びんずら)” の例文
そんな者の妻とは見えぬ嫋々なよなよしさであった。なしの花みたいな皮膚である。いやいや、かりに五ツぎぬを曳かせ、雲のびんずらに、珠のかざしかざさせなば……と、鬼六はめまいのような空想にとらわれた。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)