“鬘”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かつら75.9%
かずら13.5%
かづら4.5%
カツラ2.3%
カヅラ1.5%
びんずら0.8%
まげ0.8%
まん0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かつらならではとゆるまでに結做ゆひなしたる圓髷まるまげうるしごときに、珊瑚さんご六分玉ろくぶだま後插あとざしてんじたれば、さら白襟しろえり冷豔れいえんものたとふべきく——
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
次にかずらに纏いておいでになつていた珠をお請けになつて囓みに囓んで吹き棄てる息の霧の中からあらわれた神はアマツヒコネの命
顏見世の晩で、長い柄のついた燭臺に照らして見せる異樣な人の顏、異樣なかづら、異樣な衣裳、それを私はお牧の背中から眺めました。
白い著物・白いカツラ、手は、足は、すべて旅の裝束イデタチである。頭より上に出た杖をついて——。このタヒラに來て、森の前に立つた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
カヅラが、里の物忌みの被り物とは、変つて居たからでせう。山人の伝へた物語や歌は、海語の様には知れませんが、推測は出来ます。
翁の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
そんな者の妻とは見えぬ嫋々なよなよしさであった。なしの花みたいな皮膚である。いやいや、かりに五ツぎぬを曳かせ、雲のびんずらに、珠のかざしかざさせなば……と、鬼六はめまいのような空想にとらわれた。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丸味を帯びた細い眉、切長で涼しくて軟らか味のある眼、少し間延びをしているほど、長くて細くて高い鼻、ただしまげだけは刷毛先はけさきを散らし、豪勢いなせに作ってはいるが、それがちっとも似合わない。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
在英中土宜法竜僧正から『曼荼羅私鈔』を受け読みかじると、塔中たっちゅう三十七尊を記せる内、阿閦あしゅく、宝生、無量寿、不空成就ふくうじょうじゅの四仏がまんの四菩薩を流出して大日如来を供養し(内四供養うちのしくよう