“心遣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こころづか34.6%
こころや26.9%
こゝろづか13.5%
こころづかい7.7%
こころやり7.7%
こゝろや7.7%
こころづかひ1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はじめ、かなり私への心遣こころづかいで話しかけているつもりでも、いつの間にか自分独りだけで古典思慕に入り込んだひとごとになっている。
東海道五十三次 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
その心遣こころやりがむくいられたのか、それとも、単に私の気の迷いか、近頃では、夫人は、何となく私の椅子を愛している様に思われます。
人間椅子 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
この図書係といふ役は、手当が余計に貰へる関係から野田がひとりぎめに添へて置いたものだつた。果して和作はその野田の心遣こゝろづかひを心から喜んだ。
朧夜 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
しかしこんな心遣こころづかい事実じじつにおいても、普通ふつう論理ろんりにおいてもかんがえてればじつ愚々ばかばかしい次第しだいで、拘引こういんされるだの
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
毎夜々々湯を召すさえ物憂く見えたまえば、気鬱きうつ疾病やまい引出ひきいだしたまわむ、何か心遣こころやりすべは無きかとこうべを悩ます三太夫、飛んでで、歓迎よろこびむかえ、綾子の居間に案内せり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ステーションへ行つて思ふ都会の駅名を恋人の名でも読むやうになつかしくながめるのも一種の心遣こゝろやりだつた。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
妻は尋常ひとなみより小きに、夫はすぐれたる大兵だいひよう肥満にて、彼の常に心遣こころづかひありげの面色おももちなるに引替へて、生きながら布袋ほていを見る如き福相したり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)