“繰”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
85.7%
くり6.7%
あやつ3.3%
たぐ1.4%
くく1.0%
0.5%
あや0.5%
くっ0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女に云わせれば、こうして早く帰るのも、あんなに遅くなった昨日きのうの結果を、今度はかえさせたくないという主意からであった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
わたしの長い寫眞物語しやしんものかたりのペエジにも悲喜ひきこも/″\の出來事がくり返されたが、あの刹那せつなにまさるうれしさがもうふたゝびあらうとはおもへない。
其船頭そのせんどう悠然いうぜんとして、片手かたてあやつりはじめながら、片手かたてみづとき白鷺しらさぎ一羽いちはひながらりて、みよしまつたのである。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たぐり出すようにしながら、ともかくも首尾を通して説明することが出来るようになって来た。
動かぬ鯨群 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
急いで、一枚一枚、くくっていくうちに、私は、その青写真が、どんな器械をあらわしているかについて、知ることが出来た。
人造人間の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
姉は織物をしたり糸をったりしてすきはございませんが、少しひまが有れば大滝村の不動様へ親父おやじ生死いきしに行方が知れますようにと信心して、姉弟二人中ようして暮して居ります。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
さきにこれをあやつりしは、わがなにがし省の官長にて、今はこの糸、あなあはれ、天方伯の手中に在り。余が大臣の一行と倶にベルリンに帰りしは、あたかも是れ新年のあしたなりき。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
日曜日は近頃に無い天下晴れ、風も穏かでちりたず、暦をくって見れば、旧暦で菊月初旬きくづきはじめという十一月二日の事ゆえ、物観遊山ものみゆさんにはもって来いと云う日和ひより
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
と、教授は腑抜ふぬけのした顔でそれをもじやつてゐるうち、ふと仏様の笑顔が家主の因業爺いんごふぢいのやうに見え出した。