“被”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
かぶ48.9%
17.2%
おお5.6%
こうむ4.5%
かつ3.9%
2.9%
おほ2.1%
かむ2.1%
かうむ1.8%
かず1.7%
(他:102)9.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“被”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語23.4%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)4.7%
文学 > 日本文学 > 詩歌3.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
道の傍らには小さなあざがあって、そこから射して来る光が、道の上に押しかぶさった竹藪たけやぶを白く光らせている。
闇の絵巻 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
真紅しんくの厚い織物を脳天から肩先までかぶって、余る背中に筋違すじかいささの葉の模様を背負しょっている。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それで居てもうわたしは棚の上の帽子を取つて、それから髪を包んで居た切れを外してそれをて、外套の前を胸で合せて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
お前さんを主人の様に、姉弟二人で私の事を尼様々々と大事に云って呉れるじゃアないか、それに恩をせてあんな真似をすれば
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
私は二、三歩動き出しながら、黒ずんだ葉におおわれているそのこずえを見て、来たるべき秋の花と香をおもい浮べた。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかも何事であろう? 七、八人の足軽が白布でおおった板の上へ一人の武士を仰向けに寝せて、静々と運んで通るのであった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼らから侮辱と不正とをこうむってる、不名誉きわまる自分の姿を見ることは、堪えられなかった、断じて堪えられなかった……。
表徳は御免をこうむなかへ往ってチョン/\格子か何かで自腹遊びをする積りで御免を被って師匠に逢おうと思ってると
滝は、ひでりしかく骨なりといえども、いわおには苔蒸こけむし、つぼは森をかついであおい。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
今朝髪を洗つたと見えて、智恵子は房々した長い髪を、束ねもせず、緑の雲をかついだ様に、肩から背に豊かになびかせた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
前庇まえびさし広く飾なきぼうぶりて、年は十七、八ばかりと見ゆるかんばせ、ヱヌスの古彫像をあざむけり。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
すべてに、これは過ぎた昔の事であるという過去と名のついた薄い白いレースか、薄青い紗のきれのようなものをけて置いて
けむりかれたら、地面ぢめんふこと、手拭てぬぐひにて鼻口はなくちおほふこと。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
もし蒲團ふとん茣蓙ござ手近てぢかにあつたならば、それをもつおほふことも一法いちほうである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
眼をさます刺激の底に何所か沈んだ調子のあるのをうれしく思いながら、鳥打帽をかむって、銘仙の不断着のまま門を出た。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
だが私はゴロン棒の意気で、直ぐに皮肉な返辞を出した。ただし文体は紳士的にした。仮面をかむって書いたのである。
奥さんの家出 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
大阪は全国の生産物の融通分配を行つてゐる土地なので、どの地方に凶歉きようけんがあつても、すぐに大影響をかうむる。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
一度ひとたび梟身けうしんを尽して、又あらたに梟身を得、つまびらかに諸の患難をかうむりて、又尽くることなし。
二十六夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
こおった雪をかずいている、或るものは細長い雪のひもで、腹の中を結えている、そうして尖鋭の岩を歯のように黒く露わして
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
上にかずいた着物をのけて寄って行った時に、あの時の女よりも大きい気がしてもまだ源氏は恋人だとばかり思っていた。
源氏物語:03 空蝉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
半外套はんぐわいたうはおつて、鳥打とりうちかぶつた山林局さんりんきよく官吏くわんりともおも
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
吉里は何も言わず、ついと立ッて廊下へ出た。善吉も座敷着をはおッたまま吉里のあとから室を出た。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
彼曰ふ。女生れていまだ首〓かしらぎぬかづかず、この者わがまちを、人いかに誹るとも、汝の心にかなはせむ 四三―四五
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
代官坂の下から、黒衣をかづいた天主教の尼さんが、ゆつくり上つて來る。近附いた時に見ると、眼鏡をかけた・鼻の無闇に大きな・醜い女だつた。
かめれおん日記 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
外へ出ると、そこらの庭の木立ちに、夕靄ゆうもやかかっていた。お作は新坂をトボトボと小石川の方へ降りて行った。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
華麗はなやかべにの入りたる友禅の帯揚おびあげして、びんおくれのかか耳際みみぎは掻上かきあぐる左の手首には
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
老宰相は夫人がつかまえられたことを見届けると床の板を剥いだ。床の下にはに包んだ悪僧の死骸があった。被には生生なまなましい血の斑点があった。
悪僧 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
夫人は輕げなる寢衣ねまきを着て、素絹の長椅ソフアの上に横はりたりしが、我が入るを見て半ば身を起し、左手ゆんでもてを身に纏ひ、右手を我にさし伸べたり。
と、辻村という商人体の乗客が口を開いた。列車の内はすべて電灯に紫布むらさきぎれおおいがかけられていた。
空襲警報 (新字新仮名) / 海野十三(著)
