“頓”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とみ46.7%
とん27.6%
やが18.2%
トン1.9%
にわか1.4%
には0.9%
にはか0.9%
0.5%
0.5%
とんに0.5%
やがて0.5%
ヒタ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
安達君は心気とみに回復した。外へ出たら、秋の空が高かった。日本橋から麻布の狸穴まみあなまで、電車の中も佳子さんのことを思い続けた。
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
三四郎は日英同盟の所為せゐかとも考へた。けれども日英同盟と大学の陸上運動会とはどう云ふ関係があるか、とんと見当が付かなかつた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
吾々三人馬車に乗りやがて其ビヽエン街に達しますと藻西太郎は丁度夕飯を初める所で妻と共に店の次の間で席につこうとて居ました
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
竣工すれば全СССРの産業能率はいちじるしい増進を見、一年少くとも五百万トンの石炭を節約することが出来るであろう。
モスクワ印象記 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
やがて眼界にわかに開けた所へ出れば、重畳ちょうじょうせる群山波浪のごとく起伏して、下瞰かかんすれば鬼怒きぬの清流真っ白く、新しきふんどしのごとく山裾やますそぐっている。
残燈もろくも消えて徳川氏の幕政空しく三百年の業をのこし、天皇親政の曙光漸くのぼりて、大勢にはかに一変し、事々物々其相を改めざるはなし。
封建の揺籃えうらん恍惚くわうこつたりし日本はにはかに覚めたり。和漢の学問に牢せられたる人心は自由を呼吸せり。鉄の如くに固まれるものは泥の如くに解けたり。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
稽古襦袢けいこじゅばんはかまもも立ちとった一同、みには入りかね、手に手に抜刀をひっさげて、敷居のそとに立ちすくんでいる。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
轔々りんりん蕭々しょうしょう行人こうじん弓箭きゅうせん各腰にあり。爺嬢やじょう妻子走って相送り、塵埃じんあい見えず咸陽橋かんようきょう。衣をき足をり道をさえぎこくす。哭声ただちに上って雲霄うんしょうおかす。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
瀬戸橋畔東屋あづまや酒楼にて飲す。(中略。)楼上風涼如水。微雨たま/\来り、風光とんに変り、水墨の画のごとし。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
もむ折柄をりからに近邊の人々も驚きて何故傳吉殿は召捕めしとられしと種々評議ひやうぎおよびやがてて女房おせんをつれ組頭百姓代共打揃うちそろひ高田の役所へ罷り出御慈悲じひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
亦た、其雉還らず。故、今に諺に「雉のヒタ使い」と云う本是なりと。『旧事紀』は曰く、世人の謂う所の「返し矢畏る可し」とは、是その縁なりと。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)