“びんずら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
85.7%
14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
勇美子も夜会結びのびんずらを吹かせ、雨に頬を打たせていとわず、掛茶屋の葦簀よしずから半ば姿をあらわして
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ですかい、」と言いつつ一目ひとめ見たのは、かしら禿かむろあらわなるものではなく、日の光す紫のかげをめたおもかげは、几帳きちょうに宿る月の影、雲のびんずらかざしの星、丹花たんかの唇、芙蓉ふようまなじり、柳の腰を草にすがって
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そんな者の妻とは見えぬ嫋々なよなよしさであった。なしの花みたいな皮膚である。いやいや、かりに五ツぎぬを曳かせ、雲のびんずらに、珠のかざしかざさせなば……と、鬼六はめまいのような空想にとらわれた。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)