“哀”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あわ32.6%
かな31.0%
あわれ9.0%
あは8.8%
あはれ7.7%
かなし5.3%
あい1.6%
かなしみ0.8%
あはれみ0.5%
いと0.5%
がな0.5%
あわれみ0.3%
うれ0.3%
さび0.3%
なげ0.3%
なさけ0.3%
アハレ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのは、るかったのです。そして、地虫は、さながら、わせるようにれっぽい調子で、をうたっていました。
冬のちょう (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして凝視しているしいには深いしみの色がやどっていた。その眼で若者はさっきから一対のおしどりをあかずながめていた。
おしどり (新字新仮名) / 新美南吉(著)
かえって夫人がさしうつむいた、顔を見るだにさに、へそらす目の遣場の手帳を読むともなく、はらはらと四五枚かえして
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
苦勞しがるづべし、よくれたる不幸不相應につながれてらの苦勞をさするれさのれども
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わがアントニオは又例の物のといふものに襲はれ居れば、そを少し爽かなる方に向はせんは、おん宅ならではと思ひて參りしなり。
淙々、風蕭々、夕闇とともにひどく冷気も迫って、謙信の胸は、なお帰らぬ麾下の将士のうえに、まずにはいられなかった。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これを漢字に当てめると『』ともなれば『』ともなる。『』ともなれば『』ともなる。そうかと思うと『』ともなる。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「南無阿弥陀ァ仏——南無阿弥陀ァ仏」単調な村のは、村の静寂の中に油の様に流れて、眠れよ休めよと云う様に棺を墓地へと導く。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
これらの事どもをも 菅神の祟なりと世に流布せしは 菅公の冤謫を世の人きたるゆゑとかや。
痛めて、私は、ほんとうにおしゅう思いまする。すでにそもじは、十字架に上りやったこととて、基督とても、そもじの罪障を責めることはできませぬぞ
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
その、ものしげな太い響は、この光景にさらに凄惨な趣を加えるようであった。やがてサイレンがむと、教官は自分の演じた効果に大分満足したらしく
壊滅の序曲 (新字新仮名) / 原民喜(著)
全軍殆んど覆没し、陣代の高森上野婿みを以てを敵の桑折(福島附近の桑折にあらず、志田郡鳴瀬川附近)
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
今はえも見えずなったゆえ、一日も早う、大奥へ上るように——と、くりかえしていってでありました。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
黒吉は、こうしたしい時には、何時までも、独りでいたかった。独りでならば、一生懸命、えられる泪も、優しい慰めの言葉をかけられると、却って、熱湯となって、胸の中を奔流するのだ。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
彼の面容を変らせていやり給う、その子貴くなるも彼はこれを知らず、卑賤くなるもまたこれをらざるなり、ただ己みずからその心に痛苦を覚え己みずからその心にくのみ
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
冬の最中に、銃の手入をするのが一番つらかったと云った、赤切れから血がながれて一生懸命に掃除をする銃身を片はじから汚して行く時のなさと云うものはない。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
おれの妻の生んだ粟津子は、罪びとの子として、何処かへ連れて行かれた。野山のけだものゝ餌食に、くれたのだらう。可愛さうな妻よ。なむすこよ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)