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窘
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すく
ふりがな文庫
“
窘
(
すく
)” の例文
と
引捻
(
ひんねじ
)
れた四角な口を、額まで
闊
(
かつ
)
と開けて、
猪首
(
いくび
)
を
附元
(
つけもと
)
まで
窘
(
すく
)
める、と見ると、
仰状
(
のけざま
)
に
大欠伸
(
おおあくび
)
。余り
度外
(
どはず
)
れなのに、自分から
吃驚
(
びっくり
)
して
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
絞
(
しぼ
)
るやうな
冷汗
(
ひやあせ
)
になる
気味
(
きみ
)
の
悪
(
わる
)
さ、
足
(
あし
)
が
窘
(
すく
)
んだといふて
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
られる
数
(
すう
)
ではないから、びく/\しながら
路
(
みち
)
を
急
(
いそ
)
ぐと
又
(
また
)
しても
居
(
ゐ
)
たよ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「何だねえ、お前、
大袈裟
(
おおげさ
)
な。」と
立身
(
たちみ
)
に頭から叱られて、
山姥
(
やまうば
)
に逢ったように、くしゃくしゃと
窘
(
すく
)
んで、松小僧は土間へ
蹲
(
しゃが
)
む。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と笑うて、技師はこれを
機会
(
きっかけ
)
に、
殷鑑
(
いんかん
)
遠からず、と少しく
窘
(
すく
)
んで、浮足の靴ポカポカ、ばらばらと乱れた露店の暗い方を。……
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
年紀
(
とし
)
のほどを心づもりに知っため組は、そのちらちらを一目見ると、や、火の粉が飛んだように、へッと
頸
(
うなじ
)
を
窘
(
すく
)
めた処へ
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
前
(
まへ
)
を
通
(
とほ
)
り
拔
(
ぬ
)
けるばかりで、
身體
(
からだ
)
が
窘
(
すく
)
みます。
歩行
(
ある
)
けなく
成
(
な
)
つた
所
(
ところ
)
を、
掴
(
つかま
)
つたら
何
(
ど
)
うしませう……
私
(
わたし
)
死
(
し
)
んで
了
(
しま
)
ひますよ……
婦
(
をんな
)
は
弱
(
よわ
)
いものですねえ。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「色男!」といって
呵々
(
からから
)
と笑ったのは、男の声。呆れて棒立になった多磨太は、余りのことにその手を持ったまま動かず、ほとんど無意識に
窘
(
すく
)
んだ。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
直
(
す
)
ぐに
答
(
こた
)
へて、
坂上
(
さかがみ
)
は
其
(
そ
)
のまゝ
立留
(
たちど
)
まつて、
振向
(
ふりむ
)
いた……ひやりと
肩
(
かた
)
から
窘
(
すく
)
みながら、
矢庭
(
やには
)
に
吠
(
ほ
)
える
犬
(
いぬ
)
に、(
畜生
(
ちくしやう
)
、)とて
擬勢
(
ぎせい
)
を
示
(
しめ
)
す
意氣組
(
いきぐみ
)
である。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
勢
(
いきおい
)
辟易
(
へきえき
)
せざるを得ずで、客人ぎょっとした
体
(
てい
)
で、足が
窘
(
すく
)
んで、そのまま欄干に
凭懸
(
よりかか
)
ると、一小間抜けたのが、おもしに打たれて、ぐらぐらと震動に及ぶ。
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
軍鶏も
窘
(
すく
)
むようであった。婆は恐しい目をしながら、胸に波を打たせて肩で
呼吸
(
いき
)
だ、歯を
喰緊
(
くいし
)
めて口が利けず。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
立
(
た
)
ち
窘
(
すく
)
んだ
體
(
てい
)
だつた、
長頭
(
ながあたま
)
の
先達盲人
(
せんだつめくら
)
は、
此
(
こ
)
の
時
(
とき
)
、のろりと
身動
(
みうご
)
きして、
横
(
よこ
)
に
崖
(
がけ
)
の
方
(
はう
)
へ
顏
(
かほ
)
を
向
(
む
)
けた。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
……と背の低いのが、
滅入込
(
めりこ
)
みそうに、
大
(
おおき
)
な
仮髪
(
かつら
)
の
頸
(
うなじ
)
を
窘
(
すく
)
め、ひッつりそうな
拳
(
こぶし
)
を二つ、耳の処へ
威
(
おど
)
すがごとく、
張肱
(
はりひじ
)
に、しっかと握って、腰をくなくなと、抜足差足。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と胸を突くほど、足が
窘
(
すく
)
む、手が縮まる、五体を
手毬
(
てまり
)
にかがられる……六万四千の毛穴から血が
颯
(
さっ
)
と霧になって、
件
(
くだん
)
のその紅い唇を染めるらしい。草に
頸
(
うなじ
)
を擦着け擦着け
