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彼女
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かのぢよ
ふりがな文庫
“
彼女
(
かのぢよ
)” の例文
ある
時
(
とき
)
は、
隣室
(
りんしつ
)
に
臥
(
ね
)
てゐるKの
夫人
(
ふじん
)
に
搖
(
ゆす
)
り
起
(
おこ
)
されて
眼
(
め
)
を
覺
(
さ
)
ましたが、
彼女
(
かのぢよ
)
にはそれが
單
(
たん
)
に
夢
(
ゆめ
)
とばかり、
打
(
う
)
ち
消
(
け
)
すことができなかつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
が
小使部屋
(
こづかひべや
)
の
前
(
まへ
)
を
通
(
とほ
)
りかゝつた
時
(
とき
)
、
大
(
おほ
)
きな
爐
(
ろ
)
の
炭火
(
すみび
)
が
妙
(
めう
)
に
赤
(
あか
)
く
見
(
み
)
える
薄暗
(
うすくら
)
い
中
(
なか
)
から、
子供
(
こども
)
をおぶつた
内儀
(
かみ
)
さんが
慌
(
あわ
)
てゝ
聲
(
こゑ
)
をかけた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
大久保
(
おほくぼ
)
が
出発
(
しゆつぱつ
)
してから
間
(
ま
)
もなく、
彼女
(
かのぢよ
)
がまたやつて
来
(
き
)
た。その
顔
(
かほ
)
は
目
(
め
)
に
立
(
た
)
つて
明
(
あか
)
るくなつてゐた。
話
(
はなし
)
も
前
(
まへ
)
よりははき/\してゐた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
『
亞尼
(
アンニー
)
! お
前
(
まへ
)
の
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
はよく
分
(
わか
)
つたよ、
其
(
その
)
忠實
(
ちうじつ
)
なる
心
(
こゝろ
)
をば
御主人樣
(
ごしゆじんさま
)
も
奧樣
(
おくさま
)
もどんなにかお
悦
(
よろこ
)
びだらう、けれど——。』と
彼女
(
かのぢよ
)
の
顏
(
かほ
)
を
眺
(
なが
)
め
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
が三
週間
(
しうかん
)
の
安靜
(
あんせい
)
を、
蒲團
(
ふとん
)
の
上
(
うへ
)
に
貪
(
むさ
)
ぼらなければならないやうに、
生理的
(
せいりてき
)
に
強
(
し
)
ひられてゐる
間
(
あひだ
)
、
彼女
(
かのぢよ
)
の
鼓膜
(
こまく
)
は
此
(
この
)
呪咀
(
のろひ
)
の
聲
(
こゑ
)
で
殆
(
ほと
)
んど
絶
(
た
)
えず
鳴
(
な
)
つてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
私
(
わたくし
)
はこの
小娘
(
こむすめ
)
の
下品
(
げひん
)
な
顏
(
かほ
)
だちを
好
(
この
)
まなかつた。それから
彼女
(
かのぢよ
)
の
服裝
(
ふくさう
)
が
不潔
(
ふけつ
)
なのもやはり
不快
(
ふくわい
)
だつた。
最後
(
さいご
)
にその二
等
(
とう
)
と三
等
(
とう
)
との
區別
(
くべつ
)
さへも
辨
(
わきま
)
へない
愚鈍
(
ぐどん
)
な
心
(
こころ
)
が
腹立
(
はらだ
)
たしかつた。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼
(
か
)
の『
巌頭
(
がんとう
)
の感』は失恋の血涙の紀念です、——彼が言ふには、我輩は
彼女
(
かのぢよ
)
を思ひ浮かべる時、此の
木枯
(
こがらし
)
吹きすさぶが如き
荒涼
(
くわうりやう
)
の世界も、忽ち
春霞
(
しゆんか
)
藹々
(
あい/\
)
たる和楽の天地に化する
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
ですが、ハナァではとても僕のやうにこの雪を越える力はないでせう——
彼女
(
かのぢよ
)
の脛はそんなに長くはありませんからね。僕は、あなたの悲しみにあなたを、殘してさへ行くより仕方がない。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
は、
片山
(
かたやま
)
一人
(
ひとり
)
を
得
(
う
)
る
爲
(
ため
)
には、
過去
(
くわこ
)
の一
切
(
さい
)
を
棄
(
す
)
てた。
肉親
(
にくしん
)
とも
絶
(
た
)
たなければならなかつた。もつとも、
母親
(
はゝおや
)
は
實母
(
じつぼ
)
ではなかつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
私
(
わたし
)
は
心
(
こゝろ
)
に
迎
(
むか
)
へなければならなかつた……それは
力
(
ちから
)
の
弱
(
よわ
)
い
冬
(
ふゆ
)
の
日
(
ひ
)
だからだらうか?
