“沈鬱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちんうつ92.9%
ふさ1.8%
ふさい1.8%
メランコリック1.8%
メランコリツク1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
午前中、彼女は沈鬱ちんうつで、あまり口もきかず、何か距離に関するらしい計算を小声でつぶやきながら、敷布に折り目をつけたりしていた。
『だって何だか沈鬱ふさいでいるようだから……もしかと思って。』
郊外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
可憫かわいそうに、倅はひどく沈鬱ふさいでいるようだな。母親のへやへ行ったのか、まアうっちゃっておけ……何だか家の様子が変って、おれも急に老けたような気がする。でも倅がいるので大助かりさ。
(新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
チャーミングさんは、すらりとした長身をゆったりと椅子の中にのばし、沈鬱メランコリックな眼ざしで静かに煖炉いろりの火を見つめている。
すべてが新作である。中にも「紅雀」は青いおほひを着せた紅雀の籠が何事かの象徴サンボルであるらしく終始観客くわんかくの心を引附け、支那の貴人の家の静かな男女なんによの挙止応対がまつた沈鬱メランコリツクな気分を舞台にみなぎらせた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)