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遣
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つか
ふりがな文庫
“
遣
(
つか
)” の例文
そして後ではたまらない淋しさに襲われるのを知りぬいていながら、激しい言葉を
遣
(
つか
)
ったり、厳しい
折檻
(
せっかん
)
をお前たちに加えたりした。
小さき者へ
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「御父さまはきっと
私達
(
わたしたち
)
が要らない
贅沢
(
ぜいたく
)
をして、むやみに御金をぱっぱっと
遣
(
つか
)
うようにでも思っていらっしゃるのよ。きっとそうよ」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
先年
(
せんねん
)
自分
(
じぶん
)
に下されしなり大切の品なれども
其方
(
そのはう
)
の
願
(
ねがひ
)
も
點止
(
もだ
)
し難ければ
遣
(
つか
)
はすなりと
御墨付
(
おんすみつき
)
を添て
件
(
くだん
)
の短刀をぞ
賜
(
たま
)
はりける其お
墨付
(
すみつき
)
には
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其
(
それ
)
では
種
(
たね
)
あかしの
手品
(
てじな
)
同樣
(
どうやう
)
慰
(
なぐさみ
)
になりません、お
願
(
ねがひ
)
と
申
(
まを
)
しましたのは
爰
(
こゝ
)
の
事
(
こと
)
、
御新造樣
(
ごしんぞさま
)
一
(
ひと
)
つ
何
(
ど
)
うぞ
何
(
なん
)
でもお
教
(
をし
)
へなさつて
遣
(
つか
)
はさりまし。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
飯綱の本尊は
陀祇尼天
(
だきにてん
)
ということであるが、その修験者は
稲荷
(
いなり
)
とも関係があって、よく狐を
遣
(
つか
)
って法術を行うということであります。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
ひそめ、こんどは体でもわるくせねばよいがと案じていたが、それくらいな望みなれば、
叶
(
かな
)
えて
遣
(
つか
)
わしてもさしつかえないではないか
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そもじ事はいとけなき折より心得よろしきものとおもい、一しお親しく思いしが、このほど御文拝しいらざる事まで申
遣
(
つか
)
わし候なり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
彼女は「だいなし」という
詞
(
ことば
)
を
無暗
(
むやみ
)
に
遣
(
つか
)
う癖があった。ややもすると「だいなしに
暑
(
あつ
)
い」とか、「だいなしに遅くなった」とかいった。
二階から
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
これから
俺
(
わし
)
の
申
(
もう
)
すところをきいて、十
分
(
ぶん
)
に
修行
(
しゅぎょう
)
を
積
(
つ
)
まねばならぬ。
俺
(
わし
)
は
産土
(
うぶすな
)
の
神
(
かみ
)
から
遣
(
つか
)
わされた
汝
(
そち
)
の
指導者
(
しどうしゃ
)
である、と
申
(
もう
)
しきかされた。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ストラボンの説に昔マヨルカとミノルカ諸島の民熟兎
過殖
(
ふえすぎ
)
て食物を
喫
(
く
)
い尽くされローマに使を
遣
(
つか
)
わし新地を給い移住せんと請うた事あり
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
王
(
おう
)
さまは、
女
(
おんな
)
の
泣
(
な
)
いているのを
見
(
み
)
て、
家来
(
けらい
)
を
遣
(
つか
)
わして、その
泣
(
な
)
いている
理由
(
いわれ
)
をたずねられました。
妹
(
いもうと
)
は、一
部
(
ぶ
)
始終
(
しじゅう
)
のことを
物語
(
ものがた
)
りました。
木と鳥になった姉妹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
かうして津下にばかり金を
遣
(
つか
)
はせては気の毒だ。軍資を募るには手段がある。我々も人真似に守銭奴を
脅
(
おど
)
して見ようではないかと云つた。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
この
八月
(
はちがつ
)
の
十五日
(
じゆうごにち
)
には
天
(
てん
)
から
迎
(
むか
)
への
者
(
もの
)
が
來
(
く
)
ると
申
(
まを
)
してをりますが、その
時
(
とき
)
には
人數
(
にんず
)
をお
遣
(
つか
)
はしになつて、
月
(
つき
)
の
都
(
みやこ
)
の
人々
(
ひと/″\
)
を
捉
(
つかま
)
へて
下
(
くだ
)
さいませ
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
此方から参ったのは剣術
遣
(
つか
)
いのお弟子と見えて
奴
(
やっこ
)
蛇
(
じゃ
)
の
目
(
め
)
の傘をさして来ましたが、其の頃町人と見ると
苛
(
ひど
)
い目に合わせます者で
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
天つ神の御子、こよ奧つ方にな入りたまひそ。荒ぶる神いと
多
(
さは
)
にあり。今天より
八咫烏
(
やたがらす
)
七
を
遣
