“嫋々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じょうじょう66.7%
なよなよ20.4%
じようじよう3.7%
しなやか1.9%
たよたよ1.9%
たわわ1.9%
でう/\1.9%
なよ/\1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
受けたものはコロコロと、太い管の中を転落して、タンクの中に入るから牛馬先生は、遥かに余韻よいん嫋々じょうじょうたる風韻ふういんを耳にするであろう。
発明小僧 (新字新仮名) / 海野十三佐野昌一(著)
さすがに、これには彼もぎょっとしたが、いかにも柔い嫋々なよなよしい彼の体は、充分に心の乱れた女房の眼を欺瞞ぎまんすることに成功した。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
南国に育つた人にはその嫋々じようじようたる郷愁に結びついて忘れられない幼時の夢だといふことが書いてあつた。
気候と郷愁 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
あとでも思ったが、その繕わない無雑作な起居たちい嫋々しなやかさもそうだが、歩行あるく時の腰のやわらかに、こうまでなよなよと且つすんなりするのを、上手の踊のほかは余り見掛けない。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蘭麝らんじやの薫を漂はせた綺羅きらの袂をもてあそびながら、嫋々たよたよとしたさまで、さも恨めしげに歎いたは
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
淡紅色ときいろ紋絽もんろ長襦袢ながじゆばんすそ上履うはぐつあゆみゆる匂零にほひこぼして、絹足袋きぬたびの雪に嫋々たわわなる山茶花さざんかの開く心地す。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その簡朴悠長にして、哀韻嫋々でう/\、どこまでも續いて、どこまでも絶えず、細く、長く、悲しい響きを傳へる。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
さては遠きに倦みたる眼を伏せて、羊腸やうちやうたる山路の草かげに嫋々なよ/\と靡ける撫子なでしこの花を憐れむも興あるべし。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)