかい時雨雲しぐれぐもが、月の秋の終りを、落葉の梢にいたんでいる宵だった。かの女は、燭の下に、琴を残して、庭へ降りた。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ついこの間までうららかに秋の光の輝いていたそちらの方の空には、もういつしか、わびしい時雨雲しぐれぐもが古綿をちぎったように夕陽ゆうひを浴びてじっとかっている。
狂乱 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
真っ赤な柿紅葉かきもみじに、時雨雲しぐれぐものあいだから、鈍い冬日がしてくる。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)