“彼女”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あれ33.3%
かのじょ24.3%
かれ14.3%
あいつ9.0%
かのぢよ2.8%
あのひと2.5%
かのおんな2.2%
かのをんな2.2%
きゃつ1.2%
あのおんな0.9%
あのこ0.9%
あのをんな0.9%
かのじよ0.6%
かのひと0.6%
ひと0.6%
あい0.3%
やつ0.3%
あなた0.3%
おてき0.3%
これ0.3%
それ0.3%
むかう0.3%
むこう0.3%
アイツ0.3%
エル0.3%
トラベラス0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女の美しさは生くるものの為には日中よりもなお恐ろしい美しさだ、翼ある月の子らのためにはよりもなお不思議な美しさだ。
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
その彼女は、いろいろのに、T町にあるM病院をして、はたして、それはほんとうのことかと、たしかめようとしました。
世の中のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
あらず、あらず、彼女は犬にかまれてせぬ、恐ろしき報酬を得たりと答えて十蔵は哄然と笑うその笑声は多きのものにあらず。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「へつ、勝手にさせるもねえもんだ! ぢやあ、なんだつておめえ、彼女を近づけてしまつたのだい?」教父は冷やかにさう答へた。
あるは、隣室てゐるKの夫人されてましたが、彼女にはそれがとばかり、すことができなかつた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
なるほど、お前は妖術の力で魂を呼び出して彼女を苦しめるけれど、神様だけが彼女御意のままになし給ふことが出来るのです。
須永のにいる母として彼女のことごとく見たり聞いたりしたところであるから、行き届いた人なら先方で何も云い出さない前に
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そこで細君が夫の看病をしてゐる、僕は彼女の散歩の道連になることを申し込んだ。女は一応軽く辞退した上で僕の請を容れた。
不可説 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
へえ…彼女もあゝ云う目に遭ったのはでげすね、だが橋場の御別荘へ押込の這入った時には私は驚いて腰が脱けちまいました、あゝ血が流れて居るのを見たが
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
送った方がしいと僕は思います。て女の惑いからいろんな混雑や悲嘆が出て来るものです。現に僕の事でも彼女が惑うたからでしょう……
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
彼女を接吻することが出来さへしたら、おれあ身代ありつたけ投げだしたつて構やしねえぞ。だが、前には悪魔が坐つてやがる!』
ある時、其未亡人が出ると、和尚さんは鼻の先で笑つて、「むゝ、彼女か——彼様なひねくれた女は仕方が無い」とすぢや有ませんか。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
彼女はその苦痛られさうもない。けれどもしてつて不安は、それにもして彼女しめるであらう。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
彼女にのみ内證の祕めたる事ぞ無かりける。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
の箱も運び出されて来た。鼓とは堂にっているといわれている彼女だった。
江木欣々女史 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
彼女の事じゃ、わたしも実に困いましたよ。銭はつかう、とけんかまでする、そのあげくにゃ鬼婆のごと言わるる、得のいかン媳御じゃってな、山木さん——。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
丁度あの鳶頭が来た翌日でした、吉原彼女駈落と出懸けやしたがね、一年足らず野州足利で潜んでいるうちには梅毒がふき出し、それが原因で到頭お目出度なっちまったんで
……つまり何んです、何んでもないので、彼女——私の奥さんですが、家出をしてったのでございますよ……
奥さんの家出 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
戀女輪近くへ奇異魔物して、彼女調伏してしまふまで、それを突立たせておいたならば、それこそ惡戲でもあらうけれど、のは正直正當呪文ぢゃ、彼女りて
もう毎日のように彼女が訊くのです。⦅どうして、あなたのお友達はいらっして下さらないのでしょう?⦆ってね。
彼女打萎れた侘しそうな風をしていたが、その姿をちらと見ると前の女が子供の方へ声をかけた。
二人の母親 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
先刻一寸見えたがナ、僕は何だか気の毒の様に感じたから、挨拶もせずに過ぎたのサ、彼女でも成るべく人の居ない方へと、てる様子であつたからナ、山木見たいなに梅子さんのあると云ふは
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
あながち惚れたという訳でも無い。が、何だか自分に欠乏してる生命の泉というものが、彼女には沸々と湧いてる様な感じがする。
予が半生の懺悔 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
……父さまは良い方だったわ、あたしが母さまに似ているので、彼女のようだという意味から仏蘭西語で、『彼女』と呼んだんだわ。
海浜荘の殺人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
彼女が就中行儀が悪くて、他の馬が辛うじて向きがそろつて、あはやスタートの旗が振られさうになつても、彼女が脇へ反れてしまふので容易に出そろはなかつた。
競馬の日 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)