“退”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
30.1%
22.6%
9.4%
さが9.4%
しりぞ8.7%
すさ5.4%
3.9%
しさ2.6%
しざ0.9%
0.7%
しり0.6%
まか0.6%
ずさ0.4%
0.4%
たい0.3%
しぞ0.3%
0.2%
しりぞい0.2%
のけ0.2%
もど0.2%
0.2%
のき0.1%
しや0.1%
すざ0.1%
すべ0.1%
ずら0.1%
0.1%
のい0.1%
のぞ0.1%
ひい0.1%
ひけ0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
マカ0.1%
0.1%
おち0.1%
0.1%
じさ0.1%
じろ0.1%
0.1%
どど0.1%
のが0.1%
のひ0.1%
ひか0.1%
ひき0.1%
0.1%
まが0.1%
0.1%
0.1%
シリゾ0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今一人の柄本家の被官天草平九郎というものは、主の退を守って、半弓をもって目にかかる敵を射ていたが、その場で討死した。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「そんなばかげたことが、世の中にあってたまるものか、お前はおれ、武士がひとたび云いだしたからには、退くことはならん」
山寺の怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
白雪 ええ、いな、お前たち。義理も仁義も心得て、長生したくば勝手におし。……生命のために恋は棄てない。お退き、お退き。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
密使の僧は、こっそり退って行った。——その日、べつの殿中には、信長が、着京の挨拶のため伺候して、義昭の出座を待っていた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さて、屋根千人のまはりの土手千人といふ手分けして、からりて人々退けるはずであります。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
捧げて來た茶を、平次の前に進めて、少し退つてお辭儀をした折屈みは、すつかり御殿風が身について、この娘の非凡さを思はせます。
『——伝右どの、お気持は有難くいただいた。然し、公儀の断罪を待つ私共……身に余りまする。何卒、お火鉢はお退げ置き下さい』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金眸は痛さに身をきつつ、鷲郎が横腹を引𤔩めば、「呀嗟」と叫んで身を翻へし、少し退つて洞口のへ、行くを続いてかくれば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
村田が立って行くと、お清は四、五歩退って、戸の外に出て来た村田の横をつとすりぬけ、室の中にはいり込んで、がたりと扉を閉めた。
反抗 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
その時、全身白毛を冠った年寄りらしい狼が天に向かって吠えたかと思うとそれを合図に狼の群は一度に背後へ飛び退さった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しばらく黙然として三千代の顔を見てゐるうちに、女のからが次第に退ぞいてつて、普通よりはに付く程蒼白くなつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
やがて退り立ちて、ここの御社のの下の狛犬も狼の形をなせるを見、酒倉の小さからぬを見などして例のところに帰り、朝食をすます。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
炉ばたにいて火を燃しつけていたお内儀さんは棒立ちになり、急にざめた。彼女はふるえながらあと退りに奥にかくれた。かわって出て来たのが亭主であった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
お八重は背後へ体を退らせたが、しかしその瞬間去年の秋の、観楓の酒宴での出来事を、幻のように思い出した。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
とおもふはなどいふ調子は、いかにもしかねてゐる退くつなのあくびでもしたいような氣持ちがてゐるとおもひます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
ここにその國主一二みてしてさく、「今よ後、天皇の命のまにまに、御馬甘として、年のに船めて船腹さず、柂檝乾さず、天地のむた、退きなく仕へまつらむ」
ここに大后、その玉釧を見知りたまひて、御酒の栢を賜はずて、すなはち引き退けて、その夫大楯の連を召し出でて、詔りたまはく
是れは神の前に耻づべきことです、万国は互にうて滅亡に急ぎつゝあるです、私共は彼等を呼び留めますまい、退て新しき王国のを据ゑませう
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
それから里朝の曲弾も首尾よく相済んだ跡は、お定まりの大小芸妓の受持となって、杯酒すと昔は大束に言って退たが、まこと逆上返る賑いで
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
吐く羊膓たる阪路進むが如くまた退るが如し馬をしばしと止めて元し方を顧みれば淺間の山はすでに下に見られて其身は白雲の上にあり昨日此山を見て一睨みして置きしが今日は昨日宿りし處を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
當麻語部の嫗なども、都の上﨟の、もの疑ひせぬ清い心に、知る限りの事を語りかけようとした。だが、忽違つた氏の語部なるが故に、追ひ退けられたのであつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
女兒しき介抱にみし武左衞門てすや/\と眠りし容子にお光は長息夜具打掛て退に在し硯箱を出して墨を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「ちつとおめえ退つてくんねえか」といひながら人々足探りにいて巫女さんのいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
甚兵衛の太刀先を相手が避けて、飛び退ったはずみに、二人の位置が東西になったと思うと、敵の十字架に、折柄入りかかる夕日がいた。
恩を返す話 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
為さんは小机の前にいざり寄って、線香を立て、を鳴らして殊勝らしげに拝んだが、座を退ると、「お寂しゅうがしょうね?」と同じことを言う。