(
つか
)
はさむ。かれその八咫烏導きなむ。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
隅の方で時折大きく
団扇
(
うちわ
)
を
遣
(
つか
)
う音がする。専務車掌がよろめきながら、荷物を並べた狭い通路を歩き
憎
(
に
)
くそうに通って行った。
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
さりながら慈悲深き
弥陀尊
(
みだそん
)
はそのままには置き給わず、日影の東に回るや否、情ある佐太郎を
遣
(
つか
)
わし給えり、彼は
瓜
(
うり
)
、
茄子
(
なす
)
、
南瓜
(
かぼちゃ
)
、
大角豆
(
ささげ
)
空家
(新字新仮名)
/
宮崎湖処子
(著)
「乱暴してはいけない、——私は右京亮さまから
遣
(
つか
)
わされた上使だ」代二郎が云った、「——どうか除村にそう取次いでくれ」
初夜
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
さっそく
御殿
(
ごてん
)
にお
召使
(
めしつか
)
いになるおつもりで、皇子の
大碓命
(
おおうすのみこと
)
にお言いつけになって、二人を
召
(
め
)
しのぼせにお
遣
(
つか
)
わしになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
一人の弟のことなればと、苦き顔もせで兄はいふまままた十万を与へしに、またそれをさへ
遣
(
つか
)
ひ果して、例の通りに無心に来ること前の如し。
印度の古話
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「これこそあ、耕平の野郎の、
身
(
み
)
の
代金
(
しろきん
)
だぞ。無暗なことにあ
遣
(
つか
)
われねえぞ。この金は、金として、取って置かなくちゃ。」
馬
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
さてまた此大したお金を何ぞ
善
(
よ
)
いことに
遣
(
つか
)
ひ
度
(
たい
)
と思ふにつけ、さき/\の
考
(
かんがへ
)
が胸の
中
(
うち
)
に浮んで来
升
(
まし
)
たが、
何
(
いづ
)
れも夢か幻の
様
(
やう
)
な
空
(
くう
)
な考へでした。
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
○これからは、作ができてから、
遣
(
つか
)
うものなら遣ってもらうようにしたいと思う。とうからもそう思っていたが、このごろは特にその感が深い。
校正後に
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
暮に
遣
(
つか
)
う
煤掃
(
すすは
)
きの煤取りから、正月飾る
鏡餅
(
かがみもち
)
のお
三方
(
さんぼう
)
まで一度に買い調えなきゃならないというものじゃなし、お
竈
(
へッつい
)
を据えて、長火鉢を置いて
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
もっともいけないのは、この神が不誠実にも、予言者を
遣
(
つか
)
わして人々を盲目にすることだ。それも彼らを苦しませるための理由を得るためにだ。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
そういう風にして三人なりあるいは六人なりの人を
遣
(
つか
)
わして版を刷らせるのですが、
版摺
(
はんずり
)
は大抵二人で一人は刷り上げたのを
纒
(
まと
)
める役目である。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
最初の
金子
(
かね
)
は雑誌の費用に
遣
(
つか
)
つて
仕舞
(
しま
)
つたので、其れと感
附
(
づ
)
いた妹は又一年程の
後
(
のち
)
に二度目の五十円を送つて呉れたが
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
伯父
(
おじ
)
のへそくりを盗み出した十万円は、二十日間の旅で
遣
(
つか
)
いはたした。ポケットには、
辛
(
かろ
)
うじて今夜の宿賃に足りるほどの金が残っているばかりだ。
女妖:01 前篇
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ところで、申すまでもなく、そこらに抜かりはありますまいが、吉良さまのほうへ、いくらかお
遣
(
つか
)
わしになった——。
元禄十三年
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
藤田重右衛門と言ふのは、昔は村でも中々の家柄で祖父の代までは田の十町も所有して、小作人の七八人も
遣
(
つか
)
つた事のある身分だといふことである。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
米国の
灰
(
はい
)
になり米国の土になった彼女は、
真
(
しん
)
に日本が米国に
遣
(
つか
)
わした無位無官の本当の平和の
使者
(
つかい
)
の一人であったと。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
紀州に
遣
(
つか
)
わされました方々が、天一坊が偽者であるという証拠を得られずに却って
真
(
ほん
)
ものであるという証拠を伝えて参りました時の御奉行様の御失望
殺された天一坊
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
これも同じ頃に信州中野の人がお犬さまを借りて急いで帰る途中、ふと彼の
誡
(
いましめ
)
を忘れて茶屋に休んで昼食を
遣
(
つか
)
った。
奥秩父
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