短い糸はつなぎ合せて玉にしてあり、それも木綿と絹とが別にしてあって、幾つかたまると蒲団ふとんおおいなどに織ってもらいます。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
襤褸つゞれて、藥草類やくさうるゐってをったが、かほ痩枯やせがれ、眉毛まゆげおほかぶさ
五分刈ごぶがりびたのが前は鶏冠とさかのごとくになって、頸脚えりあしねて耳にかぶさった、おしか、白痴ばかか、これからかえるになろうとするような少年。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
婦人おんなは顔の色も変えないで、きれで、血を押えながら、ねえさんかぶりのまま真仰向まあおのけに榎を仰いだ。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かへりには、ほこりのひどさに、すつとこかぶりをしてられたが、
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
金色の微光をこうぶること、すなわち太子の祈りの息吹にふれることのようにも思われ、御一族の悲願が、いよいよ私の心に刻印されてくるのであった。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
然るに酒をこうぶるときは剛愎ごうふくにして人をしのいだ。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
だが、此は恋の誓ひの古い形で、波のカブさりさうもない末の松山を誓ひに立てゝ来た処に意味があるのである。
紐を解き敷いて、折り返しカブれば、やがて夜のフスマにもなりまする。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
与助の妻は酒をかうぶつて大言する癖があつて、「女が三人あるから、一人五百両と積つても千五百両がものはある」と云つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
かれには寸毫すこし父兄ふけいちからかうぶつてない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
院長は汚點しみだらけの上つりを着て、口の聞きやうからが、いら/\した、物に構はないやうな、氣の置けない醫者であつた。
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
若い元気のいい女が白いうわりをきて、白や赤の布で髪をつつんで、テキパキと給仕してくれる。どの皿も半額だ。さっきの食券をわたして食べる。
ソヴェト文壇の現状 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
罪の汚名は敗者にはされむ、是世俗の常なればなり、されど神罰眞に罪ある者に下るに及びて敗者も汚名を雪ぐを得べし
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
五月といへば、此處北海の浦々でさへ、日は暖かに、風も柔らいで、降る雨は春の雨、濡れて喜ぶ燕の歌は聞えずとも、梅桃櫻ひと時に、花をかぬ枝もなく、家に居る人も、晴衣して花の下行く子も、おしなべて老も若きも、花の香に醉ひ
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
かくてあたかも假面めんかうむれる人々が、己を隱しゝかりの姿を棄つるとき、前と異なりて見ゆる如く 九一―九三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
紛糾せる人生もし吾人をも紛糾の中に埋了し去らば、吾人も亦た※血せんけつかうぶるの運を甘んずべし、然れども希望の影吾人を離れざる間は、理想の鈴胸の中に鳴ることの止まざる間は、吾人は基督の経綸を待つに楽しきなり。
最後の勝利者は誰ぞ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
紫宸にいまして徳は馬のつめの極まるところにかがふり、玄扈げんこいまして化は船のいたるところを照したまふ。
それの年のそれの月に、天皇が命をかがふりて、大命を仰ぎ待ちて、今日に至るまで八十歳やそとせを經たり。今は容姿既に老いて、更に恃むところなし。
と叫びて、泰助声をも懸けざるに、身をひるがえして、人形のかずきくぐって入るよと見えし、美人は消えて見えずなりぬ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鎌倉時代の上〓じょうろうにや、小挂こうちぎしゃんと着こなして、練衣ねりぎぬかずきを深くかぶりたる、人の大きさの立姿。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
古藤は例の厚い理想のかつぎの下から、深く隠された感情が時々きらきらとひらめくような目を、少し物惰ものたるげに大きく見開いて葉子の顔をつれづれと見やった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
田のくろの猫柳が絹毛きぬげかつぎを脱いできいろい花になった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
すると、闇の中から私に近づいて来た鳥打をかぶった男がありました。前と丸切り違った落着いた声で、
ある抗議書 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
あの稲塚がむくむくと動き出しはしないか、一つ一つ大きな笠をかぶった狸になって、やがては誘い合い、うなずきかわし、寄合って手を繋ぎ、振向いて見返るのもあって、けたけたと笑出わらいだしたらどうだろう。
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
が、壁には古新聞が手際惡く貼られて、眞黒に煤けた屋根裏が見える、壁側に積重ねた布團には白い毛布がかゝつて、其に並んだ箪笥の上に、枕時計やら鏡臺やら、種々な手〓りの物が整然と列べられた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
いろ真蒼まつさをで、血走ちばしり、びたかみひたひかゝつて、冠物かぶりものなしに、埃塗ほこりまみれの薄汚うすよごれた、処々ところ/″\ボタンちぎれた背広せびろて、くつ足袋たびもない素跣足すはだしで、歩行あるくのに蹌踉々々よろ/\する。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
菊子は群衆を掻き分けて蓆をきせられた父の屍を見たが、さすが豪気な娘でもしばらくそこを立上ることが出来なかった。
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
唯こんな場合にはみつともない細君よりは美しい方がずつと恰好なものだ、丁度帽子をきせる頭は禿げたのよりも、髪の毛の長いのが恰好なやうに。
「虹……まさにそれは、革鞭かわむちのような虹でした。ですが、犯人を気取ってみたり、久我鎮子の衒学的ペダンティックな仮面をけたりしている間は、それに遮られていて、あの虹を見ることが出来なかったのです。僕は心から苦難をきわめていた貴女の立場に御同情しますよ」
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
なん圖星づぼしであらうが?……(ロミオらに對ひ)ようこそ! 吾等われらとても假面めんけて、美人びじんみみりさうなはなしさゝやいたこともござったが、あゝ、それは過去むかしぢゃ、とほい/\過去むかしぢゃ。