“つか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ツカ
語句割合
22.3%
8.3%
7.2%
7.1%
5.9%
使4.8%
4.4%
4.2%
4.0%
3.5%
(他:796)28.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
事務所の角まで来ると何という事なしにいきなりみちの小石を二つ三つつかんで入口の硝子ガラスにたたきつけた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
ベッドの上の衣服と、そのわきつるしておいた非常袋をつかむが早いか、部屋をとびだして、街路をけだした。
助「左様いう事ならお預かり申して置きますから、御入用ごいりようの節は何時なんどきでも仰しゃっておつかわしなさい」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
駒井能登守の一行は不意の出来事に驚いて暫らく立って見ていると、岩の上に立って杖をつかう米友の敏捷びんしょうなこと。
こんな事をふと思ったのもしかしつかで、その追憶は心の戸をたたいたと思うとはかなくもどこかに消えてしまった。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
されば行け、汝一もとの滑かなるをこの者の腰につかねまたその顏を洗ひて一切の汚穢けがれを除け 九四―九六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「ああひどかった。あなたもおつかれでしょう。もう大丈夫だいじょうぶです。これからはこんな切ないことはありません。」
さるのこしかけ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
土浦つちうらからかれつかれたあしあとてゝ自分じぶんちからかぎあるいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
と叫びながら合口のつかを右の手で押え片手で大藏の左の手を押えに掛りまするのを、力に任せて捻倒ねじたおし、乗掛って、
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
王子は恐ろしさに震え上がりそうなのを、じっと押しこらえて、剣のつかを握りしめながら、一生懸命に叫び返してやりました。
夢の卵 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
四喜臨門スウシイリンメンとかいふやうな如何いかにも詩味しみのある字句じく使つかつてあるのも面白おもしろい。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
使つかひがかへつてそのとほりをまをげると、みかどおきな同情どうじようされて
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
「本当も嘘もありゃしません。つかい残りがまだ四両と少し、こいつで何をしようかと、昨日きのうから考えているところで」
他人ひとの物に、惜し気もなく、悪友どもは、一夕いっせきつかいちらしてしまったが、あの金は、まさしく自分の借金だ。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
隣の息子むすこが雌を連れて来て、刮々くゎくくゎく云わしたら、雄はひとりでに床の下から出て来て、難なくつかまった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
警護の侍たちや参詣の群衆は直ぐに縁の下へ追いかけましたが、それにつかまったのは運悪く、がんりきでなくて米友でありました。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
無我夢中で駈けて行く中に、何時いつしか途は山林に入り、しかも、知らぬ間に自分は左右の手で地をつかんで走っていた。
山月記 (新字新仮名) / 中島敦(著)
すると迷亭は「イヨー大分だいぶふとったな、どれ」と無作法ぶさほうにも吾輩の襟髪えりがみつかんで宙へ釣るす。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
お話につけて申しますが、実は手前もこの黒門をくぐりました時は、草につかえて、しばらく足が出ませんでございました。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(何でございますか、私は胸につかえましたようで、ちっとも欲しくございませんから、またのちほどに頂きましょう、)
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それがつかまると、棒杭ぼうぐいにしばりつけて置いて、馬の後足でらせたり、裏庭で土佐犬にみ殺させたりする。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
彼奴きゃつ、これを喰わそうかと刀を叩きおったわ。離せ! 引っつかまえて、板の間に鼻を擦りつけてやるのじゃ。離せッ」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
御史の密奏を聞召きこしめして、すなわ宦官かんがんの建文帝に親しくつかえたる者を召して実否を探らしめたもう。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
神職・神人が神の外に仏につかへることを憎しまなかつた時代だから、かう言ふ異形の祭官をも、不思議とせぬ時が続いて来た。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
僕はその夕がた、あたまのつかれをいやしに、井筒屋へ行った。それも、かどの立たないようにわざと裏から行った。
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
興奮と煩悶とにつかれた勝平の頭も、四時を打つ時計の音を聴いた後は、何時しか朦朧としてしまつて、寝苦しい眠に落ちてゐた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
頼家 いや、なおかさねて主人あるじに所望がある。この娘を予が手もとに召しつかいとう存ずるが、奉公さする心はないか。
修禅寺物語 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
私も山の中より町の方が面白おもしろいから、御飯ごはんだけべさしてくだされば、長くあなたのそばつかえて
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
晝間井元の家に馳つけて、無慘な死體を見て來た田原は、酒が胸につかへ、それをまぎらす爲めに飮むので、一層醉つてしまつた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
