“哀”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
かな31.6%
あわ30.9%
あわれ9.2%
あは8.9%
あはれ8.2%
かなし5.3%
あい1.6%
かなしみ1.0%
いと0.7%
がな0.7%
(他:6)1.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“哀”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)9.4%
文学 > 日本文学 > 小説 物語4.0%
文学 > 日本文学 > 詩歌3.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
かなしい少女の心には、睡蓮のあの可哀想な、淋しそうで悲しそうな、あの気持ちがあまりにもぴったりはいって来るからです。
季節の植物帳 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
「いや僕も、君の言うことがよく解ったよ。それでは僕も明日は出席しないからね……」私は少しかなしくなって、こう言った。
遁走 (新字新仮名) / 葛西善蔵(著)
そして、正直しょうじきな、あわれなひとたちに、幸福こうふくあたえてやりたいとこたえたのであります。
海からきた使い (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、年寄としよ夫婦ふうふはそれをても、いじらしいとも、あわれとも、おもわなかったのであります。
赤いろうそくと人魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
はじめ孫とも見えたのが、やがて娘らしく、妹らしく、こうしたところではふさわしくなって、女房ぶりもあわれに見える。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
殊に今もしみじみとあわれを覚えるは、夕顔の巻、「八月十五夜、くまなき月影、ひま多かる板屋、残りなく洩り来て」のあたり
『新訳源氏物語』初版の序 (新字新仮名) / 上田敏(著)
はゝかれた嬰兒あかごこゑは、ことあはれなひゞき川風かはかぜつたへた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
あはれなる物語ものがたりおほけれども、このロミオとヂュリエットの戀物語こひものがたりまさるはないわい。
モスコオ河の上に脅かす様に建てられた冬宮とうきゆうも旅の女の心にはたゞあはれを誘ふ一つの物として見るに過ぎない。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
かれこゝろ動搖どうえうしてもろつたこゝろひどあはれつぽくなさけなくなつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かなしむ者はさいわいなり、其故如何? さに現われんとする天国に於て其人は安慰なぐさめを得べければ也とのことである。
父よ、こいねがわくは我をたすけわれを導いて、進んで世と戦うの勇者たらしめよ、かなしんでやぶらざるの孝子たらしめよ。
父の墓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
この時にあたり徳川政府は伏見ふしみの一敗た戦うの意なく、ひたすらあいうのみにして人心すで瓦解がかい
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
三強藩の兵力に対してごう敵対てきたいの意なく、ただ一向いっこうこうあいうてまずとは、古今世界中に未だその例を見ずとて
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
秋の野にさす雲のかげの様に、あわかなしみがすうと主人あるじの心をかすめて過ぎた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「南無阿弥陀ァ仏——南無阿弥陀ァ仏」単調たんちょうな村のかなしみは、村の静寂の中に油の様に流れて、眠れよ休めよと云う様に棺を墓地へと導く。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
などと、彼は自分を歌って、自分をいとしがった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そもじの嘆きは、葉末の露に、顔を映せば消えることです。独り胸を痛めて、私は、ほんとうにいとおしゅう思いまする。すでにそもじは、十字架に上りやったこととて、基督ハリストスとても、そもじの罪障とがを責めることはできませぬぞ」
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
その、ものがなしげな太い響は、この光景にさらに凄惨せいさんな趣を加えるようであった。
壊滅の序曲 (新字新仮名) / 原民喜(著)
それは彼と何のかかわりもない、ものがなしい歴史のなかの一情景のようにおもえて来る。
死のなかの風景 (新字新仮名) / 原民喜(著)
陣代の高森上野こうつけ婿むこしゅうとよしみを以てあわれみを敵の桑折
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
雪どの、わたしの言葉が、真実であるか無いか、もうじきに、そなたは思いあたりなされますぞえ——この生家さとに、いつまでも日を消していたなれば、御殿から、かえれ、もどれと、申して来るは知れたこと——現に今日も、重役の老女が見舞に見えられて、今はやつうれえも見えずなったゆえ、一日も早う、大奥へ上るように——と、くりかえしていってでありました。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
黒吉は、こうしたさびしい時には、何時までも、独りでいたかった。独りでならば、一生懸命、こらえられる泪も、優しい慰めの言葉をかけられると、却って、熱湯となって、胸の中を奔流するのだ。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
「汝は彼を永く攻めなやまして去り往かしめ、彼の面容かおかたちを変らせていやり給う、その子貴くなるも彼はこれを知らず、卑賤いやしくなるもまたこれをさとらざるなり、ただ己みずからその心に痛苦いたみを覚え己みずからその心になげくのみ」という。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
冬の最中に、銃の手入をするのが一番つらかったと云った、赤切あかぎれから血がながれて一生懸命に掃除をする銃身を片はじから汚して行く時のなさけなさと云うものはない。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
アハレなむすこよ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)