“刹那”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
せつな98.9%
せちな0.5%
さつな0.3%
セツナ0.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「われを売る者、この中にひとりあり。」キリストはそうつぶやいて、かれの一切の希望をさらっと捨て去った、刹那せつなの姿を巧みにとらえた。
接近せつきんした一刹那せつな彼等かれら水中すゐちうをどつて機敏きびんあみもつ獲物えものくのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
同時だ。哄笑と一緒に伸び切った喬之助の上半身だ。ぱアッ! 片膝が前へ出たと見えたとき、そして、右手が刀の柄へ行ったと見えた刹那せつな——。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
コントにふさわしい断面もしくは刹那せつなにおいて人生をとらえる俊敏な把握力とこれを軽快に表現する表現力とをそなえた作家が日本にはまだない。
ルヴエルの『夜鳥』 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
「たしかに、どこかで見たことのある女房なのです。けれど、はっと思ったのは刹那せつなで、また、そうではなかったのかと、迷われもして来ますし」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
刹那せちなの醉にあくがれむ。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
この刹那せちなのたましひを
文月のひと日 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
動かないでしかも活きている刹那さつなの表情を、そのまま画布に落した手腕は、会心の機を早速さそくに捕えた非凡のと云わねばならぬ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
郎女は刹那セツナ、思ひ出して帳台の中で、身を固くした。次にわぢ/″\とヲノノきが出て来た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
其瞬間、肉体と一つに、おれの心は、急に締めあげられるやうな刹那セツナを、通つた気がした。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)