“抛(たた)” の例文
「南無三、好事(こうず)魔多し」と髯ある人が軽(かろ)く膝頭を打つ。「刹那(せつな)に千金を惜しまず」と髯なき人が葉巻の飲(の)み殻(がら)を庭先へ抛(たた)きつける。隣りの合奏はいつしかやんで、樋(ひ)を伝う雨点(うてん)の音のみが高く響く。
一夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)