“悒鬱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆううつ75.8%
いふうつ6.1%
むさくる6.1%
いぶせ3.0%
うっとう3.0%
さぶ3.0%
じじむさ3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
葉子はなんという事なく悒鬱ゆううつになって古藤の手紙を巻きおさめもせずひざの上に置いたまま目をすえて、じっと考えるともなく考えた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
その時私は彼の顔にちらりと悒鬱いふうつな色が漲つたやうに思つた。おんつぁんが危険な色だといつたのはあれだなと思つた。
(新字旧仮名) / 有島武郎(著)
その頃の悒鬱むさくるしい家や庭がすつかり潰されて、新らしい家が幾つも軒を並べてゐた。昔しの面影はどこにも忍ばれなかつた。
和解 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
むろうち暑く悒鬱いぶせく、またさらに嬰児みどりご笑ふ。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
手狭な悒鬱うっとうしい彼の六畳の書斎にはとてもそぐわない雰囲気ふんいきであった。彼らは遠くからわざわざ長い小説の原稿をもって彼を訪ねて来たのであった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
高行くはひたすら悒鬱さぶしまかがやき横たふ雲の眼をふたぎつつ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
庸三は悒鬱じじむさい自分の恋愛とは違って、彼らの恋愛をすばらしく絢爛けんらんたるものに評価し、ひそかに憧憬しょうけいを寄せていたのだったが、合理的な清川のやり口の手堅さを知ることができたと同時に
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)