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
壁際に
附着
(
くッつ
)
けば、上から
蜘蛛
(
くも
)
がすっと下りそうで、
天窓
(
あたま
)
を
窘
(
すく
)
めて、ぐるりと居直る……
真中
(
まんなか
)
に据えた
座蒲団
(
ざぶとん
)
の
友染模様
(
ゆうぜんもよう
)
が、
桔梗
(
ききょう
)
があって
薄
(
すすき
)
がすらすら、地が
萌黄
(
もえぎ
)
の薄い処
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
愛吉は何にもいわず、腕を
拱
(
こまぬ
)
いて目を
外
(
そら
)
して、苦言一針するごとに、内々恐縮の
頸
(
うなじ
)
を
窘
(
すく
)
める。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
貝が殻へかくれるように、
家
(
うち
)
へ入って
窘
(
すく
)
んでいても、向うが強ければ
捉
(
つか
)
まえられるよ。お浜は
嬰児
(
あかんぼ
)
だし、私はこうやって力がないし、それを思うとほんとに心細くってならないんだよ。
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
な、
貴辺
(
あなた
)
、こりゃかような
態
(
ざま
)
をするのが、既にものに魅せられたのではあるまいか。はて、宙へ浮いて
上
(
あが
)
るか、谷へ
逆様
(
さかさま
)
ではなかろうか、なぞと
怯気
(
おじけ
)
がつくと、足が
窘
(
すく
)
んで、膝がっくり。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
亭主
(
ていしゆ
)
は
法然天窓
(
はふねんあたま
)
、
木綿
(
もめん
)
の
筒袖
(
つゝそで
)
の
中
(
なか
)
へ
両手
(
りやうて
)
の
先
(
さき
)
を
窘
(
すく
)
まして、
火鉢
(
ひばち
)
の
前
(
まへ
)
でも
手
(
て
)
を
出
(
だ
)
さぬ、ぬうとした
親仁
(
おやぢ
)
、
女房
(
にようばう
)
の
方
(
はう
)
は
愛嬌
(
あいけう
)
のある、
一寸
(
ちよいと
)
世辞
(
せじ
)
の
可
(
い
)
い
婆
(
ばあ
)
さん、
件
(
くだん
)
の
人参
(
にんじん
)
と
干瓢
(
かんぺう
)
の
話
(
はなし
)
を
旅僧
(
たびそう
)
が
打出
(
うちだ
)
すと
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「いや、恐れはせん、が、面目ないのだよ。」と
窘
(
すく
)
まるばかり襟に
俯向
(
うつむ
)
く。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と首を
窘
(
すく
)
めて、こそこそと
立退
(
たちの
)
いたのは、日当りの
可
(
い
)
い出窓の前で。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
南無三宝
(
なむさんぽう
)
、あやまり
果
(
は
)
てた。」と
烏帽子
(
えばうし
)
を
掻
(
か
)
いて
猪頸
(
ゐくび
)
に
窘
(
すく
)
む。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
割膝で
畏
(
かしこ
)
まって、耳を掻いて
頸
(
うなじ
)
を
窘
(
すく
)
め、貧乏ゆすり一つして
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
主税は思わず身を
窘
(
すく
)
めた。帽子を払って、は、と手を下げて
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私は石になるだらうと思つて、
一思
(
ひとおもい
)
に
窘
(
すく
)
んだのである。
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
声を聞くとお雪は身を
窘
(
すく
)
めて小さくなった。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とのめずるように
頸
(
うなじ
)
を
窘
(
すく
)
め、腰を引いて
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
山路
(
やまみち
)
の
時
(
とき
)
を
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
すと
我
(
われ
)
ながら
足
(
あし
)
が
窘
(
すく
)
む。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
とすこし身を
窘
(
すく
)
めて、一層低く
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小芳が思わず肩を
窘
(
すく
)
める。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
葛木は五体が
窘
(
すく
)
んだ。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
頸
(
うなじ
)
を
窘
(
すく
)
めたが
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
窘
漢検1級
部首:⽳
12画
“窘”を含む語句
窘逐狂
窘蹙
立窘
窘窮
窘迫
居窘
窘逐
掻窘
窘束
窘歩
窘渋
窘付
窘乏
狭窘
窘追
抱窘
困窘