“寝”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
やす35.0%
33.2%
10.0%
しん6.1%
4.6%
2.8%
いね2.3%
やすみ0.9%
ねか0.5%
0.5%
ねむ0.5%
0.5%
0.3%
いぬ0.3%
ねん0.3%
0.3%
おや0.2%
そべ0.2%
0.2%
0.2%
ねいる0.2%
ねな0.2%
ねぶ0.2%
ねま0.2%
ねんね0.2%
まどろ0.2%
まろ0.2%
0.2%
ミネ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
源兵衛はうなずいて、「ではもうやすむがよい、今宵はその方たち夫婦の寝所を奥へ移させた、当分のあいだそうするからそのつもりでの」
入婿十万両 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
正二しょうじ、きょうは日曜日にちようびだろう。おかあさんをゆっくりかしておいてあげな。おとをたてると、おかあさんが、をおさましになるよ。」
お母さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
人の北を枕としてぬるを嫌うは、死人を常に北に向けて枕せしむると、北方は陰にして死をつかさどるというとよりきたりしなり。
妖怪学 (新字新仮名) / 井上円了(著)
こんな話でその夜はしんきましたが、戦争と聞いては何んとなく気味悪く、また威勢のいことのようにも思われて心はおどる。
いつまでも、お帰んなさいませんし、それだし、あの、一度おったんですから、姉さんは寝衣ねまきでしょうのに、どうなすったしら。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蘇枋咲くと、あふちそよぐと、霜置くとあはれ、一学期二学期よとあはれ、日の照ると、雨ふると、風ふくと、ると起きると、制帽かむる。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「それにつきては一条ひとくだりのもの語りあり、われもこよいはなにゆえかいねられねば、起きて語り聞かせん」とうべないぬ。
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)
アヽ、先生はだおやすみにならんのか、何か書いて居らつしやる様だ、——明日の社説かナ、や、日常いつもやすみの時間に仕事なさるのだから
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
夫婦はそこから一段高い次の部屋に寝ていたが、お島は大きくなってからは大抵たいてい勝手に近い六畳の納戸なんどねかされていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
笑いむころ馬車は石動に着きぬ。車を下らんとて弁者は席をてり。甲と乙とは渠に向かいて慇懃いんぎん一揖いちゆうして
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おまけに横須賀の探偵とかいう人は、茶菓子を無銭ただでせしめてんだ。と苦々しげにつぶやきて、あらねむたや、と夜着引被ひっかつぎ、亭主を見送りもせざりける。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
沖つ波来寄る荒巌アリソを しきたへの枕とまきて、せる君かも(二二二、柿本人麻呂)
いは接頭語だ、などと考へてゐる人もある位だが、之には「安寝ヤスイしなさぬ」といふ語もあれば、「る」といふ形もある。
古代中世言語論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
竹間ちくかん梅棕ばいそう森然しんぜんとして鬼魅きび離立笑髩りりつしょうひんじょうのごとし。二三子相顧あいかえりみ、はく動いていぬるを得ず。遅明ちめい皆去る
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
新調か、知らず筋糸のついたままなる、結城ゆうき棒縞ぼうじまねん半纏ばんてん
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いは接頭語だ、などと考へてゐる人もある位だが、之には「安寝ヤスイしなさぬ」といふ語もあれば、「る」といふ形もある。
古代中世言語論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
左様さうですよ、おつちりおおやみなさる間も無くていらつしやるので、御気の毒様でネ、ト云つて御手助おてすけする訳にもならずネ——其れに又た何か急に御用でもお出来なされたと見えて
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
久藏ねぶったかえ……あれまア締りのねえ戸だ、叩いてるより開けてへいる方がい、よっぱれえになって仰向あおむけにぶっくりけえってそべっていやアがる、おゝ/\顔にあぶ附着くッついて居るのに痛くねえか
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「まがなしみらくはしけらくさらくは伊豆の高嶺たかね鳴沢なるさはなすよ」(三三五八或本歌)などでも東歌的動律だが、この方には繰返しが目立つのに
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
林「部屋へってもられませんよ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
しきりになめたれば心さはやかになりのどうるほひしに、熊は鼻息はないきならしてねいるやう也。
先に藤屋七兵衞の死骸しげえかこしてるのを死骸しげえとは知らいで、寺男の庄吉が先へ誰か逃込のげこんで床下よかしたに此の通りちま/\とねなってりみすと思って、おべの処へ後生大事におさん取付とッついて居りみすと、さ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あとの事を遺言しやすから、わしイ泣き入って居るうちに、能くねぶいてしまいやすと、この野郎が裏から這入はえって立聞たちぎゝいしてえたもんと見えて、這入って来やアがって
ちま/\と其処に身を潜めてねまって居ります所へ、庄吉が其奴そやつの帯へ一心にかじり付いてる所へ、どか/\と御用聞ごようきゝ這入はえって来て、庄吉の帯を取ってずる/\と引出すと、庄吉が手を放せばいに
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「赤い小牛は小屋の中で、羊の子は青い草の中でねんねしましたよ」
(新字新仮名) / 竹久夢二(著)
別段辛い顔もせぬ、娘の心の優しさに、父の心も和らぎけむ、摩擦られながら、うとうととまどろみかかりぬ。
小むすめ (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
あぶらぎった汗臭い臥床ふしどまろびたり
スベテノゲンタダシク、スベテノゲンウソデアル。所詮ショセンイカダウエンヅホツレツデアル、ヨロメキ、ヨロメキ、キミモ、ワタシモ、ソレカラ、マタ、林氏ハヤシシハゲシク一様イチヨウナガサレテルヨウダ。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
是に其妻牟久ムクの木実と赤土ハニとを、其夫に授け給えば、其木の実をクイ破り、赤土を含みて唾き出し出し給えば、其大神呉公を咋破りて唾出すと思して、心にしく思して、ミネましき。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)