“たた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タタ
語句割合
27.1%
19.5%
16.8%
11.7%
6.5%
4.2%
3.4%
1.6%
1.1%
1.0%
(他:104)7.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
向うのかどまがろうとして、仔馬はいそいで後肢あとあしを一方あげて、はらはえたたきました。
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
親仁おやじ大いに苛立いらだって、たたいたり、ったり、馬の胴体について二三度ぐるぐると廻ったが少しも歩かぬ。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
壁は煉瓦れんがだろうが、外部は一面の灰色で、中には日のとおりそうもない、薄暗い空気をたたえるごとくに思われた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そのものに脅えたような燃える眼は、奇異な表情をたたえていて、前になり後になり迷いながいてくるのであった。
廃墟から (新字新仮名) / 原民喜(著)
それも夫婦の義務の鎖につながれていてする、イブセンのう幽霊にたたられていてすると云うなら、別問題であろう。
百物語 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
二十八、九にもなって、お嬢さんと呼ばれているその婦人は、癆咳がたたって、いまだにとつげないでいるのかも知れない。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「乾いてるなら、取り寄せてやろう」と碌さんは、いきおいよく、手をぽんぽんたたく。台所の方で返事がある。男の声だ。
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
二人は驚いて手にしていた鳶口とびぐちで、それをたたこうとすると、火の玉は吃驚びっくりしたように向うの方へ往った。
遁げて往く人魂 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
逸作は、息子の手紙をたたんだりほぐしたりしながら比較的実際的な眼付きを足下あしもと一処ひとところへ寄せて居た。
かの女の朝 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
今や上野に着せんとする汽車の二等室内には大原家の一行五人が毛布けっとたたかばんを締め、網棚の物をおろ
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
その有様を、ずるい、悪徳の芸術家が、一つあまさず見とどけて、的確の描写を為し、成功して写実の妙手とたたえられた。
女の決闘 (新字新仮名) / 太宰治(著)
恵瓊は、そういう話に触れたがらないように、天守閣の結構をめたり、城地の絶景をたたえたりしていたが、やがて秀吉から、
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「今、聞いておると、其方どもは、口を極めて、宮本武蔵をたたえておるが、左様な出たらめを申し触らすと、以後承知せぬぞ」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その間、かれも彼らとともに自然詩人となって宇宙の調和をたたえ、その最奥さいおうの生命に同化することを願うた。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
手をたたく音がしずまって一時しんとしたかと思うと、やがて凛々りりしい能く徹る声で、誰やらが演説を始める。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しゃんしゃんと手をたたいて、賭博ばくちに勝ったものも、負けたものも、飲んだ酒と差引いて、誰も損はござりませぬ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私はそれまで躊躇ちゅうちょしていた自分の心を、一思ひとおもいに相手の胸へたたき付けようかと考え出しました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼は、警察署に行くと、捕えられて来ていたその男を死ぬ程たたきのめし、自分は程近い地下鉄道に轢かれて命を落してしまったのです。
自分の問は前よりなお露骨であった。母は黙ってそこにたたずんでいた。自分は母の表情に珍らしく猜疑さいぎの影を見た。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ある夜更よふけに冷たい線路にたたずみ、物思いに沈む抱月氏を見かけたというのもそのころの事であったろう。
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
昂奮こうふんたたったのか、寒い夜気がこたえたのか、帰途につこうとしていた清逸はいきなり激しい咳に襲われだした。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
さわらぬ神にたたりなしとどんな男からも怖れられた玄竜が、それしきの夢にこれは又何ごとだと思えば急に忌々しくもなって来た。
天馬 (新字新仮名) / 金史良(著)
或は人をねたみにくみて我身ひとりたたんと思へど、人ににくまうとまれて皆我身の仇と成ことをしらず
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
彼は刃物を振翳ふりかざして、綱を切って落そうと試みたが、綱は案外に強いので、容易に刃がたたなかった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
祭りといえば、どこの地方より、賑うし、酔って、土民が唄うのを聞けば、唄にまで、将門の徳を、たたえている。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
酒に光栄あれ! バッカスよわれ今汝をたたえん! ごめん、婦人諸君、これはスペイン式だ。ところで、その証拠はここにある、曰く、この人民にしてこのたるあり。
皆気が利かないから私でも居なければ、暖まらない時に湯タンポを入れたり、夜着の肩をたたいてあげるのは一人も居ないんですものねえ。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
で、多勢はお宮の境内で、太鼓をたたいて歌ひながら、雨乞踊あまごひをどりをいたしました。
馬鹿七 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
たたけば声百里に及ぶ、北斉の時、都内に移し撃たしむるに声出ず、本寺に帰せば声もとのごとし、士人磬神聖にして
