“一揖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いちゆう79.2%
いちいふ8.3%
いっしゅう4.2%
いつしふ2.8%
おじぎ2.8%
いついふ1.4%
いつゆう1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女は、私の注文を聞くと、一揖いちゆうしてくるッと背後うしろを向き、来た時と同じように四つ足半の足はばで、ドアーの奥に消えて行った。
白金神経の少女 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
そでいておもてはらへば、はるかくもなかに、韓湘かんしやうあり。唯一人たゞいちにんゆきをかして何處いづこよりともなく、やがて馬前ばぜんきたる。みの紛々ふん/\として桃花たうくわてんじ、微笑びせうして一揖いちいふす。叔公をぢさんのちはと。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
筒井は腰を折って一揖いっしゅうした。男もちょっと頭をこころもち下げるようにして、それぞれの渡舟に乗りこんだ。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
俺は新聞でその事を知つて居た。田村が俺と向ひ合つて腰をすゑて俺に一揖いつしふしたから、俺はからかつてやつた。
畜生道 (新字旧仮名) / 平出修(著)
愕然びつくりし山水をすてて此娘を視るに一揖おじぎしてり、もとの草にしてあしをなげだし、きせるの火をうつしてむすめ三人ひとしく吹烟たばこのむ
眺めしがやがて道人の前へ一揖いついふして失禮ながら其の革提かばんは東京で何程ぐらゐ致しますと問かけしが其の樣子アヽ欲しやこれを
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
彼等の物語をばゑましげに傍聴したりし横浜商人体しようにんていの乗客は、さいはひ無聊ぶりようを慰められしを謝すらんやうに、ねんごろ一揖いつゆうしてここに下車せり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)