“了”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
しま46.8%
おわ18.7%
9.8%
おお6.3%
をは4.9%
3.2%
ちま1.5%
おほ1.1%
さと0.8%
しも0.8%
(他:41)6.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『お前が出抜だしぬけに入って来たので、私はだれかと思った。おゝ喫驚びっくりした。』とぐ床をしかして休んでしまいました。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
とにかく、幕府はすぐ瓦解してしまい、明治政府は成立間際まぎわの事なので、この戦争についても、戦記の正確なものが乏しいのは、遺憾である。
鳥羽伏見の戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
はじめは目の前に点が現われ、それが見る見る大きくひろがってゆくと見る間に今度はどんどん小さくなりはじめ、やがてぱっと消えてしまった。
新学期行進曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
おわっても、それを読みはじめたときから私の胸を一ぱいにさせていた憤懣ふんまんに近いものはなかなか消え去るようには見えなかった。
菜穂子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
これでこの物語りはおわっても宜いのですが、最後に最も大きい偶然の出現をお話するために、少しばかり蛇足を添えさして頂きいと思います。
「……さすらい旅路の、果はいずこ……幸の国は遠しと、ささやく……」と歌いおわった時、深井少年のには、不覚の涙さえ光って居りました。
焔の中に歌う (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
今般四年がかりにて俳諧辞書編輯をえ大倉書店より出版につき大兄の序文もしくは校閲願度旨にて参上仕候につき御面倒ながら御面会相願度と存候。
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
しかるに学校にりて多年蒐集しゅうしゅうしたる智識をば一旦業をえ校門をずると同時に、そのすべてを失却するもの甚だ多い。
教育の最大目的 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
幸いに面の色は真黒だから、表情が更にわからないけれど、どうも黒さんの調子が甚だ変なのであります。それでもやっと数番の槍投げをえて、
首尾よく縁の下へ潜りおおせたか、それともその辺に忍んで立聞きをしているのだかわかりませんが、とにかく、それっきり姿を消してしまいました。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
特にあの身を投げようとまでした、美しい娘、わざと命の親の鳴海を、竹町の乳母の家に案内して、自分の家も名前も隠しおおせた不思議な賢こい娘。
悪人の娘 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「なぜ、あんなツマらないことをしたのだ、盗むくらいなら盗みおおせたらいいだろう、わざわざ人の前へ持って来て吐き出して見せるなんぞは、憎い仕業だ」
微笑びせうおもてもふるへで、一通いつゝう二通につう八九通はつくつうのこりなく寸斷すんだんをはりて
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
唯その一旦にしてやすく、又今のむなしき死ををはらんをば、いと効為かひなしと思返して、よし遠くとも心に期するところは
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
上りをはつて一休みしながら、下までの深さを考へると、箱根の大路から堂ヶ島へ下りる位、或はそれより一二丁少しくらゐのものであつた。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
私はそれが知り度いから、わざ/\八五郎親分を呼びにやり、八五郎親分では手にへさうもないので、錢形の親分を呼んでもらひましたよ。
「いえ、御主人にも、番頭さんにも申しました。でも、お皆はこの家のことを一人で取仕切つて、誰の手にもへません」
「それつきりで、尾久の喜八も、——こいつはこちとらの手にへないから、錢形の親分にお願ひするやうにつて」
ばあさん、また豆府とうふか。そいつをはせるとちまふぞ。」で、かねてこのみの長船をさふねさやはらつて
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
加之しかも一旦貰った女房は去るなと言うでないか? 女房を持つのが堕落なら、何故一念発起して赤の他人になッちまえといわぬ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
『森川さんの憎いツたらありやしない。那麽あんなに乱暴しなくたつていいのに、到頭「声きく時」を裂いツちまつた。……』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
松本が周章あわてて起たんとする時賛成々々の声四隅に湧出わきだして議長の意見を嘉納しおほせり、
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