そこで主上におかせられては、侍臣花山院
師賢
(
もろかた
)
卿へ、
兗竜
(
こんりゅう
)
の
御衣
(
ぎょい
)
をお着せになり、
御輿
(
おんこし
)
に乗らせて比叡山へ
遣
(
つか
)
わし
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
とても
相談
(
さうだん
)
の
相手
(
あいて
)
にはならぬの、いはゞ
太郎
(
たらう
)
の
乳母
(
うば
)
として
置
(
お
)
いて
遣
(
つか
)
はすのと
嘲
(
あざけ
)
つて
仰
(
おつ
)
しやる
斗
(
ばかり
)
、ほんに
良人
(
おつと
)
といふではなく
彼
(
あ
)
の
御方
(
おかた
)
は
鬼
(
おに
)
で
御座
(
ござ
)
りまする
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「ハハ。ともかくも御前にまいって
取
(
とり
)
なして
遣
(
つか
)
わす故、控えおれと申し聞けまして、そのまま出仕致しましたが」
名君忠之
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
お春は駕籠を下り立って、いくらかの
酒代
(
さかて
)
を二人に
遣
(
つか
)
わし、礼の言葉を後に聴いて、小走りに急ぎ
乍
(
なが
)
ら、物寂しい夜半の寺内へはいってしまうのでした。
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
午前六時を過ぐるころ、艦隊はすでに海洋
島
(
とう
)
の近くに進みて、まず砲艦
赤城
(
あかぎ
)
を島の彖登湾に
遣
(
つか
)
わして敵の有無を探らしめしが、湾内むなしと帰り報じつ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
そして、月々きまつてもらふお小
遣
(
つか
)
ひを
少
(
すこ
)
しづゝ
郵便
(
ゆうびん
)
貯
(
ちよ
)
金にし
初
(
はじ
)
め、いつも
祖
(
そ
)
母がくれるお中
元
(
げん
)
お歳
暮
(
ぼ
)
の金も今までのやうに
無駄
(
むた
)
には
使
(
つか
)
はないことにした。
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
ワザワザ旅費を
遣
(
つか
)
って仏蘭西まで行って、仏蘭西の監獄に入れられて仏蘭西人までを欺く必要もなかったろう。
最後の大杉
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
孔子が魯から衛に入った時、召を受けて霊公には
謁
(
えっ
)
したが、夫人の所へは別に
挨拶
(
あいさつ
)
に出なかった。南子が
冠
(
かんむり
)
を曲げた。
早速
(
さっそく
)
人を
遣
(
つか
)
わして孔子に言わしめる。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
姉さんは
壮健
(
じょうぶ
)
そうに成ったばかりでなく、晴々とした眼付で玉木さん達の噂をした後に、めったに口にしたことのない
仮白
(
こわいろ
)
なぞを
遣
(
つか
)
うほど機嫌が好かった。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ケメトスの評判は
次第
(
しだい
)
に四方へ広がって、ついにその土地の王様の耳にはいりました。王様は珍しいことに思われて、人を
遣
(
つか
)
わしてケメトスを招かれました。
彗星の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
あんまり遅すぎてもぐずぐずしていたようだし、そこをうまくやろうと、そのことばかりに心を
遣
(
つか
)
っている。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
その通りの
言渡
(
いいわた
)
しだ、去年中から
頻
(
しき
)
りに帰国の事を申し
遣
(
つか
)
わして今か今かと待っていたけれどもそちらにも忙しい事があって帰れないというのは是非もない。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
本名は川島金之助といって
或
(
ある
)
会社の株式係をしていたが
遣
(
つか
)
い込みの悪事が
露
(
あら
)
われて懲役に行ったのである。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
お前の思う通りにしろだが、東京へ出てから二年許りの
間
(
あいだ
)
に
遣
(
つか
)
った金は、地所を抵当に入れて借りた金だ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「はい、実は私は、恥を申しませんければ解りませんが、主人の金を大分
遣
(
つか
)
ひ込みましたので御座います」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
早速
(
さっそく
)
これを
許
(
ゆる
)
し宗伯を熱海に
遣
(
つか
)
わすこととなり、
爾来
(
じらい
)
浅田はしばしば熱海に
往復
(
おうふく
)
して公使を
診察
(
しんさつ
)
せり。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
ならぬ! ならぬ! なりませぬ! この者共を
遣
(
つか
)
わすこと
罷
(
まか
)
りならぬゆえ、とッとと帰らッしゃい!
旗本退屈男:08 第八話 日光に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
遣
常用漢字
中学
部首:⾡
13画
“遣”を含む語句
気遣
心遣
打遣
小遣
遣放
小遣銭
御遣
目遣
小遣錢
詞遣
遣度
思遣
氣遣
差遣
遣付
小遣取
遣込
見遣
遣切
眼遣
...