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『気候と郷愁』
ふりがな文庫
『
気候と郷愁
(
きこうときょうしゆう
)
』
私は越後の新潟市に生れたが、新潟市に限らず、雪国の町は非常に暗い、秋がきて時雨が落葉を叩きはじめる頃から長い冬が漸く終つて春が訪れるまで、太陽を見ることが殆んど稀にしかない。冬の暗澹たる気候には発狂しさうな焦燥を感じて私は弱つたものである。 …
著者
坂口安吾
ジャンル
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆
初出
「女性の光 第一三巻第二号」1937(昭和12)年2月1日
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約5分(500文字/分)
朗読目安時間
約8分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
嫋々
(
じようじよう
)
吃驚
(
びつくり
)