“悲哀”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かなしみ61.2%
ひあい18.8%
ひあひ3.5%
あはれ2.4%
かなし2.4%
かなしさ2.4%
トリステサ1.2%
あわれ1.2%
かなしび1.2%
なさけな1.2%
みじめ1.2%
センチ1.2%
ソルロフ1.2%
メランコリィ1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
新しい言葉を学ぶことによって、岸本は心の悲哀(かなしみ)を忘れようと志した。同宿の留学生が天文台の近くに住む語学の教師を彼に紹介した。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
半次郎(はんじらう)が雨の夜(よ)の怪談(くわいだん)に始めてお糸(いと)の手を取つたのも矢張(やはり)斯(かゝ)る家の一間(ひとま)であつたらう。長吉(ちやうきち)は何(なん)とも云(い)へぬ恍惚(くわうこつ)と悲哀(ひあい)とを感じた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
長吉(ちやうきち)はいつも忍会(しのびあひ)の恋人が経験するさま/″\の懸念(けねん)と待ちあぐむ心のいらだちの外(ほか)に、何(なん)とも知れぬ一種の悲哀(ひあひ)を感じた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
思ひあたることが無いでもない、人に迫るやうな渠(かれ)の筆の真面目(しんめんもく)は斯うした悲哀(あはれ)が伴ふからであらう、斯ういふ記者も亦(ま)たその為に薬籠(やくろう)に親しむ一人であると書いてあつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
斯(か)う考(かんが)へると、無限(むげん)に悲哀(かなし)くなつて、たゞ茫然(ぼうぜん)と故國(こゝく)の空(そら)を望(のぞ)んで、そゞろに暗涙(あんるい)を浮(うか)べて居(を)る時(とき)、今迄(いまゝで)默然(もくねん)と深(ふか)き考慮(かんがへ)に沈(しづ)んで居(を)つた櫻木大佐(さくらぎたいさ)は、突然(とつぜん)顏(かほ)を上(あ)げた。
お小夜様は恐怖(おそろしさ)と悲哀(かなしさ)とで、生きた空もないようでございましたが、でもベッタリと地へすわると、鶴吉の項(うなじ)を膝の上へのせ、しゃくり上げて泣きました。鶴吉を愛していたのですねえ。
怪しの者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
妻からかまい付けられなくなった悲哀(トリステサ)は、むしろ食事をくれるガルボの後ばかりを追って、これを妻よりも慕っているような風であった。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
「さても、大名の子の悲哀(あわれ)さだなあ」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
悲哀(かなしび)は一(いち)の誇りなれば。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
ぢゃによって、何(なに)か可笑(をか)し悲哀(なさけな)い奴(やつ)をば聽(き)かせてくりゃ、乃公(おれ)は怏々(くさ/\)してかなはぬによって。
あの晩彼女(あれ)が言ったことは、自分でも熟〻(つくづく)とそう思ったからであろうが、私には、あゝ言ったあの調子が悲哀(みじめ)なように思われて、何時までも忘れられない。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
吾輩はチョットの間(ま)憂鬱になった。昨日(きのう)門司で質に置いた懐中時計が、矢張り五時頃を指しているだろうと妙な悲哀(センチ)に囚(とら)われながら、第二面を開くと、アッと驚いた。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そは壯嚴(サブライム)なる悲哀(ソルロフ)ならむ、然れども是なくして悱惻の氣、猶且人に迫ること彼が如くむば、彼の詩がいかに眞人の眞情より結晶したるものなるかを窺ふに足らむ。
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
甚三郎の眼は悲しそうでしたが、それは、境遇から来る一種の悲哀(メランコリィ)で、この男の心の底には、したたかな魂の宿っていることを平次は見逃すわけはありません。