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
友「もうねえ、余所のねえ、知らない船宿から乗って上ろうとして船を退かしたものだから川の中へこって、ビショ濡れでく此の桟橋から上りました」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
鴉のこゑ遠退きゆけば雀のこゑ連れつつ明る雨霧の中 (二一三頁)
文庫版『雀の卵』覚書 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
資本に初めし醫者家業傷寒論ねどもなりとて衣服かし馬鹿にて付る藥三寸の匙加減でやつて退たる御醫者樣もう成ては長棒より
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
貴女はあらゆる望みを胸中より退いて、終生の願いを安心立命しなければいけない。それこそ貴女が天から受けた本質なのだから
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
今歳の五月です、僕は何時よりか二時間も早く事務所を退て家へ帰りますと、は曇って居たので家の中は薄暗いにも母のに暗いのです。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
其の内にお退の時計が鳴りますと、直ぐ印形の紐を引きますから、捺しかけてもは次のお月番へ廻さなければなりませぬ。それが為に命の助かったもございます。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
失敬な!』と、一言ぶなりドクトルは退け。『全體貴方々這麼失敬つてゐて、自分ではかんのですか。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
為ニ、御辺ガ主家ニ得タル罪ト同坐シテ、我モ一旦、敢テ不忠ノ名ヲリ、此一城ヲ御辺ニ預ケ、敗者ノヲ忍ンデ伊勢ニ退ク。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
旅の侍はこれを聞くと、パッと二、三歩飛び退ざって、刀のへ手を掛けた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これらののっ退きならぬ生き証人を見せて、伯爵に穏やかな国外退去を勧めるべく、一行が伯爵邸を急襲したのは、それから何時間くらい過ぎた頃であろうか。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
父君に我は愛子ぞ。母刀自に我は寵子ぞ。参上る八十氏人の 手向けするに、り、我はぞ退る。遠き土佐路を
相聞の発達 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ほん気な意地でも鞘当てでもないが、ほん気にも躍起にもなって困る者を困らせるのが遊びである。光広もなかなかかないし、紹由も決して退かない。そして吉野を両方の義理に挟んで
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
潮の退た時は沼とも思はるゝ入江が高潮と月の光とでまるで樣子が變り、僕には平時見慣れた泥臭い入江のやうな氣がしなかつた。
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
の中に散らばっている死骸を一ツ一ツにめながら、奥の方へ来るに、不図青眼先生は屋敷の真中あたりで、切れるように冷たい者を探り当てて、ヒヤリとしながら手を退めました。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
若旦那勃然としてるまいか。あと退りに跳返つた、中戸口から、眞暗つて躍込んだが、部屋へるくに突立つて、りながら
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それは殆んど投げつけるような調子であったが、良助は別に驚きもせず、身退ぎもしなかった。彼はただじっと田原さんの側に立ちつくした。
田原氏の犯罪 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
竹「はい、私は大きに熱が退れましたかして少し落着きました」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「邪魔すんな、退け、退け」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
さけのすばしりは雪前河原などにある事也。かれあみにせめられ人にもはれなどして、水を飛離れて河原にのぼり、ある所をこえて水にとび入りてあみを退るゝ也。
して呉れろと云棄追駈く此掃部と云ふ者はより武邊の達者殊に早足なれば一目散に追行所に重四郎は一里餘りも退たりしがより駈來人音有り定めて子分の奴等が來る成らんと深江村の入口に千手院と云ふ小寺有り住持は六十餘歳の老僧にて佛前に於て讀經
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
実家へも帰られないので此様な汚ない空家を借りて世帯を持たして、爺むさいたッてお前さん茅葺屋根から虫が落ちるだろうじゃアないか、本当に私を退したって亭主振って、小憎らしいのだよ
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
吾助は猶も追廻り進んでは退き退ては進み暫時勝負は見ざりしに忠八は先刻よりりてりしが今吾助が眼の前へ來りし時が向ふしかば流石の吾助も不意を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「旦那」と小声に下婢の呼ぶに、大洞はばしとばかり退かり出でぬ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
るがゆゑ箇樣々々結納り明日遞與變改なき樣致してと云れて忠兵衞主個が前を退ると其まゝ長三郎が部屋へき先方がこと兩親がこと萬事上首尾なるよしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「何やってんだ、一体——。別に学校を退めるほどの事情もなさそうだったが、働かなきゃならんほどの」
睡魔 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
次は床退りをした女、即、或年齢に達すると、女は夫を去つて、処女生活に入る信仰があつたが、さういふ様な女(三)。此床退りの女は、其以後の生活は、神に仕へるのである。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
一、会館ハ辰半未刻退
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其にとこと音通した退く・などの聯想もあつたものらしく、地下或は海底の「死の国」と考へられて居た。「夜見の国」とも称へる。