“憂鬱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆううつ91.5%
いううつ4.9%
ユーマー0.8%
うれい0.4%
さびしく0.4%
ふさ0.4%
ナガメ0.4%
メランコリック0.4%
メランコリツク0.4%
メランコリー0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
言いようのない憂鬱が、しばしば絶望のどん底から感じられた。しかも狂犬のように執念深く、自分はこの問題にじりついていた。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
しかしその電燈らされた夕刊紙面見渡しても、やはり憂鬱むべく世間りに平凡出來事ばかりでつてゐた。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
斯くの如く體操と作文の爲に最も救ひなき憂鬱を味はされた中學を終へると、私は一高の理科へ入學するつもりで、本郷に居た醫學士の叔父のところへ來た。
文学的自叙伝 (旧字旧仮名) / 牧野信一(著)
「冗談じゃない、酒は憂鬱玉箒というんだぜ、酒を飲んで胸を重くするくらいなら、重湯を食べて寝ていた方がいい」
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「こんなほん読むと、生きる事が憂鬱なるきりよ。」
放浪記(初出) (新字新仮名) / 林芙美子(著)
(涙ぐむ)空飛ぶ鳥でさえ羽音をひそめて憂鬱いでいるような気がするのに。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
媾を断つて久しい事が、ながめを言ふと説くか、欲情生活の空虚から来る、つれ/″\な憂鬱を思ひ知らしめた事で、ながめは
憂鬱な、利口そうな顔だちで、左手を長椅子の肘に掛け、右手は、のように盛りあがった広い裳裾のほうへすんなりと垂らしている。
麦酒を飲んで居ると約束の午後四時にお嬢さんが遣つて来た。今日差支が起つてかれない、只断りに来たのだと言ふ。目附の憂鬱な、首筋のりとした、小柄な女である。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
彼の習慣的な平素の表情は憂鬱であった。「医し難い悲しみ」であった。