“褌”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふんどし82.6%
はかま5.4%
ふどし3.0%
ハカマ2.4%
したおび1.8%
こん1.2%
ててら1.2%
まわし1.2%
したひも0.6%
まはし0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どじょうが居たらおさえたそうに見える。丸太ぐるみ、どか落しでげた、たった今。……いや、遁げたの候の。……あかふんどしにも恥じよかし。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
投げ棄てるころもであらわれた神は煩累わずらい大人うしの神、投げ棄てるはかまであらわれた神はチマタの神、投げ棄てる冠であらわれた神はアキグヒの大人の神
渠がこの家にきたりし以来、吉造あか附きたるふどしめず、三太夫どのもむさくるしきひげはやさず、綾子のえりずるようにりて参らせ
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おれの著物キモノは、もうすつかりクサつて居る。おれのハカマは、ほこりになつて飛んで行つた。どうしろ、と言ふのだ。コノおれは、著物もなしに、寝て居るのだ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
彼はあわてず騒がず悠々と芝生を歩んで、甕の傍に立つ。まず眼鏡めがねをとって、ドウダンの枝にのせる。次ぎにしたおびをとって、春モミジの枝にかける。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
浴しをはつて榛軒は犢鼻褌とくびこんを著け、跳躍して病人だまりの間を過ぎ、書斎に入つた。上原も亦主人に倣つて、こんを著け、跳躍して溜の間に入つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
おかみさんの肌抜ぎもとがめなければ、となりのお父さんのててら一つなのも当り前なのだ、真に天真爛漫てんしんらんまん、更けるほど話ははずむ。
子供は裸のままで、男はまわし一つで、女は編笠をかぶって、せっせと働いているさまはたのもしげである。右手に見える竹藪がお竹藪ととなえて大友の屋敷跡であると日名子氏が説明してくれた。
別府温泉 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
途上遥か右方うほうしたひもを懸けたるがごとく、白帯一条の見ゆるは常布じょうふ滝という。このへんことごとく裸山にして、往年白根噴火の名残なごりとして焼石のはいを表わしているのと枯木の幹が白くなって立っている。
安蘇は一生懸命に喰ひ下つてはゐるが、これも後生大事と守勢を固めてゐる。而も安蘇の下手まはしは一枚でなくても、二枚でも三枚でも手が掛けられる程になつてゐるが、それも有利に進めて行かない。
呑み込み八百長 (新字旧仮名) / 栗島山之助(著)