“出発”のいろいろな読み方と例文
旧字:出發
読み方割合
しゅっぱつ46.2%
11.5%
たっ9.6%
しゆつぱつ7.7%
たつ5.8%
スタート5.8%
たち3.8%
しゅつぱつ1.9%
しゅッたつ1.9%
たた1.9%
たった1.9%
たッてゆ1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのうちに、ツェッペリンは、出発しゅっぱつしたのでした。そして、その、その記事きじが、はやくも無線電信むせんでんしんで、新聞しんぶん報告ほうこくせられました。
おばあさんとツェッペリン (新字新仮名) / 小川未明(著)
僕は朝早く弟と共に草鞋わらじ脚絆きゃはんで元気よく熊本を出発った。その日はまだ日が高いうちに立野たてのという宿場まで歩いてそこに一泊した。
忘れえぬ人々 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
不実に考えりゃア、無断だんまりで不意と出発たって行くかも知れない。私はともかく、平田はそんな不実な男じゃない、実に止むを得ないのだ。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
大久保おほくぼ出発しゆつぱつしてからもなく、彼女かのぢよがまたやつてた。そのかほつてあかるくなつてゐた。はなしまへよりははき/\してゐた。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「ああ、ちょっと」と私は呼びとめ、「いいかい爺さん。五千円をつかんだら、直ぐ横浜はま出発たつんだ。娘さんも連れて行くんだぜ」
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「同じ平社員でもおれのところは外国会社だ。制度が違う。それにおれは出発スタートが悪かった」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
如何どうして又、こんな処で会ったろう。彼女あれ必定きっと僕と気がいたに違いない。お正さん僕は明日朝出発たちますよ。」
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
そのくるも、また、ひどい吹雪ふぶきでありました。五つのあかいそりが出発しゅつぱつしてから、三日みっかめに、やっとそらは、からりとあかるくれました。
黒い人と赤いそり (新字新仮名) / 小川未明(著)
吉里は小万の室へ行き、平田が今夜の八時三十分の汽車で出発しゅッたつしたことを聞いて、また西宮が持て余すほど泣いた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
平田が談話はなすことが出来るものか。お前さんの性質きしょうも、私はよく知ッている。それだから、お前さんが得心した上で、平田を故郷くに出発たたせたいと、こうして平田を引ッ張ッて来るくらいだ。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
ヤ細川! 突如だしぬけ出発たったので驚いたろう、何急に東京を娘に見せたくなってのう。十日ばかりも居る積じゃったがしゃくさわることばかりだったから三日居て出立たっしまった。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
今夜の出発が延ばされないものか。延びるような気がする。も一度逢いに来てくれるような気がする。きッと逢いに来る。いえ、逢いには来まい。今夜ぜひ夜汽車で出発たッてゆく人が来そうなことがない。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)