“心底”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
しんそこ60.0%
しんてい35.0%
しんてえ1.7%
ぞっこん1.7%
むなそこ1.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
心底しんそこから感謝の意をひょうした上で、自分の考えも少し聞いてもらいたいのは山々であったが、何分にも鼻の奥が詰って不自由である。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「うん、俺ああの野郎のつらを見るのが心底しんそこきれえなんだ。声を聞くのも虫が好かねえんだ。弟の方はさうでもねえけんど。」
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
けれどわれわれの生活、この田舎いなかの、ロシアの、俗臭ふんぷんたる生活は、とても我慢がならないし、心底しんそこから軽蔑けいべつせざるを得ませんね。
と、八つ裂きにしてもあき足らないほど、憎くも思い、いきどおりもするのであったが、さて——自分の寝首を掻かれそこなってみても、心底しんそこから、
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もし八橋が心底しんそこから自分を思っていてくれるとしたら、彼は今更こんなことを言い出して、彼女の心を傷つけるに忍びなかった。
籠釣瓶 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「ありがとう存じまする。大望を持っておりまする身の、卑怯とは存じながら逃げる心底しんていでおりましたところ、お手数をかけまして何とも……」
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しかし、直人は、もう逃げなかった。心底しんてい腹を立てて斬ったよろこびを楽しむように、死の待っているその黒いむれの中へ、ふらふらと這入っていった。
流行暗殺節 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
先祖より遺言状の添えてある大切の宝を打砕うちくだき、糊付にして毀さん振をして、箱の中に入れて置く心底しんていが何うも憎いから
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
『飽くまで、煮えきらぬ態度なら、もう心底しんていは知れたこと。あのような人は見すてて、我々のみで——』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
只のいっぺんでいい! 頼まれずに、憎いと思って、おれが怒って、心底しんていこのおれが憎いと思って
流行暗殺節 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
そんでそれよめつちのが心底しんてえのえゝをんなだつちんだからわしもしいのさ本當ほんたうはなしがねえ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
保證ほしようつたくれえ身上しんしやうつぶれるつち挨拶あいさつなのさ、ねえこれ、年齡としとつちやこつちのおとつゝあんさきみじけえのに心底しんてえのえゝものでなくつちや
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
是は富五郎が惣次郎の女房お隅に心底ぞっこん惚れておりましても、惣次郎があるので邪魔になりますから、いっそかたづけて自分の手に入れようという悪心でござりますが、田舎にいて名主を勤めるくらいであるから惣次郎も剣術の免許ぐらい取って居ります。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
今までの我を怪しむばかり、心の変動、心底むなそこに沈んでいたうれしみ有難みが思い懸けなくもニッコリ顔へ浮み出し懸ッた……が、グッと飲込んでしまい
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)