“眼”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
38.7%
まなこ36.5%
10.7%
まな7.6%
がん4.6%
めめ0.4%
まみ0.3%
マナコ0.2%
べい0.1%
めえ0.1%
0.1%
ねむ0.1%
まながひ0.1%
まなく0.1%
まなぐ0.1%
まなざし0.1%
めんめ0.1%
ウチャト0.1%
マナグ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
るとぞつとする。こけのある鉛色なまりいろ生物いきもののやうに、まへにそれがうごいてゐる。あゝつてしまひたい。此手このてさはつたところいまはしい。
そのうす暗いなかに更にうす暗い二つの影が、まぼろしのように浮き出しているのを見つけた時に、紋作は急に寝ぼけまなこをこすった。
半七捕物帳:38 人形使い (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
若い女は、話しながら、さげすむようなまた探索するような、なざしで二三度じいさん達を見た。と、清三が老人達の方へ振り向いた。
老夫婦 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
この辺の海からあがるトラ河豚ふぐみたいな顔をしている。おうへいはこういうひとの通例だが、より以上、いやな感じを与えるまなざしで
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
加賀百万石の御用染め屋で、お蘭が加州家奥勤めのお腰元だったら、しごきもここが染め元とがんをつけるなあたりまえじゃねえかよ。
お前に分つてゐたらねえ——栗色髮ブリュネットで、侍從武官でさ、そのおめめといつたら! 黒目がちの、まるで瑪瑙のやうなおめめなんだよ!
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
八六かはらで独自ひとり浅茅あさぢが原に住みつることの不思議さよといふを、八七聞きしりたれば八八やがて戸を明くるに、いといたう黒くあかづきて、まみはおち入りたるやうに、八九げたる髪もにかかりて
フタツマナコシュトイテ。鏡ノオモテソソゲルガゴトク。上下ウエシタ歯クイチゴウテ。口脇クチワキ耳ノ根マデ広クケ。マユウルシニテ百入塗モモシオヌリタルゴトクニシテ。額ヲ隠シ。振分髪フリワケガミノ中ヨリ。五寸計ゴスンバカリナルコウシノ角。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
川に落ちて水を飲んだ上に、汗の出花でばなを冷えたのが悪かったそうだ。森川さんは、日に二遍も見に来て呉れる。親切な人だ。此間赤んべいなんかしなければよかった。しかしお春はふとあまだ。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「ほんまだつか。あちらでは三田さんを知つてゐやはりまつせ。あんたとこのめえの大きい、紺の洋服着て、大跨に歩いて行かはるお客さんでつしやろと、こないいふてはりましてん。」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
真荒男マスラヲが 朝廷ミカド思ひの忠実心マメゴヽロを血に染めて 焼刃ヤキバ見澄ます※
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
床の中に這入ってから翌日の小説執筆、十一時、十二時に至りてねむるというような段取りであった。
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
もそろ/\蠢きてあれば、ほと/\に頭叩き、おもしろと我が打てば、うつろあたま堅くそばたち、忽ちに赤に醉ひたるは、蓋しくも憤るならし、まながひもくちもおもしろ、蛸といふものは。
長塚節歌集:2 中 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
タキは人魂ひとだまみんたまなくこおかなく燃やし、独りして歌ったずおん。
雀こ (新字新仮名) / 太宰治(著)
おれあ、ほんとに腰骨折れっかと思った。まなぐさ、汗はえっし……」
駈落 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
何んな土産であらうか、森の土産が、妾のスタツキングに入るかしら? フロラは、愉しさうな不安のまなざしをしばたゝいて
舌をば出した、めんめをつぶつて点々ぼちぼちも視た。
近くの壁画を見れば、やまいぬわに青鷺あおさぎなどの奇怪きかいな動物の頭をつけた神々の憂鬱ゆううつな行列である。顔もどうもないおおきなウチャトが一つ、細長い足と手とをやして、その行列に加わっている。
木乃伊 (新字新仮名) / 中島敦(著)
カダルマゴにもよめにも皆死なれデ、村役場ガラコメコだのジエンコだのもらて、ムマヤよりもマダきたね小舍コヤコ這入ハエテセ、乞食ホエドして暮らすマナグデ來るデバ。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)