“窘”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たしな46.5%
いじ15.7%
すく10.7%
くるし10.1%
いぢ4.4%
たし3.8%
くる3.1%
いじめ0.6%
いび0.6%
きめ0.6%
くるしみ0.6%
くるしむ0.6%
さいな0.6%
しいた0.6%
せま0.6%
なだ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(……至らぬぞ、至らぬぞ。あのくらいの働きで有頂天になり、その図にのッて、一本たしなめられるなどは……われながら未熟至極)
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
花鳥も娘義太夫なんかをいじめたりしなければ、まだ容易に露顕しなかったかも知れません。巾着切りの竹蔵もつづいてげられました。
半七捕物帳:49 大阪屋花鳥 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
引捻ひんねじれた四角な口を、額までかつと開けて、猪首いくび附元つけもとまですくめる、と見ると、仰状のけざま大欠伸おおあくび。余り度外どはずれなのに、自分から吃驚びっくりして
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
所が、昨年の秋からまた精神に何か動揺が起ったらしく、この頃では何かと異常な言動を発して、私をくるしめる事も少くはございません。
二つの手紙 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
する私じやない。いぢめて腹が癒る事なら、なんぼなりとも、窘めなさんせ。どふせ濡衣着た身体。乾さうと思へば、気も揉める。湯なと水なと掛けたがよい
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
母はとうとう二人をたしなめた。自分もそれを好いしおにすぐ舌戦を切り上げた。お重も団扇を縁側へ投げ出しておとなしく食卓に着いた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
阿Qは近来生活の費用にくるしみ内々かなりの不平があった。おまけに昼間飲んだばらの二杯の酒が、廻れば廻るほど愉快になった。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
... いじめるにも訴えるにも及ばぬと云う合点が行って、私の有無を構わぬ事に成りますから」余「若し其の人の所へ行って、貴方の言葉が嘘だと分ったなら」
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
植源の隠居にまかしてある、自分の身のうえに深い不安をいだきながら、毎日々々母親にいびりづめにされていたお島は、ある朝釜の下の火を番しながら
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
引立歸れ御取上は無ぞと叱り付るを三五郎は否々彼の人殺しは私しに相違なく夫を人違ひ成れては御役儀が立ますまいときめ付れば理左衞門は爰な強情者め其惣内夫婦を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あひだ婦人ふじん心痛しんつう恐怖きようふはそも、をしぼるあせつて、くれなゐしづく垂々たら/\ちたとふ。くるしみまたきはまつて、ほとん狂亂きやうらんして悲鳴ひめいげた。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
怨望えんぼう満野まんや、建白の門はいちの如く、新聞紙の面は裏店うらだなの井戸端の如く、そのわずらわしきやくが如く、その面倒なるや刺すが如く、あたかも無数の小姑こじゅうとめが一人の家嫂よめくるしむるに異ならず。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
まづその樹皮じゆひさいなんで、そろそろ、おまへたちの祕密を汚してみよう、いたましいいろいろの心よ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
島原の領主が暴政をほしいままにして人民をしいたげ、年貢の外にあらゆる名目をつけて重税を課し、之に応じない者は厳罰に処し、或ひは妻女を捕へて水責にする習はしであつたが
たくみなりと雖もせまる。本句におよばず。(老学庵筆記、巻四)
と、平七は家内をなだめておいて、ニヤリと笑ひつゝ父の顏を見た。
父の婚礼 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)