傍に坐っていた者は同情して、それぞれ金を出してくれた。彼の男はそれを腰につけてから、はこたたいていった。
偸桃 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
が、左の手は、ぶらんと落ちて、草摺くさずりたたれたような襤褸ぼろの袖の中に、肩から、ぐなりとそげている。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
電燈はたたれた。さいわいに満月の夜ごろだから、月はなくても空は真暗というほどではない。
土間に撒かれた麦をついばんで行くうちに、雄鳩は愕然として覚えず烈しく翼で地面をたたきながら低く数尺翔んだ。
白い翼 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「やいやい加藤次、加藤次はいぬか、いう事をかぬ女郎奴めろうめらを、く疾く庭へ引きだせ! 弓の折れの鞭の百たたき、背中の皮の破れるまで、身内の肉のつぶれるまで、くびの骨の砕けるまで、この長者様が打ちえてくれる!」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
かれその御世をたたへて、はつ國知らしし一六御眞木みまきの天皇とまをす。
慈眼じげんぬしはこれをこそたたへもすらめ。
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
おとらがしおを見て、用事を吩咐いいつけて、そこをたたしてくれたので、お島はやっと父親の傍から離れることが出来た。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
どっちへ答えてもなじるようにしてだんだん問答を進めますので、その問い方と答え方の活発なる事は真にいわゆる懦夫だふたたしむるの概があるです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
その乗手は身を屈め、それから、車掌をちらりと仰ぎ見ながら、一枚の小さく折りたたんだ紙片を旅客に手渡しした。
廃館になつた領事館のまへで折れて、海へおちる道。――あをくたたまれた海の夢が、とほい〓〓あくがれを乗せて万里の潮を、しろくあげてゐる。
(新字旧仮名) / 高祖保(著)
「こまつぶり」でも、廻してゐるのかと思つて、後ろから覗いて見ると、何処どこかから迷つて来た、尨犬むくいぬの首へ繩をつけて、打つたりたたいたりしてゐるのであつた。
芋粥 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「じたばたしたら、たたき殺すのだから、奴さん、動かれないのだ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そこでその御世をたたえて初めての國をお治めになつたミマキの天皇と申し上げます。
そこでまた御名みなたたえてタケヌナカハミミの命と申し上げます。
じみなる着ものを俄の詮索、見苦しからず調ととのへていざとばかりその夕ぐれに浅木様を、出立たたせましたまひたる後は。
葛のうら葉 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
と、養母ははだけを出立たたせた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二人は目に涙をたたえながら、合衆国人の仁義心に訴えたが、それが容れられないと知ると、穏やかなわずかな抵抗を試みた後、その不幸な運命に服従した。
船医の立場 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
(甚兵衛、蒼白な顔に微笑をたたえ、皆にぺこぺこ頭を下げて、隅の方へ座る)
義民甚兵衛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
身は一けん独立のごとくして、心は娼妓しょうぎよりもなお独立なく他人に依頼し、しかも他人の愛憎あいぞうによりその日を送れるものが多々たたありはせぬか。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
こんにちの男一匹は、文化の進歩とともに昔時せきじのごとき蛮勇ばんゆうの必要はいちじるしく減少げんしょうしたけれども、思慮しりょと判断力とにおいて多々たたますます進むにあらざれば、男一匹として女子にまさるの理由を失うにいたる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
のどを緊められても出すは変りませんよ。間は金力には屈しても、腕力などに屈するものか。憎いと思ふならこのつらを五百円の紙幣束さつたばでおたたきなさい」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
……すると、今日は貴公の口をひったたきにきたのかな
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
酒に酔つて人を殴打たたき、女の足を拝み、よる赤い四角の窓を仰いでは淫獣の如く電線を伝つて忍び込んだのも君だ、幻覚中の君であつた。
愛の詩集:03 愛の詩集 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
酒に酔つて人を殴打たたき、女の足を拝み、よる赤い四角の窓を仰いでは淫獣の如く電線を伝つて忍び込んだのも君だ、幻覚中の君であつた。
すると、長方形の板の下の小さい眼は、芥子粒けしつぶより小さい二粒の涙をたたえているのが見える。
不周山 (新字新仮名) / 魯迅(著)
妻は思設けぬ面色おももちの中に喜をたたへて、
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
庭には大きな泉水を掘り、向うの小山を其まゝ庭にして、蘇鉄そてつを植えたり、石段をたたんだり、石燈籠を据えたりしてある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
石をたたんで庫裡くりに通ずる一筋道の右側は、岡つつじの生垣いけがきで、垣のむこうは墓場であろう。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「すると、その三人の客人達は、今日の何時頃に銚子をたたれたのですか?」
花束の虫 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
学円 やあ、おもしろい。奥さん、いずれ帰途かえりには寄せて頂く。私は味噌汁が大好きです。小菜こなを入れて食べさしてたたせて下さい。時に、帰途はいつになろう。……
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
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