否
(
いや
)
! どうして
彼女
(
かのぢよ
)
の
力
(
ちから
)
を
侮
(
あなど
)
る
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
よう。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
但
(
たゞ
)
し
同棲後
(
どうせいご
)
の
彼女
(
かのぢよ
)
は、
決
(
けつ
)
して
幸福
(
かうふく
)
ではなかつた。
恐
(
おそ
)
らく
彼女
(
かのぢよ
)
もさう
云
(
い
)
ふ
運命
(
うんめい
)
を
掴
(
つか
)
まうと
思
(
おも
)
つて、
彼
(
かれ
)
のところへ
来
(
き
)
たのではなかつたであらう。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
は三
度目
(
どめ
)
の
胎兒
(
たいじ
)
を
失
(
うしな
)
つた
時
(
とき
)
、
夫
(
をつと
)
から
其折
(
そのをり
)
の
模樣
(
もやう
)
を
聞
(
き
)
いて、
如何
(
いか
)
にも
自分
(
じぶん
)
が
殘酷
(
ざんこく
)
な
母
(
はゝ
)
であるかの
如
(
ごと
)
く
感
(
かん
)
じた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
春枝夫人
(
はるえふじん
)
の
嬋娟
(
せんけん
)
たる
姿
(
すがた
)
は
喩
(
たと
)
へば
電雷
(
でんらい
)
風雨
(
ふうう
)
の
空
(
そら
)
に
櫻花
(
わうくわ
)
一瓣
(
いちべん
)
のひら/\と
舞
(
ま
)
ふが
如
(
ごと
)
く、
一兵
(
いつぺい
)
時
(
とき
)
に
傷
(
きづゝ
)
き
倒
(
たを
)
れたるを
介抱
(
かいほう
)
せんとて、
優
(
やさ
)
しく
抱
(
いだ
)
き
上
(
あ
)
げたる
彼女
(
かのぢよ
)
の
雪
(
ゆき
)
の
腕
(
かひな
)
には
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
即ち男子の道義をも自ら破壊することになるか
如何
(
どうか
)
と云ふのです、私は彼に質問したのです、——君は
彼女
(
かのぢよ
)
の節操破壊を以て自己の心より出でたるものと思つてるか
如何
(
どうか
)
——所が彼の言ひまするには
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
は
喜
(
よろこ
)
びも
心配
(
しんぱい
)
も、たゞそのためにのみして
書
(
か
)
き
入
(
い
)
れた
努力
(
どりよく
)
の
頁
(
ページ
)
をあらためて
繰
(
く
)
つてみて
密
(
ひそ
)
かに
矜
(
ほこ
)
りなきを
得
(
え
)
ないのであつた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
病人
(
びやうにん
)
はK
夫人
(
ふじん
)
の
顏
(
かほ
)
の
下
(
した
)
で、
小兒
(
こども
)
のやうに
顎
(
あご
)
で
頷
(
うなづ
)
いて
見
(
み
)
せた。
上
(
うへ
)
の
方
(
はう
)
へ
一束
(
ひとたば
)
にした
髮
(
かみ
)
が、
彼女
(
かのぢよ
)
を一
層
(
そう
)
少女
(
せうぢよ
)
らしく
痛々
(
いた/\
)
しく
見
(
み
)
せた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
竹村
(
たけむら
)
には
思
(
おも
)
ひがけない
事
(
こと
)
であつたが、しかし
彼女
(
かのぢよ
)
に
若
(
も
)
し
姉
(
あね
)
とか
兄
(
あに
)
とかいふ
近親
(
きんしん
)
の
人
(
ひと
)
があるなら、その
誰
(
たれ
)
かゞ
彼
(
かれ
)
を
訪
(
たづ
)
ねてくるのに
不思議
(
ふしぎ
)
はない
筈
(
はず
)
であつた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
は
多數
(
たすう
)
の
文明人
(
ぶんめいじん
)
に
共通
(
きようつう
)
な
迷信
(
めいしん
)
を
子供
(
こども
)
の
時
(
とき
)
から
持
(
も
)
つてゐた。けれども
平生
(
へいぜい
)
は
其
(
その
)
迷信
(
めいしん
)
が
又
(
また
)
多數
(
たすう
)
の
文明人
(
ぶんめいじん
)
と
同
(
おな
)
じ
樣
(
やう
)
に、
遊戲的
(
いうぎてき
)
に
外
(
そと
)
に
現
(
あら
)
はれる
丈
(
だけ
)
で
濟
(
す
)
んでゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其
(
その
)
息子
(
むすこ
)
が
大仕事
(
おほしごと
)
と
云
(
い
)
つたのはまさしく
弦月丸
(
げんげつまる
)
を
襲撃
(
しふげき
)
して、
其
(
その
)
貨財
(
くわざい
)
を
掠奪
(
りやくだつ
)
する
目的
(
もくてき
)
だなと
心付
(
こゝろづ
)
いた
時
(
とき
)
、
彼女
(
かのぢよ
)
は
切
(
せつ
)
に
其
(
その
)
非行
(
ひかう
)
を
諫
(
いさ
)
めた
相
(
さう
)
ですが、
素
(
もと
)
より
思
(
おも
)
ひ
止
(
とゞ
)
まらう
筈
(
はづ
)
はなく、
其
(
その
)
暴惡
(
ぼうあく
)
なる
息子
(
むすこ
)
は
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
院長
(
ゐんちやう
)
の
某
(
なにがし
)
が
媒
(
なかだ
)
ちをしたのだといふ
噂
(
うは
)
さもあつた。
人々
(
ひと/″\
)
はたゞ
彼女
(
かのぢよ
)
も
弱
(
よわ
)
い
女
(
をんな
)
であるといふことのために、
目
(
め
)
を
蔽
(
おほ
)
ひ
耳
(
みゝ
)
を
掩
(
おほ
)
うて
彼女
(
かのぢよ
)
を
許
(
ゆる
)
した。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
それだのに
同
(
おな
)
じ
雪
(
ゆき
)
を
戴
(
いたゞ
)
いたこゝの
庇
(
ひさし
)
は、
彼女
(
かのぢよ
)
にその
冷
(
ひ
)
え
切
(
き
)
つた
心
(
こゝろ
)
を
温
(
あたゝ
)
められて、
今
(
いま
)
は
惜
(
を
)
しげもなく
愛
(
あい
)
の
雫
(
しづく
)
を
滴
(
したゝ
)
らしてゐるのだ。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
彼
常用漢字
中学
部首:⼻
8画
女
常用漢字
小1
部首:⼥
3画
“彼女”で始まる語句
彼女等
彼女達
彼女自身
彼女程