気がつくと、咽喉の下あたりと思われるあたりに、何か南瓜かぼちゃのようなものがつかえるようで、気持がわるかった。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ところが、その頃降り続いた雨のせゐで、河が溢れて鉄路レールが水につかつたので汽車は途中で立往生をしてしまつた。
行水ぎょうずいの捨て処なし虫の声」虫のに囲まれて、月を見ながら悠々と風呂につかる時、彼等は田園生活を祝した。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
時に小禽すでに終日日光に浴し、歌唄かばい跳躍して疲労をなし、唯唯甘美の睡眠中にあり、汝等飛躍して之をつかむ。
二十六夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
思わず一足退きしが屈せずふるって立ち出でつ、欄をつかんできっとにらめばそら五月さつきやみより黒く
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
『だがマア、お父さんやおつかさんの意見も聞いて見なくちやならないし、それに祖父おぢいさんだつて何か理屈を言ふだらうしね。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
はてな、同じ名前はへんだと思つたから、「おつかさん、こゝに同じ名前があるが、これういふわけだらう」と聞くと
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
生前美しかった娘子の黒髪が吉野川の深い水につかってただよう趣で、人麿がそれを見たか人言に聞きかしたものであろう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
浴客は皆で四人、学生らしいのが湯槽につかっているだけで、あとはそれぞれ流し場でごしごしと石鹸を使っていた。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「もうこれ以上は仕方がない。心気疲労つかれて仆れるまで、ここにこうして立っていよう」造酒は捨鉢すてばちの決心をした。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
小四郎はハッハッと大息を吐き、ぐたぐたと床の上へ膝を突いた。十里の道を歩いたところでこうは疲労つかれまいと思われた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それ丈頭を無駄につかったわけだと今になって一寸口惜しいけれども又、相当に考える事も必用だからと自分でなぐさめて居る。
麻裏はどの穢多のうちでも作るので、『中抜き』と言つて、草履の表につかふ美しい藁がところ/″\の垣根の傍に乾してあつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
つかうへ趺坐ふざして打傾うちかたむいて頬杖ほゝづゑをした、如意輪によいりん石像せきざうがあつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そして、せんの犬のつかのとなりへ穴をほり、死がいをていねいにズックのきれでつつんで中へ入れ、ちゃんと土をもり上げました。
やどなし犬 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
胸さきに、生唾なまつばつかえさせていた武士たちも、その図に乗って、いちどきに、わッと凱歌をあげて引揚げた。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「冷えてるのはいいが、硬過こわすぎてね。――阿爺おとっさんのように年を取ると、どうもこわいのは胸につかえていけないよ」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
朝はまだバスの女車掌さんにもつかれは見えないし、少年工も口笛を吹いて、シエパードを呼ぶ坊ちやんに劣らぬ誇りを生産に持つ。
(旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
渠は、東京にゐた時から、つかれるまでは、あけがたの三時までも、四時までも、褥に這入らないのが習慣であつた。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
また、その遺子趙統ちょうとうを、虎賁こほん中郎に封じ、弟の趙広を、牙門がもんの将に任じて、父のつかを守らせた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山村に眠る両親のつかは未だそのままにしてあったので、幸作へてて手紙を送って、墓石のことを頼んで遣った。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
迷宮のうちにあつて「美」の所在を争ひ、右に走り左に馳せ、東に疲れ西につかるゝ者、比々ひゝ皆な是なり。
松島に於て芭蕉翁を読む (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
かくすること数多回一度も野猪の勝とならなんだので憤りとつかれで死んでしまったとある。
「寧ろこの使用つかい古るした葡萄ぶどうのような眼球めのたまえぐり出したいのが僕の願です!」と岡本は思わず卓を打った。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
大名を泊める為に設けたとかいう玄関の次には、母やあによめはたを織る場所に使用つかった板の間もあった。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
耆婆きばさじなげ癩病らいびょう接吻くちづけくちびるポロリとおちしに愛想あいそつかしてならんなど疑う儕輩やからなるべし
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
けれども、天魔に魅入られたものと親父も愛相あいそつかして、ただ一人の娘を阿父さん彼自身より十歳とをばかりも老漢おやぢの高利貸にくれて了つたのだ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
貴下あなたはほんとに智慧者ちえしゃでいらっしゃるよ。百人足らずの人足を、無銭ただつかってさ。」
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
我にあらはれしかの淑女が、さながら水軍ふなての大將の、ともに立ちへさきに立ちつゝあまたの船につかはるゝ人々を見てこれをはげまし
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
今にもぶっ倒れそうな痩男やせおとこがひらひらと紙幣を屋台に差出し、手でつかんだものをもう口に入れていた。
火の唇 (新字新仮名) / 原民喜(著)
いや、宗教を離れては、どうしても「生きる」ということのほんとうの意味を、つかむことはできないのです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)