“生物”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いきもの71.2%
せいぶつ13.6%
なまもの12.1%
ナマモノ0.8%
しょうぶつ0.8%
イキモノ0.8%
シヤウモノ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
るとぞつとする。こけのある鉛色なまりいろ生物いきもののやうに、まへにそれがうごいてゐる。あゝつてしまひたい。此手このてさはつたところいまはしい。
私は顔があかくなった。私の眼の前には、チェリーの真白なムチムチ肥えたあらわな二の腕が、それ自身一つの生物せいぶつのように蠢動しゅんどうしていた。
ゴールデン・バット事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「わたくしも明日は府中へ参ります所存。この頃中不漁しけで、生物なまものにもありつかず、やるせのうござれば、親分衆に取り持って貰って……」
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
此新嘗には、生物ナマモノのみを奉るのではなく、料理した物をも奉る。其前には長い/\物忌みが行はれる。単に、神秘な穀物を煮て差し上げる、といふのみの行事ではない。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
諸神殺戮の身代りとして殺した生物イキモノを、当体の神の御覧に供へるといふ処に犠牲の本意があるのではなからうか、と此頃では考へてゐる。
髯籠の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
生物シヤウモノの実朝は、其あらさを棄てる為に、可なり苦労して居た人かも知れません。成駒屋氏の扮した此若公家クゲは、同じ頃で言へば、後京極摂政などを思はせる姿でした。
芝居に出た名残星月夜 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)