はかま)” の例文
投げ棄てるころもであらわれた神は煩累わずらい大人うしの神、投げ棄てるはかまであらわれた神はチマタの神、投げ棄てる冠であらわれた神はアキグヒの大人の神
翁が検めみると獣のだにが五六ぴきはかまの上から取り付いていた。猪の相撲場の土には親猪が蝨を落して行ったのだった。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
おれの著物は、もうすっかりくさって居る。おれのはかまは、ほこりになって飛んで行った。どうしろ、と言うのだ。此おれは、著物もなしに、寝て居るのだ。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
『日本紀』五に彦国葺ひこくにぶく武埴安彦たけはにやすびこを射殺した時、賊軍怖れ走ってくそはかまより漏らしよろいを脱いで逃げたから、甲を脱いだ処を伽和羅かわらといい、屎一件の処を屎褌くそばかまという。
造れるはかまを解きて投出なげだ
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
畳菰はかまれ裂け
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ふぢかづらを取りて、一夜のほどに、きぬはかま、またしたぐつくつを織り縫ひ、また弓矢を作りて、その衣褌等を服しめ、その弓矢を取らしめて、その孃子の家に遣りしかば
つくれるはかまきて
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
疊菰はかまれ裂け
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
一夜のほどにころもはかまくつしたくつまで織り縫い、また弓矢を作つて、衣裝を著せその弓矢を持たせて、その孃子の家に遣りましたら、その衣裝も弓矢も悉く藤の花になりました。
次に投げ棄つる御けしに成りませる神の名は、煩累わづらひ大人うしの神。次に投げ棄つる御はかまに成りませる神の名は、道俣ちまたの神。次に投げ棄つる御冠みかがふりに成りませる神の名は、飽咋あきぐひ大人うしの神
かれその軍、悉に破れて逃げあらけぬ。ここにその逃ぐる軍を追ひめて、久須婆くすばわたり一一に到りし時に、みな迫めらえたしなみて、くそ出でて、はかまに懸かりき。かれ其地そこに名づけて屎褌くそはかまといふ。
依つて逃げる軍を追い攻めて、クスバの渡しに行きました時に、皆攻め苦しめられたのでくそが出てはかまにかかりました。そこで其處の名をクソバカマというのですが、今はクスバと言つております。