“懸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
39.2%
かか37.7%
かゝ11.0%
かけ4.7%
2.3%
がか1.3%
かく0.7%
がけ0.5%
かかり0.4%
かゝり0.4%
カケ0.4%
かかって0.2%
かかつ0.2%
かゝっ0.2%
がかり0.2%
がく0.2%
さが0.2%
ねが0.2%
カカ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あゝ孤獨こどく落魄らくばくこれが僕の運命うんめいだ。僕見たいなものが家庭を組織そしきしたら何うだらう。つまにはなげきをには悲しみをあたへるばかりだ。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
部屋へ帰って、書物を読んでいると、妙に下の親子が気にかかってたまらない。あの爺さんは骨張った娘と較べてどこも似た所がない。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
こまかきあめははら/\とおとして草村くさむらがくれなくこほろぎのふしをもみださず、かぜひとしきりさつふりくるはにばかりかゝるかといたまし。
雨の夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
井戸は小屋をかけかはやは雪中其物をになはしむべきそなへをなす。雪中には一てん野菜やさいもなければ家内かない人数にんずにしたがひて、雪中の食料しよくれうたくはふ。
昨夜ゆうべもすがらしづかねぶりて、今朝けされよりいちはなけにさまし、かほあらかみでつけて着物きものもみづからりしを取出とりいだ
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
蝶吉はあたかも手籠てごめにされたもののごとく、三人がかりで身動きもさせない様子で、一にん柄杓ひしゃくを取って天窓あたまから水を浴びせておった。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
九鬼右馬允は九艘の大船に、無数の小舟を相添へ、山のごとく飾りたて、敵船まぢかく寄せつけ、やにはに大鉄砲をいちどに放ちかくる。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
思いがけなく閉籠とじこめ黒白あやめも分かぬ烏夜玉うばたまのやみらみっちゃな小説が出来しぞやと我ながら肝をつぶしてこの書の巻端に序するものは
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
位階に従って、まず高貴な人から、第一を蹴り、以下順々に、二座三座四座と、八本の“かかりノ木”に備えている敵手へ蹴渡してゆくのである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
歩行あるきうち先夜せんや伊勢屋の前へまゐかゝりし時腹痛ふくつうにて難儀仕なんぎつかまつり夜更なれども詮方せんかたなく伊勢屋の戸をたゝき湯をもらはんとぞんじ候處一かうに戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
イヨイヨ時刻到来シテ、松明タイマツノ火ニ西風来ツテ吹キカケ余多アマタ伽藍ガラン一宇イチウモ残ラズ、夜昼三日、黒雲トナツテ焼ケ終ンヌ……。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「蓮の葉に蜘蛛くだりけり香をく」と吟じながら女一度に数弁すうべんつかんで香炉のうちになげ込む。「蠨蛸しょうしょうかかって不揺うごかず篆煙てんえん遶竹梁ちくりょうをめぐる」とじゅしてひげある男も、見ているままで払わんともせぬ。蜘蛛も動かぬ。
一夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そこでわしは指で瞼を開いてゐたり、数時間も真直に壁に倚りかかつてゐたりして、全力を振つて眠と戦つて見たのである。
クラリモンド (新字旧仮名) / テオフィル・ゴーチェ(著)
少女むすめはぬけろじを出るや、そっと左右を見た。月は中天にかゝっていて、南から北へと通った此町を隈なく照らして、しんとしている。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
三人がかりを悠々とあしらいながら、「ここ構わずに、ソレ入った入った。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一 こりばすらに小金こがねのたる木に、水のせがくるぐしになみたち
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ここに圓野まとの比賣やさしみて「同兄弟はらからの中に、姿みにくきによりて、還さゆる事、隣里ちかきさとに聞えむは、いとやさしきこと」といひて、山代の國の相樂さがらかに到りし時に、樹の枝に取りさがりて、死なむとしき。
手前は小野庄左衞門と申す武骨の浪人御別懇にねがいます、さて昨夜は娘まちが計らず御介抱を戴き、ことにお菓子まで頂戴致し、帰って参ってこれ/\と申しますから、有難く存じ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ナガレ、ヨドミテフチイカリテハ沸々フツフツカカリテハタキハテハ、ミナイツコントンノウミデアル。肉体ニクタイ死亡シボウデアル。キミノ仕事シゴトノコルヤ、ワレノ仕事シゴトノコルヤ。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)