“吃驚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
びっくり77.9%
びつくり16.1%
びっく3.8%
きっきょう0.8%
びつく0.5%
びつくら0.3%
びッくり0.2%
びツくり0.2%
おどろき0.2%
たま0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、突然後からコートの背中をつっつくものがあるので、吃驚びっくりして振り返って見ると、見知らない一人の青年が笑いながら立っていた。
鉄の処女 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
婆さんもその物音に目をさましました。そして起きて戸を開けてみますと、吃驚びつくりして、思はずアッと言つて、尻餅しりもちくところでした。
竜宮の犬 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
「こんな事でもしなかったら、彼奴あいつ吃驚びっくりしますまい。……だがう私達は伊右衛門のことなど、これからは勘定に入れますまい」
隠亡堀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
◯一方エリパズら三友は、来り観て想像以上の悲惨なる光景にまず吃驚きっきょうし、同情と共に一種の疑の起るを防ぎ得なかったのである。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
彼は吃驚びつくりしたやうに見えた——今、私にお歸りと云つたのに、吃驚りするなんて、ひどく矛盾してゐるわけだが。彼は叫んだ。
そんな捫懌もんちやく最中に、狭山さんの方が騒擾さわぎに成りましたんで、私の事はまあどうでも、ここに三千円と云ふお金が無い日には、訴へられて懲役に遣られると云ふんですから、私は吃驚びつくらして了つて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
賢ちゃんが吃驚びッくりして眼を円くした時、私は卒然いきなりバタバタと駈出し、前へ行く児にトンと衝当つきあたる。何しやがるンだいと、其児に突飛されて、又誰だかに衝当つきあたる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
不気味ぶきみ投出なげださうとするとずる/″\とすべつてゆびさきすひついてぶらりとさがつたはなれたゆびさきから真赤まつかうつくしい垂々たら/\たから、吃驚びツくりしてしたゆびをつけてじつとると
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
べとりと頤髯あごひげ一面なその柔和な口を結んで、足をやや爪立つまだったと思うと、両の肩で、吃驚おどろきの腹をんで、けたたましく飛び退いて、下なる網につまずいて倒れぬばかり、きょとんとして
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いいらぶつ吃驚たまげた真似まね仕出しでかし申してのおまへさま。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)