“すべ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:スベ
語句割合
27.2%
24.5%
17.3%
12.4%
11.8%
2.3%
1.0%
0.9%
0.8%
0.4%
(他:20)1.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
攀縁性のつる植物の緊密なしばりで、おそらく倒れずにそのまますべるのだろう――と考えたが、それも瞬時に裏切られた。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
彼は死の湖水へ棄てられたのであった。二三人が船を押しやった。と、船は痙攣けいれんしながら、沖の方へすべって行った。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
葉子は何事を犠牲に供しても灼熱しゃくねつした二人の間の執着を続けるばかりでなくさらに強めるすべを見いだそうとした。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
すべを知らず黙っても、まだかぶりをふるのであるから、廉平は茫然ぼうぜんとして、ただこぶしを握って、
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
四方の壁に幾十の小さな額がかゝつて居るが、見渡した所すべてが近頃の親しい作家の絵ばかりであるのは一だ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
音、光、色彩、運動、そんなものがすべて自由性を失つてしまひ、たゞ白けた得体の知れぬ現実がぐんぐんと押し迫つてくる……
静物 (新字旧仮名) / 十一谷義三郎(著)
まるでスケートをするかのように、あざやかに太った身体を前方にすべらせて、バナナの皮に一と目もれないばかりか
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼はその限られた世界の中をすべり歩いていたし、そうして、妻の病室へやって来る時、その世界はいちばん透きとおっていた。
秋日記 (新字新仮名) / 原民喜(著)
自動車にありて二十分が程に我眼の見し所のものすべて珍しからぬはなかりしこと、幾多の西の国にもまささふらふ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
一つの技術が世界ことごとくの芸術の様式と内容のすべてを含んでしまうという技法は今までにまだ発見されていないようだ。
油絵新技法 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
天床、畳、壁、障子、襖、小さな天地ではあるけれども、すべ敗頽はいたい衰残すゐざんの影が、ハツキリと眼に映る。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
およそコンなけで、その原因は何処いづくに在るかと云えば、新日本の文明富強はすべて先人遺伝の功徳に由来し
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
人若し此世のすべての物よりも愛すべく、此世の渾ての物を絶つも猶絶つ能はざるものを有すれば是れ信条を有する也。
信仰個条なかるべからず (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
「要するに、三がいすべてこれ一心ぢや、寒いといふ心、暑いといふ心、心頭を滅却すれば火もまた凉しぢや。」
十二のたるです。きみ御存ごぞんじのごとく、海底戰鬪艇かいていせんとうていすべての機關きくわん
世間せけんほとんどすべての建築けんちくこと/″\眞正しんせい建築けんちくでないことになるが
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
同時に、吉田機関手がこれまでの自分にしてくれたすべてのことが、洪水のように彼女の胸を目蒐めがけて押し寄せて来た。
機関車 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
北國の雪解の時分と來たら、すべて眼に入るものに、まるで永年牢屋にぶち込まれた囚人が、急に放たれて自由の體となツたといふ趣が見える。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
すべて供〓りの徒士かちの者共風俗がさつに候、中間共も異風に取拵とりこしらへ候者共多相見えわけてがさつに有之候。
凡愚姐御考 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
闘鶏、闘犬、闘牛の類をすべて野蛮だといつて悪くいふ者もあるが、人間様に角觝すまふがある間は這般な事を云はれまいと思ふよ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
わたしをよもやおわすれはなさるまいとくるまよりすべるやうにりてつく/″\とうちまもれば、貴孃あなた齋藤さいとう阿關おせきさん
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ツル/\とあななかすべちた。
夫なる人もまた、自分が女房に代って医者を迎えに行くことさえ気がつかなかったくらいでしたから、気絶した子供を抱えて、前後を顛倒して為すべきすべを知らなかったものであります。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ああ遂にせんすべなけむ。いざさらば
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
平時つねに変れる状態ありさまを大方それと推察すゐして扨慰むる便すべもなく、問ふてよきやら問はぬが可きやら心にかゝる今日の首尾をも、口には出して尋ね得ぬ女房は胸を痛めつゝ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
平時つねに変れる状態ありさまを大方それと推察すいしてさて慰むる便すべもなく、問うてよきやら問わぬがよきやら心にかかる今日の首尾をも、口には出して尋ね得ぬ女房は胸を痛めつつ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
為さんは小机の前にいざり寄って、線香を立て、りんを鳴らして殊勝らしげに拝んだが、座を退すべると、「お寂しゅうがしょうね?」と同じことを言う。
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
『奧さん、うぞお願ひ致します。』と、あとをお光にまかして座敷を退すべり出た。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
すべて是れ、当年の血戦場――
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
真つ直ぐに、自分を立て通したいばかりに、親達の困惑も怒りも歎きも、すべてを知りつくしてゐながら、強情にそれを押し退けて再度の家出をして後は、お互ひに一片の書信も交はさなかつた。
乞食の名誉 (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
其時そのときひめ庵室いほりへわせられ、この祝言しうげんのがるゝ手段すべをしへてくれい
余は篠原良平の晩年に於て、剣をなげうつ可く彼に勧告し、彼を乃木将軍からうばう可く多少の努力をして、彼が悶死の一因を作ったのと、学習院に於て余の為可すべかりし演説が某の注意にり院長たる将軍の言によって差止さしとめられたことを聞いた外、乃木将軍とは一回の対面もせず、一通の書信の往復もなかった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
駆けつけた附近の医者は、電車のゆかの上にころがった美少女に対して、ほどこすべき何のすべをももたなかった。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
差付けらるるを推除おしのくるはずみに、コップはもろくも蒲田の手をすべれば、莨盆たばこぼん火入ひいれあたりて発矢はつしと割れたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
何とかして二人を引離す頓智とんちはないものかと考えたが、咄嗟とっさのこととてうま術策すべが浮かんでこない。
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼奴あいつは有名な悪党なんですよ。ええ、あの一座の親方って奴はね。ちょっと私とも知己しりあいなんで。釜無かまなしぶんというんでさ。……ああ本当に飛んだことをした。みんな私が悪かったんで、つい迂闊うっかり口をすべらしたんでね」
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)