“カケ”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:かけ
語句割合
22.2%
懸崖22.2%
22.2%
11.1%
11.1%
11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
木下、名乗ナノカケ名乗リカケ、勝助ガ首ヲ取ツテ、筑前守ヘ見参ニ入ル。比類ナキ働キ哉ト、諸陣申合ヘリ。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これが物見やぐら造りのをさずき(また、さじき)、懸崖カケ造りなのをたなと言うたらしい。こうした処女の生活は、後世には伝説化して、水神の生けにえといった型に入る。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
波太波奈ハタハナの通ふ言につきて因に言 かきつばたといふ花の名は燕のカケる形ちに似たれば翅燕花カケリツバハナといふ言ぞと荷田大人のいはれしよし 師の冠辞考に見えたるをめでたき考とおもひを
カキツバタ一家言 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
彼岸中日、春分シユンブンの空が、朝から晴れて、雲雀ヒバリは天にカケり過ぎて、帰ることの出来ぬほど、青雲が深々とたなびいて居た。郎女は、九百九十九部を写し終へて、千部目にとりついて居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
悲しいのか、せつないのか、何の考へさへもつかなかつた。唯、身悶ミモダえをした。するとふはりと、からだは宙に浮き上つた。留めようと、袖をふれば振るほど、身は次第に、高くカケり昇つて行く。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
隠国コモリクの泊瀬国に、さヨバひにが来れば、たな曇り雪はふり来ぬ。さ曇り雨はふり来ぬ。つ鳥キヾシはとよみ、家つ鳥カケも鳴き、さ夜は明け此夜は明けぬ。入りて朝寝む。此戸開かせ(万葉巻十三)
鶏鳴と神楽と (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
……処女のすや板戸を オソぶらひ、我が立たせれば、ヒコづらひ、我が立たせれば 青山に鵺は鳴き、さ野つ鳥雉はとよむ。にはつどりカケは鳴く。ウレタくも鳴くなる鳥か。此鳥も、うち病めこせね。
鶏鳴と神楽と (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
相聞・問答の歌は、いつも相手の歌の内容を土台として、おし拡げて行つてゐる。跳ね返しのもあり、あまえるのもあるが、カケの歌に与へられた難題をく、と云つた態度のはない。