“了”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
しま46.0%
おわ18.6%
9.8%
おお6.5%
をは5.2%
3.1%
ちま1.6%
おほ1.2%
さと0.9%
しも0.9%
(他:41)6.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“了”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語12.8%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行4.7%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆2.1%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
私は顔一杯に弱々しい微笑をたたへて、なじられでもしたやうな、兄の強い口調をはぐらかしてしまはうと思つてゐた。
イボタの虫 (新字旧仮名) / 中戸川吉二(著)
どんなにわかりのわるものでも最後しまいにはおとなしくみみかたむけることになってしまいます。
「迷亭はあの時分から法螺吹ほらふきだったな」と主人は羊羹ようかんを食いおわって再び二人の話の中に割り込んで来る。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
女はこの句を生れてから今日きょうまで毎日日課として暗誦あんしょうしたように一種の口調をもってじゅおわった。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
清二の家の門口に駈けつけると、一家そろって支度をえていることもあったが、まだ何の身支度もしていないこともあった。
壊滅の序曲 (新字新仮名) / 原民喜(著)
安行の屍体は自宅へ、お杉と𤢖の亡骸なきがらは役場へ、れに引渡ひきわたしの手続てつづきえた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「処士の身分で華美きらびやかな振舞、世の縄墨を乱す者とあって、軽く追放重くて流罪、遁れおおすことはよもなるまい」
正雪の遺書 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それを引受けた犬殺しは、商売だから論外に置くとしても、彼等はそれを引受けて、見事やりおおせるつもりで出て来たのか知らん。
河水かはみづるゝこと八分目はちぶんめ用意よういをはればたゞちにはしりて
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
余は二作を読みをはりける後、しくも実想相分るゝ二大家の作に同致アイデンチヽイの跡瞭然見る可き者あるを認めぬ。
「いえ、御主人にも、番頭さんにも申しました。でも、お皆はこの家のことを一人で取仕切つて、誰の手にもへません」
「それつきりで、尾久の喜八も、——こいつはこちとらの手にへないから、錢形の親分にお願ひするやうにつて」
「またはなりますね……澤山たんとうなさい、中屋なかや小僧こぞうちまふから……」
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『森川さんの憎いツたらありやしない。那麽あんなに乱暴しなくたつていいのに、到頭「声きく時」を裂いツちまつた。……』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
松本が周章あわてて起たんとする時賛成々々の声四隅に湧出わきだして議長の意見を嘉納しおほせり、
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
山間水涯さんかんすゐがいに姓名を埋めて、平凡人となりおほするつもりに料簡をつけたのであらう。
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
これを見て予は書物はむやみに信ぜられぬもの、活動の観察はむつかしい事とさとった次第である。
その僕これをあやしみひそかにその被いを開くと、皿上に白蛇あり、一口むるとたちまち雀の語を解し得たので、王の一切智の出所をさとったという。
勝手を働く女房が、用事しもうてたすきを外し、前垂まえだれにて手を拭き拭き、得衛の前へとんと坐り、
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
養父ようふも義弟も菊五郎や栄三郎いっそ寺島父子になってしもうた堀川の芝居の此猿廻わしのきりにも、菊之助のみは立派りっぱな伝兵衛であった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
同じようなのが二枚出来たところで、味噌の方を腹合せにしてちょっと紙にくるんで、それでもう事はりょうした。
野道 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その何のためにせしやを知らず、血気に任せてふるまいたりし事どもは、今に到りてみずからその意をりょうするにくるしむなり。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
兩國の川開きの話をお吉に聞かされたが、甚麽どんなことをするものやら遂に解らずじまひ。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
結局高輪の方で検視して葬ったんだそうだけれども、身許などまるで分らずじまいさ。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
オット爾はいけません、此の鍵は私が拾ったのだから、真の持主が現われるまで私が預ります
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
思ッた様に行きませんワ、何うしても谷間田は経験が詰んで居るだけ違います今其意見の大略あらましを聞てほと/\感心しました(荻)そりゃなア何うしても永年此道で苦労して居るから一寸ちょっと感心させる様な事を言うテけれども夫に感心してはいけ
