“陰鬱”の読み方と例文
読み方割合
いんうつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは雪国の旧家というものが特別陰鬱いんうつな建築で、どの部屋も薄暗く、部屋と部屋の区劃くかくが不明確で、迷園の如く陰気でだだっ広く
石の思い (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
この道を奥の方へと荷馬車の通うのにも出逢であったが、人里がありそうにも思えない荒寥こうりょうたる感じで、陰鬱いんうつな樹木の姿も粗野であった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
敬太郎は婦人の着る着物の色や縞柄しまがらについて、何をいう権利もたない男だが、若い女ならこの陰鬱いんうつ師走しわすの空気をね返すように
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)