山間水涯さんかんすゐがいに姓名を埋めて、平凡人となりおほするつもりに料簡をつけたのであらう。
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ひよつとしたら、仕事したなんて人は、自分の虫をいつくしみおほせた所から出発したのかもしれない。
私の事 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
その僕これをあやしみひそかにその被いを開くと、皿上に白蛇あり、一口むるとたちまち雀の語を解し得たので、王の一切智の出所をさとったという。
支那で麒麟きりんは五彩を具うなどいうもこんな事から起ったらしく、かかる異色の畜類を見てその人為に出るをさとらぬ人々は、必ず紺青色の馬も自然に存在すと信じたであろう。
これを見て予は書物はむやみに信ぜられぬもの、活動の観察はむつかしい事とさとった次第である。
養父ようふも義弟も菊五郎や栄三郎いっそ寺島父子になってしもうた堀川の芝居の此猿廻わしのきりにも、菊之助のみは立派りっぱな伝兵衛であった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
勝手を働く女房が、用事しもうてたすきを外し、前垂まえだれにて手を拭き拭き、得衛の前へとんと坐り、
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『でも、養家を出ぬ先ならかく遺書かきおきまでして、出てしもうたもの』
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その何のためにせしやを知らず、血気に任せてふるまいたりし事どもは、今に到りてみずからその意をりょうするにくるしむなり。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
米国べいこくの太平洋艦隊は、今や大西洋艦隊の廻航を待ちてこれに合せんとし、の主力艦は既に布哇ハワイパール湾に集結をりょうしたりとの報あり!」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
同じようなのが二枚出来たところで、味噌の方を腹合せにしてちょっと紙にくるんで、それでもう事はりょうした。
野道 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
兩國の川開きの話をお吉に聞かされたが、甚麽どんなことをするものやら遂に解らずじまひ。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
結局高輪の方で検視して葬ったんだそうだけれども、身許などまるで分らずじまいさ。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
本当ほんとに一井戸川いどかわへでも飛込んじまおうかと思いましたよ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
オット爾はいけません、此の鍵は私が拾ったのだから、真の持主が現われるまで私が預ります
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
思ッた様に行きませんワ、何うしても谷間田は経験が詰んで居るだけ違います今其意見の大略あらましを聞てほと/\感心しました(荻)そりゃなア何うしても永年此道で苦労して居るから一寸ちょっと感心させる様な事を言うテけれども夫に感心してはいけ
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
所が後から段々と確な証拠がたって来るから遂にうしても支那人だと思い詰め今では其住居其姓名まで知て居ます、其上殺した原因から其時の様子まで略ぼ分って居ます、夫も宿所の二階から一足も外へ蹈出さずに探り究めたのです(荻)夫では先ず名前から云うが好い(大)イエ名前をさきいって仕舞ては貴方が終りまできかぬからいけません先ずお聞なさい、今度は傷の事から申します
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「お前これを見たな!」と叫けんで「し私にも覚悟がある、覚悟がある」と怒鳴りながらそのまま抽斗をめて錠を卸し、非常な剣幕で外面そとに飛び出してまった。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「あア」と母は言って妙な眼つきでお光の顔を見たが、お光はそのまま自分の方は見向もしないで二階へ上ってまった。自分は唯だ坐わったきり、母の何とか言いだすのを待っていた。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
『僕は先に逃げてまひますよ。』
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「まあ、自分の勝手なお饒舌しゃべりばかりしていて、おかん全然すっかりちゃった。一寸ちょっと直して参りましょう。」
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
小児三 凧は切れちゃつた。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
わかく未だ學ばずして、先づ假是非をれうし、後におよんで眞是非を得んと欲するも、亦入りやすからず。