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「お前これを見たな!」と叫けんで「し私にも覚悟がある、覚悟がある」と怒鳴りながらそのまま抽斗をめて錠を卸し、非常な剣幕で外面そとに飛び出してまった。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「あア」と母は言って妙な眼つきでお光の顔を見たが、お光はそのまま自分の方は見向もしないで二階へ上ってまった。自分は唯だ坐わったきり、母の何とか言いだすのを待っていた。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「まあ、自分の勝手なお饒舌しゃべりばかりしていて、おかん全然すっかりちゃった。一寸ちょっと直して参りましょう。」
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
小児三 凧は切れちゃつた。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
わかく未だ學ばずして、先づ假是非をれうし、後におよんで眞是非を得んと欲するも、亦入りやすからず。
何かの因果で、宿債しゆくさいいまれうせずとやらでもある、か毛武まうぶ総常そうじやうの水の上に度〻遊んだ篷底はうていの夢の余りによしなしごとを書きつけはしたが、もとより人を酔はさうこゝろも無い、書かずともと思つてゐるほどだから、読まずともとも思つてゐる。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
晃 むむ、ごとに見れば星でもわかる……ちょうど丑満うしみつ……そうだろう。(と昂然こうぜんとして鐘を凝視し)山沢、僕はこの鐘をくまいと思う。どうだ。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
五三ごさ様もわかつた人なれば一日をふてゝ怠惰なまけぬに免じて、見透かしても旦那の前は庇護かばふて呉るゝであらう、おゝ朝飯がまだらしい、三や何でもよいほどに御膳を其方へこしらへよ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
後、コノ下総原ニ一ボウオクト田ヲ獲、年経ルママ思エドモ、山河ヲ隔テ、又消息ヲ絶ツノ今、カエッテ子ノサチニ如何アルベシナド思イ、イツシカ歳月ノ流レニマカセオワンヌ。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夫人ヲ添エオワッテ
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おれは、此世に居なかつたと同前の人間になつて、ウツし身の人間どもには、忘れヲフされて居るのだ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
おれは、此世に居なかつたと同前の人間になつて、ウツし身の人間どもには、忘れヲフされて居るのだ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
ナショナルの二位でおしまいになって しまったが、考えて見ると漢籍ばかり読んでこの文明開化の世の中に漢学者になった処が仕方なし、別にこれと云う目的があった訳でもなかったけれど
落第 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この様な色々な差異が次第に成長して何時か完全な一つのものとなるの日が来るといふ確信を私が抱いてゐる者であるといふことをあらかじめ含んで置いて頂きたい。
婦人解放の悲劇 (新字旧仮名) / エマ・ゴールドマン(著)
彼女は自らその理由を知らなかったし、また彼女にとがむべきことでもないが、彼女の魂はまったく夫の魂となりおうせて、マリユスの考えの中で影におおわれてるものは皆、彼女の考えの中でも暗くなるのであった。
うまく行かなけりゃ途中で銭をつかって始末におえねい道楽者になってしまうし、旨く行って少しでも出世するとモー国の事を忘れてしまって以上たっても帰らない。それにな、東京で女に引かかるとモー駄目だめだよ。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
既に文書したゝおはりし篠田は、今や聖書ひもときて、就寝前の祈祷きたうを捧げんとしつゝありしなり、
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
此の夏のおわりから二月あまり旅に出ていた絵師の露月が、つい二三日前江戸へ帰ったので、今日しも久々の友垣を招き、旅日記を聴こうためのあるじもうけをしたのでした。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
七兵衛——この船頭ばかりは、仕事のしまいにも早船をここへつないで戻りはせぬ。
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
銀さんと私とは姉の家から同じ小學校へ通ひましたが一年ばかり經つうちに銀さんの方は學校を退いてしまひました。
おたあちやんは、三又土筆つくしのことをお母さんに話してしまほふかと思ひましたが、それでは却つてお母さんに心配をかけるだらうと、一人で胸をいためて居りました。
虹の橋 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
顔面 ついことならじ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
我が希望の湧くところ、我が最後をかくるところ、この故郷こそ我に対して、我が今日の牢獄を厭はしむる者なれ、もしわれに故郷なかりせば、もしわれにこの想望なかりせば、我は此獄室をもて金殿玉楼と思ひしつゝ
我牢獄 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)