“くっ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
48.7%
20.5%
10.3%
10.3%
2.6%
2.6%
2.6%
2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
久米一非常な傲慢ごうまんだからだ。誰にもくっしたことがない、誰へも傲倨ごうきょに君臨する、ましてや芸術においては無論、天下の陶器師を睥睨へいげいしている。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこでお礼として豚の頭を貰って来て、奥からなたを借りて来て、ず解剖的に脳だの眼だのく/\調べて、散々さんざんいじくった跡を煮てくったことがある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
正的まともに町と町がくっついた三辻みつつじの、その附根つけねの処を、横に切って、左角の土蔵の前から、右の角が、菓子屋の、その葦簀よしず張出はりだしまで、わずか二間ばかりのあいを通ったんですから、のさりとくのも
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
たとい帳面づらは細君の説明を聴いて解るにしても、実際月にさかなをどれだけくったものか、または米がどれほどったものか、またそれが高過ぎるのか、安過ぎるのか、更に見当が付かなかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「帰れるとも、めしでもくって、ゆっくり休むがえ、朝、眼を覚した時分には、舟はもう走りよる、飯は途中で炊いて、ぬくぬくを喫わせる」
参宮がえり (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
尋常よのつねの犬なりせば、その場に腰をもぬかすべきに。月丸は原来心たけき犬なれば、そのまま虎にくってかかり、おめき叫んで暫時しばしがほどは、力の限りたたかひしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
お前にしてからが、俺のような一生世間師で果てようてえ者にくっついてくより、元の亭主の——ああいう辛抱人へけえった方が末始終すえしじゅうのためだぜ。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
日曜日は近頃に無い天下晴れ、風も穏かでちりたず、暦をくって見れば、旧暦で菊月初旬きくづきはじめという十一月二日の事ゆえ、物観遊山ものみゆさんにはもって来いと云う日和ひより
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)