何かの因果で、宿債しゆくさいいまれうせずとやらでもある、か毛武まうぶ総常そうじやうの水の上に度〻遊んだ篷底はうていの夢の余りによしなしごとを書きつけはしたが、もとより人を酔はさうこゝろも無い、書かずともと思つてゐるほどだから、読まずともとも思つてゐる。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
晃 むむ、ごとに見れば星でもわかる……ちょうど丑満うしみつ……そうだろう。(と昂然こうぜんとして鐘を凝視し)山沢、僕はこの鐘をくまいと思う。どうだ。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
五三ごさ様もわかつた人なれば一日をふてゝ怠惰なまけぬに免じて、見透かしても旦那の前は庇護かばふて呉るゝであらう、おゝ朝飯がまだらしい、三や何でもよいほどに御膳を其方へこしらへよ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
源太は酷く清吉を叱つて叱つて十兵衞が所へ謝罪あやまりに行けとまで云ふか知らぬが、其は表向の義理なりや是非は無いが、此所はおまへの儲け役、彼奴を何か、なあそれ、よしか、其所は源太を抱寝するほどのお吉様にわからぬことは無い寸法か
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
後、コノ下総原ニ一ボウオクト田ヲ獲、年経ルママ思エドモ、山河ヲ隔テ、又消息ヲ絶ツノ今、カエッテ子ノサチニ如何アルベシナド思イ、イツシカ歳月ノ流レニマカセオワンヌ。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夫人ヲ添エオワッテ
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おれは、此世に居なかつたと同前の人間になつて、ウツし身の人間どもには、忘れヲフされて居るのだ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
おれは、此世に居なかつたと同前の人間になつて、ウツし身の人間どもには、忘れヲフされて居るのだ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
其時の仰せには、罪人よ。吾子ワコよ。吾子のヲフせなんだアラび心で、吾子よりももつと、わるい猛び心を持つた者の、大和に来向うのを、待ち押え、へ防いで居ろ、と仰せられた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ナショナルの二位でおしまいになって しまったが、考えて見ると漢籍ばかり読んでこの文明開化の世の中に漢学者になった処が仕方なし、別にこれと云う目的があった訳でもなかったけれど
落第 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この様な色々な差異が次第に成長して何時か完全な一つのものとなるの日が来るといふ確信を私が抱いてゐる者であるといふことをあらかじめ含んで置いて頂きたい。
婦人解放の悲劇 (新字旧仮名) / エマ・ゴールドマン(著)
彼女は自らその理由を知らなかったし、また彼女にとがむべきことでもないが、彼女の魂はまったく夫の魂となりおうせて、マリユスの考えの中で影におおわれてるものは皆、彼女の考えの中でも暗くなるのであった。
うまく行かなけりゃ途中で銭をつかって始末におえねい道楽者になってしまうし、旨く行って少しでも出世するとモー国の事を忘れてしまって以上たっても帰らない。それにな、東京で女に引かかるとモー駄目だめだよ。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
既に文書したゝおはりし篠田は、今や聖書ひもときて、就寝前の祈祷きたうを捧げんとしつゝありしなり、
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
此の夏のおわりから二月あまり旅に出ていた絵師の露月が、つい二三日前江戸へ帰ったので、今日しも久々の友垣を招き、旅日記を聴こうためのあるじもうけをしたのでした。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
七兵衛——この船頭ばかりは、仕事のしまいにも早船をここへつないで戻りはせぬ。
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
銀さんと私とは姉の家から同じ小學校へ通ひましたが一年ばかり經つうちに銀さんの方は學校を退いてしまひました。
おたあちやんは、三又土筆つくしのことをお母さんに話してしまほふかと思ひましたが、それでは却つてお母さんに心配をかけるだらうと、一人で胸をいためて居りました。
虹の橋 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
顔面 ついことならじ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
我が希望の湧くところ、我が最後をかくるところ、この故郷こそ我に対して、我が今日の牢獄を厭はしむる者なれ、もしわれに故郷なかりせば、もしわれにこの想望なかりせば、我は此獄室をもて金殿玉楼と思ひしつゝ
我牢獄 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)